白夜の炎

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金融の変容-カウフマン

2012-06-07 15:57:50 | 経済
「巨大金融コングロマリットの時代はもう過ぎた。


 近年、有力金融機関が勢力を拡大し、収益性を増していることを考えると、この見方は意外かもしれない。すでに1980年代、90年代に本格化していた金融機関の寡占傾向は、2008年の金融危機でさらに加速。この間、弱体化した企業は、勢力を急拡大したほんの一握りの生き残り企業に吸収された。

 危機を経て頂点に残った企業は、難攻不落と思われた。

 現在、金融資産の全運用額の75%がわずか10社の金融コングロマリットに集中している。大き過ぎて潰せないという理由だけでなく、2010年に成立した金融規制改革法(ドッド・フランク法)が意図された通りに機能すれば、そういったコングロマリットの経営はさらに安定するはずだ。

 このため、予見できる将来も巨大企業による寡占が続くとみる向きは多い。

 果たしてそうだろうか。主要な金融機関数の減少を招いた先の危機では、金融機関がはらむ多くのもろさも露呈した。

 業容を多角化した巨大金融機関は、市場の両面、つまりポートフォリオの運用・機関投資家としてバイ(買い)サイド、引き受け・ディーラーとしてセル(売り)サイド、金融アドバイザーとしてはバイとセルの両方の立場で業務を行っている。この矛盾は、企業の構造や戦略・意思決定に組み込まれ、公共との利害対立を生むこともある。

 また、金融コングロマリットは、上級幹部が効果的に問題に対処しにくいという構造的弱さを抱えている。中間管理職の権限が強まっているが、彼らには、さまざまに取り決められた報酬など、時には無責任なほどのリスクを取る動機がある。企業の最高幹部は、リスク全体を適正に評価し管理するために、そういった報酬の難解な取り決めや拡大した海外事業をよく見極めなければならない。その見極めに時間を割けず、手段を持たない幹部は、他人の評判に頼らざるを得ない。

 金融規制改革法には、巨大金融機関の無謀な行動に歯止めをかける目的でさまざまな規制が盛り込まれているものの、規制は解決方法ではない。同法は、大手金融機関を「大きすぎて潰せない」と神聖化する一方で、命令・禁止事項の長大なリストを課している。しかし、良い金融システムとは、手の込んだ規制事項でこと細かに管理されるものではないはずだ。そういった傾向が続くと――巨大な金融コングロマリットが常に厳しい監視の下で経営されると――彼らは金融の「公共事業会社」になるだろう。と同時に、金融機関が金融市場で果たす競争的信用配分という重要な役割は、縮小傾向に向かうだろう。

 こうした大型金融機関に自己資本の積み増しを強制することも、方法としていかがなものか。自己資本の積み増しによって先に述べたような利害の対立が解消されたり、縮小されたりするだろうか。そうは思わない。実際、自己資本の積み増し義務がさらなるリスクテイクを後押しする場合もある。

 また、他の意味においても、大手金融コングロマリットのパワーは先細り傾向にある。以前、彼らは、新たな金融商品や新技術を導入するといった創意工夫で何十年も規制当局の先を行っていた。今、その差が縮まりつつある。監督当局は当初から証券化の影響に気づくのが遅く、急速なデリバティブの成長への対応が遅れたとはいえ、今はかなり状況がはっきりしている。2008年の危機を経て、当局者も投資家もこうした新手法がリスクを分散する確実な方法だとはみていない。大手金融機関は、規制当局に受け入れられる新たな信用拡大方法の開発に懸命に取り組む必要があるだろう。

 かつては大手金融コングロマリットを助けていた情報技術(IT)は、今や規制当局の味方だ。近い将来、信用フローについての情報――取引、ローン、投資、債務の変動といった情報――が、金融機関から規制当局に瞬時に流れる場面を想像するのは無理なことではない。

 さらに先に行けば、要求払い預金の全機能が「クラウド」のコンピューターネットワークを通じて政府に取って代わられる可能性もある。一世代経たないうちに銀行の支店業務が時代遅れとなることも十分考えられる。新し物好きだけでなく一般の人々が、銀行手続きをすべて携帯端末で済ませる。マクドナルドやスターバックスなど小売りチェーンが銀行の支店をのみ込む事態だ。

