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残念系美少女

2010年05月03日 19時40分51秒 | アニメ・コミック・ゲーム
キャラクターに対して「残念な」という形容詞を付けること自体は昔からあったとは思うが、それを積極的なウリとして前面に押し出したのが『僕は友達が少ない』だ。
1巻巻頭カラーの人物紹介で、ヒロイン三日月夜空に対して、「容姿以外は色々と残念」と書かれている。2巻の帯には、「美少女×残念=超残念」とも。作品のジャンルは「残念系青春ラブコメディ」。「残念」はこのシリーズのキーワードとなっている。

『ベン・トー』でも5巻のキャラクター紹介で主人公の中学時代の友人(♂)に対して「残念な」と形容されていた。5.5巻ではヒロインの一人に対しても「やや残念」と書かれている。『ベン・トー』では他にも「かわいそうな子」と書かれたヒロインもいるし、「残念」と形容はされていないが、「残念」の名に相応しいヒロインも存在している。

残念系美少女の源流としてすぐに思い浮かぶのは『涼宮ハルヒの憂鬱』のハルヒだろう。エキセントリックな巻き込み型ヒロインの典型である。ただし、その残念な部分とは別に魅力的な部分も描くというのが主流だった。『僕は友達が少ない』ではほとんど残念な部分だけで造型されたヒロインであり、その残念さが魅力となっている。もちろん、それは負の面なので、万人受けするわけではない。そこを複数のヒロインを用意することでカバーしている構図となっている。

他にも『這いよれ!ニャル子さん』などもこの流れを汲んでいると思うが、どれもギャグ主体の作品である。コメディリリーフ的な残念系美少女は過去にも少なからずいたので、斬新とまでは言えないが、もう少しこの流れを押し進めていけば新しい地平が見えてくるような気もする。ゼロ年代の「ツンデレ」のように。

ライトノベル以外のジャンルについては最近富に疎いので、今後の展開は予測できない。ただ、ヒロインのイタさこそが魅力という切り口はとても気に入っている。それだけに、新たなフォロアーが生まれ、更なる展開があればいいなと期待している。

追記:
忘れていたが、『化物語』の戦場ヶ原ひたぎや神原駿河も典型的残念系美少女だろう。ひたぎのような他者攻撃型や駿河のようなエロ系・腐女子系は残念系の特徴とも言える。