たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

ドラレコの活用と配慮 <橋本市 公用車設置のドラレコ映像、警察に提供>を読みながら

2018-06-28 | 事故と安全対策 車・交通計画

180628 ドラレコの活用と配慮 <橋本市 公用車設置のドラレコ映像、警察に提供>を読みながら

 

映像の威力というか、その効果は相当なものですね。以前、あるタイヤ盗難事件で、防犯カメラに撮影された映像が決め手となって逮捕された事件を担当したことがあります。被害者の方にお見舞いと示談の話のために伺うと、その防犯カメラは買ったばかりで、すぐに効果が出たとのことで、見せてもらいました。たしかに映像にはしっかり被疑者の盗難の様子や被疑者を特定する車両番号が映っていました。動かぬ証拠ですね。

 

それから相当経過していますので、ますますこういった映像はクリアになってきていると思います。むろん関係ない人が道路を歩く姿も映っているので、それを問題にする考えもあるでしょうけど、公共の場での姿は合理的な範囲で撮影も許容されるのではと思います。むろんその映像を利用する場合は犯罪の証拠など必要性・合理性がないとプライバシー保護との権衡を損ねることになるでしょう。

 

さて動く動画、ドライブレコーダーも、飛躍的に増えているようです。私は以前の車につけていましたが、今の車にはつけていません。迷いましたが、最初は時折、後から見ていましたが、すぐに飽きてしまい、その後は一度も見たことがありません。むろんこれは滅多に起こらない交通事故の検証には役立つでしょうと思いますから、人には勧めるのですが、今のところ躊躇しています。全方位カメラでいいのがないのですね。このことは以前にも書いた記憶があるので、これ以上は触れないことにします。

 

今日の話題はそのドラレコの活用です。毎日朝刊和歌山版では<橋本市公用車設置のドラレコ映像、警察に提供 かつらぎ署と協定「動く防犯カメラ」活用>との見出しで、取り上げています。

 

<橋本市は27日、公用車に設置したドライブレコーダーの映像提供に関する協定を橋本、かつらぎ両署と結んだ。市町村と警察署レベルでの提供協定は県内で初めて。【松野和生】>

 

<昨年12月定例議会で議員からレコーダーを「動く防犯カメラ」として活用する提案があり、個人情報保護についても検討した上で協定を結ぶことになった。現在所有する240台のうち200台が設置済みで、19年度末までに全車に搭載する。>

 

<協定では、市は犯罪や事故が起き、警察の依頼があった場合に映像を提供する。併せて公用車を運転中の職員が犯罪・事故情報を知った場合、速やかに警察へ通報する。>

 

なんとなくいいことづくしにも聞こえますが、さてさてどの程度効果が上がるのか、期待しつつ注視してみたいと思います。

 

というのは、まず市公用車搭載のドラレコ映像の提供と言うことですから、仮に全車両としても240台ですから、情報提供が限られているという印象です。また、市公用車は市内各地を回っていると思いますが、それでもあらゆる場所をというよりは割と決まった場所への移動が多いのではないでしょうか。しかも夜間というか、通常の勤務時間外だとさほど運行しているとは思えません。その意味で、場所・時間の点で情報が限られるのは仕方ないでしょうね。

 

犯罪に加えて事故が発生した場合に警察から依頼があれば情報提供する仕組みですから、犯罪に関わる情報がどこまで提供できるかは別として、巡回など回っているだけで犯罪予防効果になることは考えられますね。交通事故を含め災害などの事故の場合も警察権が発動するような場合対象になるのでしょう。

 

ただ、気になるのは、たとえば物件事故のような場合、警察ではほとんど記録として事故原因を特定することができるような情報を収集保管していないので、情報提供は期待できません。ところが交通事故の物件事故ではそういう場合に警察が入手した記録を利用できると当事者にとっては大助かりとなるに違いありません。別に弁護士に依頼しなくても保険会社担当者がドラレコを入手できれば、相当程度決め手になる可能性があるでしょう。

 

他方で、地震・洪水・土砂崩れなどの災害の場合でも、災害事前対応で発生前、発生後に現場にかけつける公用車も少なくないと思いますので、そのとき災害発生の前兆、たとえば擁壁に亀裂があったとか、水位がどの段階であったとか、さまざまな情報を分析するのに有効な情報になる可能性もあるでしょう。それが業務上過失を検討する上で役立つかもしれません。

 

とはいえ、やはり物量的には少ないですね。あまり監視社会になってはいけませんが、公共の場での活動はある程度、撮影されることはドラレコの普及も相まって、多くの方から支持されているように思うのです。そうであれば、さらに進んで、宅配便や郵便車両などより広範な活用を検討してもいいのではないかと思うのです。その場合に警察による利用をすべて警察内部と情報提供者間で決めるのではなく、第三者的な監視機関によるその利用について検証する仕組みも必要かと思います。

 

最近、橋本市管内は刑事事件の件数が減ってきている?のではないか、平穏な社会になりつつあるのではないかと思いながらも、橋本市と各警察署の取り組みは評価したいと思っています。とはいえ、その活用のあり方についてはプライバシーへの配慮をどのようにはかるか制度的担保をしてもらいたいものです。

 

違った使い方では、ドラレコ映像を抽出して、防災的視点、観光的視点などさまざまな角度から行政が検討することも意味があるように思いますし、また、地域懇談会などで活用することも意義があるのではと思っています。これをうまく活用するにはAIの活用が必要かもしれません。人海戦術だととても大変かも・・・

 

と野暮な話をしました。この辺でちょうどいい時間となりました。おしまい。また明日。


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