 寡占についてさまざまな方面から挑戦を受ける有力金融機関の現職幹部たちが、その圧力にうまく対応しようとする可能性は極めて低いようだ。現職の幹部にとって、変革は好ましくない。株主が行動を求める必要がある。

 株主が主張すべき最も重要な方策は、事業規模の縮小である。金融コングロマリットは、事業の一部を売却し、主力業務に専念する必要がある。そうすることは企業だけでなく、我々の金融市場にも経済にも大きなメリットをもたらす。事業規模の縮小は、金融機関のオペレーションをコントロール可能な水準に引き下げ、「大きすぎて潰せない」との概念は崩れ去る。市場における政府の役割も低下するだろう。相互にメリットが働き、株主価値は大幅に上昇する。巨大金融コングロマリットの没落を嘆く必要がないのは、こうした理由があるからだ。

(ヘンリー・カウフマン氏は、ヘンリー・カウフマン・アンド・カンパニーのプレジデント。『The Road to Financial Reformation: Warnings, Consequences, Reforms』の著者)」

アメリカに移民する中国の有力者子弟-それが米中関係の根幹を作っているのでは?

2012-06-07 15:19:07 | EU
「中国高級幹部子弟の留学先                     笹川陽平

香港の報道によると、アメリカで留学または生活している中国高級幹部子弟は数百人に上るという。

習近平の娘 習明澤 米国ハーバード大学
薄希来の息子 薄瓜瓜 米国ハーバード大学
陳雲の孫娘 陳暁丹 米国ハーバード大学
陳雲の娘 陳偉力 スターンフォード留学(1983年 帰国後企業の経営者に)

小平の息子・質方はロチェスター大学に留学し、アメリカで子供が生まれ、アメリカ国籍を取得している。帰国後「中国に帰ってきたら中国国民だよ」との小平の名言があったが、中国籍になったかどうかは不明。

楊尚昆(第4代国家主席)、劉少奇(第2代国家主席)、万里(国務院常務副総理)、銭其シン(元外交部)の子弟は、みなアメリカ留学を経て現在もアメリカに在住しており、ニューヨークは高級幹部子弟のアメリカ本部ともいわれている。

しかし、アメリカの一流大学の授業料は年間400~500万円と高額であり、生活費を入れると相当な額になる。高級官僚とはいえ年収で支払える金額ではなく、不思議なことだ。

親の七光りとコネを利用してビジネスをする人がほとんどで、口先で反米、反西側を叫んでいるが、親元が巨額の個人資産を欧米の銀行口座に保有していることは半ば公知の事実である。

陳雲元(中央顧問委員会主任)の息子・陳元氏や劉華清(元軍事委員会主任)の娘・劉朝英、姫鵬飛(元国務院副総理・外交部長)の息子・姫勝徳など、アメリカの政治献金スキャンダルに巻き込まれてニューヨークタイムズで報じられたこともあるが、在米の幹部子弟の殆どは本国との関係や華僑社会のコネを利用し、株や不動産、貿易、投資で活躍している。

2011年は34万人が海外へ留学。前年度より5万人増加しており、1985年以降、清華大学ハイテク技術分野の卒業生の80%はアメリカに行っている。北京大学は76%、2006年、清華大学から571人、北京大学から507人の博士が一斉にアメリカ本土に流出している。

中国招商銀行が発表した「2011個人資産報告」によると、2010年中国の個人資産が1億元を超える人の内、27%は既に海外移民しており、47%は移民を考えているという。改革開放30年、海外に移住或いは移民した新華僑や華人は600万人を超えている。内、アメリカのグリーンカードとアメリカ国籍を取得した中国人は110万人。ここ数年、中国は既にアメリカ移民の第2送出国、カナダ移民の第一送出国になっている。

中国の内部矛盾のマグマは高く、情報の入手の早い人々より脱出が始まったのではないだろうか。」

(http://blogos.com/article/40631/)


 笹川氏はマイナスにとらえていますが、そればかりでもないでしょう。

 アメリカのエリート社会に深く食い込んでいるともいえるわけで、内側から「自然と」アメリカを時分に少なくとも敵対しない存在にするための手立てになっているのでは?

