たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

車、選ぶのは何? <トヨタ プリウス20年、岐路 エコカー先駆けのHV・・>を読んで

2017-12-10 | 事故と安全対策 車・交通計画

171210 車、選ぶのは何? <トヨタ プリウス20年、岐路 エコカー先駆けのHV・・>を読んで

 

都会暮らしをしている頃は、車を持つ気持ちになりませんでした。以前は大気汚染の元凶の一つ、とりわけ首都圏ではディぜール車両が黒煙を吐き出し、大気汚染被害者も多く、訴訟も長く続いていました。

 

その後車を持つようになってからも、平日は電車で通うことが普通でしたので、月に何回か乗る程度で、家族旅行に便利という程度でしたか。それが当地に移ってくると一変しました。電車はたしかに走っていますが、和歌山市内まで行くには、乗り換えはいいとしても、一時間に一本程度で、場合によっては1.5時間間隔に加えて、各駅停車しかないため、のんびり旅行気分を味わえますが、単線ゆえにとても時間がかかり、残念ながら、首都圏で人工工学に配慮した最近の椅子になれた身には、腰痛持ちのこともあり、田舎の電車は耐えがたいものでした。その上、駅からバスだとまた時間がかかり不規則ですね。結局は、車で往復することになりました。それだけでなく、日常的に車を毎日乗るようになりました。

 

体調不調もあり、交通事故の不安もあったので、乗りたいと思うことはほとんどありませんで、やむなく乗っていました。運転が下手なこともあり、自宅のあちこちで擦ることは慣れっこになりました。

 

いろいろ書きましたが、燃費を気にするほど、長く乗ってこなかったこともあり、価格の安いもので十分ということもあり、プリウスは燃費のすばらしさ、静穏さ(依頼者などになんどか乗せてもらいすごいなと思ったのです)など、本気で車を選ぶときは選択肢の一つとして有力かなと思っていました。燃費がリッター40kmを超えたのはもうずいぶん前ですが、驚異的ですね。

 

他方で、電気自動車や水素自動車など次世代型の自動車は一向に実用化の目処がたたないと長く思っていました。ところが、いつの間にかEV車が出現し、それも海外では相当飛躍的に発売量が伸びているようですね。実際のEV車のよさがわかるわけではありませんが、これは車の生産システム、産業構造、メーカーを頂点とする部品などを受け持つ膨大な中小の製造業のピラミッド体制が大きく変わるかもしれませんね。

 

トヨタは、その仕組みが完成度の高い形で、全世界・日本各地にそれらを散在させ、部品を統合して組み立てるシステムを作り上げてきたのではないかと思います。それがかえって、EVという、まったく異なる生産システムを内容とする場合、対応できないおそれがあるのではと、この分野まったく知りませんが、思ってしまいます。

 

今朝の毎日は<トヨタプリウス20年、岐路 エコカー先駆けのHV 技術活用しEV挽回へ>との記事で、プリウスの性能のよさ、世界市場を切り開いた凄さを示しつつも、EVの登場にトヨタがどう対応するかを取材しています。

 

<初代プリウスの開発責任者を務めた内山田竹志・現会長は「環境性能で車を選ぶという、新しい価値観を作ることができた」と胸を張る。>という具合に、プリウスへの自身は揺るぎないのかもしれません。

 

ただ、気になるのは、プリウスの最近の外観は、当初のしなやかさというか、静かさにあったおとなしい雰囲気からがらっと変わって、SFにでも登場するような未来型の奇抜なデザインになりましたね。スピード、走行距離、どれをとっても通常の車に負けない、強力さを売りにしているのでしょうか。燃費性能だけでないよ、環境に優しいだけでないよと言っているようにも見えます。

 

しかし、すでに諸外国はEVへの道筋を鮮明にしているようにも見えます。<欧米や中国、インドなどでは、環境規制でEVを優遇し、HVを優遇対象から外すなどの動きが出ている>

 

これに対し、トヨタは<「HV20年の取り組みで、モーターなどの小型化、高性能化を達成した。電動車の生産技術でも優位性がある」と強調。>し、<マツダ、デンソーとEVの基幹技術を開発する新会社を設立するなど、既にEVへの対応を強化している。>というのですが、トヨタ自体ではもう間に合わない状況を裏付けているようにも思えます。

 

しかも、<社内では「HVより価格や航続距離で劣るEVが本当に普及するのか」(幹部)などの疑念がある。>と本気度が怪しいですね。

 

ところで、違和感を感じるのがこの「航続距離」です。本来、<船舶や航空機が、搭載した1回の燃料によって航行を続けることのできる距離。>を言うわけですが、なぜか最近は自動車についても同様に言われますね。それはHVEVというエンジン性能から問題になってきたのでしょうね。

 

しかし、環境性能をうたうことがこれからの自動車の大きな切り札ではないかと思うのです。そのとき航続距離の議論を強調するのはある程度は仕方ないとしても、さほど得点を得られないように思うのです。いくら燃費が良くても、どこまでも乗り続けることが望ましいことなのかと言うことです。燃費がいいから、なんでも車で出かける、それが望ましいかです。航続距離が短くても、それにあった運転をすればいいのであって、排出ガスを少ないとは言え出すことがいいことか、長時間乗れば、同じ事になりかねませんね。

 

トヨタの発想は、たしかに車の好きなドライバーの意見を反映しているかもしれません。車の価値・機能も、ドライブすることだけを中心に考えられる時代は転換期なるように思うのです。自動運転が将来の一つの姿です。ハンドルを握らなくて良いことに価値を見いだすわけですね。車を利用することにより違った機能・価値を享受することに興味を持つ人が増えるように思うのです。その基本的要素は、環境にいかに優しいかでしょう。トータルライフサイクルにおいて。

 

今日はもう一つの話題に少し時間がかかりました。この件は30分程度で終わらせて、今日はおしまいとします。また明日。

 

 


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