たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

医師と教育への信頼が揺らぐ <文科省汚職 前局長起訴 賄賂性の認識争点 地検、音声データに着目>などを読みながら

2018-07-25 | 医療・医薬・医師のあり方

180725 医師と教育への信頼が揺らぐ <文科省汚職 前局長起訴 賄賂性の認識争点 地検、音声データに着目>などを読みながら

 

定期的に診察を受けている主治医の先生からは、症状自体が改善傾向にある中、熱中症を心配されました。あまり外で活動しないので、日中はほとんど暑さを感じず、クーラーをつけない自宅での暑さは少し大変ですが、熱帯調査をしばらく経験したので、それに比べるとなんでもないですと答えました。ま、いろいろと気遣ってくれていますので、きちんとした回答になっていないことを自覚しつつも、主治医の心遣いには感謝する次第です。

 

こういう医師と患者の関係性は長く治療を受けていく中で生まれてくるものでしょうけど、それでも最初に対面したときからこの先生ならお願いしようと考えるのではないかと思うのです。そういう医師に出会うのは容易でないですが、一旦信頼関係が生まれると、後はあっちこっちの医療機関に頼ることがなくなり、気持ちも楽です。長い旅路でした。

 

さて、そういう医師が生まれるような教育体制にいまなっているのか、懸念される事件が起こりましたね。ま、こういった事件は氷山の一角かもしれませんが、ここまでリアルだと、他の医学部も大丈夫かと心配になります。

 

今朝の毎日は文科省汚職の起訴事実を報じる中で、否認している収賄側の争点と癒着の背景をとりあげた<クローズアップ2018文科省汚職 前局長起訴 賄賂性の認識争点 地検、音声データに着目>と、その贈賄側の事情をより詳細に伝える<文科省汚職東京医大贈収賄 前局長を起訴 前理事長ら在宅で 東京地検>と、2つの切り口で取り上げていました。

 

大学補助金について政府が競争的資金の割合を増やした結果、癒着の温床の可能性が広がったかのような指摘でした。競争的資金が増えること自体が必ずしも問題ではないかもしれません。その割り当ての基準や選択が必ずしも明確でなかったり可視化されていないところに、文科省前局長が選定に関与するような可能性が生まれているのかもしれません。

 

それは加計学園問題となにか似たような構造にも見えます。ただ、今回は補助金の問題よりも、贈賄側が認めている不正合格という問題を中心に書いてみたいと思います。

 

その前に、クローズアップで取り上げている収賄側の争点について一言触れておこうかと思います。

 

記事では争点について、<受託収賄罪は「公務員が職務に関し、請託(要請)を受けて賄賂を受け取った」場合に成立する。今回の事件でのポイントは、(1)佐野前局長に「職務」上の権限があったか(2)前局長が「息子の不正合格」を賄賂と認識していたか--の二つだった。>とまとめています。

 

(1)について、東京地検特捜部は、前局長が<「私立大学研究ブランディング事業」の対象校選定を巡って臼井前理事長から便宜要請を受けた当時、佐野前局長は同事業を直接担当しない官房長の地位にあった。そのため、前局長は「助言はしたが、職務権限はなかった」>との反論に対し、<各省庁において官房長は幅広い権限を持つとされており、前局長の過去の経歴なども踏まえると同大側に有利な助言ができる立場だった--。>と判断しているようです。

 

この特捜部の見解で職務権限性がクリアするのか疑問ですが、法的権限だけでなく、実際の影響力を過去の実績からいえるような材料でも掴んでいるのでしょうかね。結構ハードルが高そうです。でも国民の立場からすると、そんなに要件を厳しくしたら、収賄罪が成立するような自体は、よほど厚顔無恥な人間でないとありえないことになりそうです。その意味では特捜の努力に期待したいのが心情かもしれません。

 

(2)については、<前局長は「不正合格を依頼していないし、息子が不正合格だったかも知らない」と否定しているという。>と弁解しているようです。これに対し特捜部は<昨年5月10日に佐野前局長と臼井前理事長が会食した際の音声データを入手。会食の場で前局長は息子が同大進学を志望していると明かし、前理事長に対して「よろしく」と発言したという。別の機会でも、前理事長が前局長に「正規合格がいいか、補欠がいいか」などと確認したとされ、賄賂性の認識を補強する証拠とみている模様だ。>とのこと。

 

音声データは贈賄側がとっていたのでしょうね。この会食はおそらく贈賄側が払ったのではないかと思うのですが、これも賄賂性がありますが、この程度だと対象校選定といったことに対する賄賂性が弱いと考えたのでしょう。

 

ここで前局長は<息子が同大進学を志望していると明かし、前理事長に対して「よろしく」と発言>といったことは間違いないのだと思います。これは一線を越えていると、公務員であればだれもが思うのではないでしょうか。合格したのでよろしくということでも怪しいですが、進学志望でその大学の実力者によそしくはないでしょう。教育行政のトップにある人間が、息子の進学先を告げ、その大学トップによろしくと告げること自体、とても李下に冠を正さずの域を超えている発言としか思えません。恥ずかしい限りです。なぜこのような官僚を生み出しか、安倍政権や与党は深刻に考えて欲しいと思うのです。

 

両者を仲介したとされる谷口元役員が<前局長の息子が今年2月の受験前、フィリピン・セブ島に旅行した際の費用の一部を谷口元役員の関連会社が負担していること>は、前局長も知らないでは済ませられないでしょう。それは受験前に息子が旅行すること自体、合格を確信しているかのように見えますし、その費用を支払わせているわけですから、少なくともそのような出費をさせてもよいとの認識があったと思われます。まったくもって信じられない前局長および一家の姿勢です。

 

ちょっと前置きが長くなりすぎました。今日のポイントは不正合格です。

音声データにあるのでしょうかね、<別の機会でも、前理事長が前局長に「正規合格がいいか、補欠がいいか」などと確認した>という部分。これはそのとおりだとすると、前理事長は、前局長の息子が合格点をとっていないことをすでに確認しているとしか思えません。この質問に対する前局長の回答はオフレコなのか、記事になっていませんが、たしか最終的には点数を嵩上げして合格させているのではなかったでしょうか。

 

これこそ時代錯誤的な大胆不敵というか、医師を育てる大学のトップのやることか、それは大学スタッフのそれなりの人間が関与してやることでしょうから、お粗末というより、大学教育自体を疑わざるをえなくなります。

 

少し前の記事で<文科省汚職受験者をランク付け 東京医大裏口リスト>というのがありました。

 

裏口入学リストがあるのですね。<贈賄側とされる東京医科大(東京都新宿区)の内部で作成された「裏口入学リスト」とみられる複数の資料を毎日新聞が入手した。一部には、受験生名の横に「◎」「○」といった印が付けられ、同大関係者は「合格優先度を示したもの」と証言。>

 

その手口も紹介されています。

<毎日新聞が入手したリストは5~10年ほど前の入試で使われていたとみられ、手書きのほか、パソコンで作成されたものがある。大学関係者は取材に対し、「入試の点数を加点する受験生のリスト」と証言した。>これはこの大学だけの問題なのでしょうか、医学部への入学が狭い門であることは有名ですが、他方で、裏口入学といううわさは昔からあったかと思います。それが現代でも行われていることが赤裸々になったわけですね。

 

医師は患者との間で、人と人との関係をづくりをして初めて適切な医療行為を行えるのではないかと思うのです。画像診断だけを頼りにしたり、検査結果だけに注目して、人の心やバックグラウンド、体全体を見ない医師が増えたとも言われています。医学部入学のために成績だけよくすることにしゃかりきになり、人と人の交流をおろそかにしてきたような人が医師になることは避けてもらいたいと思いますし、ましてや不正合格してまで医師になろうなんて人は、まともに患者を診察できるでしょうか。

 

その画像診断はすでに検査結果を見落としたり、他の専門分野についてはまったく無関心であったりといった医師が目立つようになっているようです。TVで登場するような医師や研修医はほんとに一生懸命にやっているように見えます。そういう心ある医師を育てて欲しいと思うのです。ついでにわが子もそういう心ある医師になってもらいたいと勝手な親の希望です。

 

今日はそろそろ時間となりました。また明日。

 


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