 

挑戦-バウムガートナー

2012-06-07 14:48:40 | 科学
「この夏、オーストリア人スカイダイバーのフェリックス・バウムガートナーが、高度12万フィート(約3万7,000m)の上空から宇宙服姿でのスカイダイビングに挑戦する。高度3万7,000mからのスカイダイビングは史上初。また、バウムガートナー氏は人類で初めて自由落下によって音速の壁を突破することになる。

とはいえ、今回の挑戦でバウムガートナー氏は様々な困難に直面すると予想されている。そのひとつは、体内の水分が気化するのではないかという点への懸念、そしてもうひとつは、物体が音速の壁を突破したときに発生する衝撃波を受けて、バウムガートナー氏の身体にどんな変化が起こるかという不安だ。この疑問に対する答えを知っている人はまだいない。

「誰かがやるまで、これは謎のままだ」。今回の挑戦をサポートするために集められた「Red Bull Stratos」(日本語版関連記事)の医療ディレクターを務めているジョナサン・クラークはそう話す。

今回はそんなバウムガートナー氏の、人類初の挑戦に関わる写真の数々を紹介したい。


2012年6月7日」

(http://wired.jp/2012/06/07/red-bull-stratos-2/)

金に目がくらんだ人々

2012-06-07 14:19:18 | 原発
「今年もタケノコが来ない

2012年6月6日

 今年も定期便だったタケノコが送られてこない。親類の住む千葉県木更津市内のタケノコから、新基準の一キログラム当たり一〇〇ベクレルを超える放射性セシウムが検出されたためだ。福島第一原発から、ゆうに百キロメートル以上離れているというのに…。

 福島県富岡町に住んでいた知人のSさんは、いわき市で避難生活が続く。自宅は立ち入り禁止区域なので近づけない。どれほどの人たちが日々の生活を狂わされていることか。これが原発「安全神話」の現実だ。

 それでも産業界からは電力不足が続けば生産拠点を海外へ移さざるを得なくなると、原発再稼働を迫る声がやまない。野田佳彦首相は、こんな声に押され、まずは福井県の関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を最終判断するという。

 福島を教訓にドイツが脱原発を決断したのに、当の日本は惨状を横目に原発依存に舞い戻る。ドイツでは原発に代わる太陽光発電の設備が日本の五倍、二千五百万キロワットに達した。いかに安定電源に育てるかの難題を抱えるが、将来のエネルギーに果敢に挑んでいる。

 彼我の差は何が理由か。造船会社首脳が「産業人は福島を分かろうとしない」「除染ボランティアを引き受け放射能の恐怖を知るべきだ」と解説してくれた。

 隣人らとちりぢりになり、最低の衣食住しかない環境に置かれた人たちから目をそらしては、首相のいう脱原発依存は掛け声だけに終わる。 (羽石 保)」

(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2012060602000132.html)

北宋時代の橋

2012-06-07 12:41:48 | アジア
「900年前の橋が“浮上”、北宋の行政官「心血」の証拠=広東

サーチナ 6月7日(木)12時28分配信

広東省清遠英徳市で、約900年前の北宋時代に作られた橋が水中から姿を現した。川底をさらう作業のため、流れをせき止めて水位を下げたことで、現在使われている橋の下にある、「古代」の橋が“浮上”した。

 広東省清遠英徳市で、約900年前の北宋時代に作られた橋が水中から姿を現した。川底をさらう作業のため、流れをせき止めて水位を下げたことで、現在使われている橋の下にある、「古代」の橋が“浮上”した。川のために不便を強いられている住民の不便さを解消するため、当時の行政官が心血を注いで完成させた橋という。中国新聞社が報じた。

 石造りのアーチが見える古い橋は北宋時代に作られた。長さは約30メートルで幅は5メートル。当時は英州郡と呼ばれる行政区画の中心都市で、川で2分されていて交通が不便だったため、郡守の何智甫が人々の役に立つようにと心血を注いで建設を進めた。

 完成直後に政治家、詩人、書家として著名だった蘇東坡(蘇軾、1037-1101)が旅の途中で英州郡を通りかかり、「何公橋」と名づけて碑文も残した。何智甫への尊敬を込めた命名という。

 やや上流では新しい橋の建設が予定されており、古い「何公橋」も、上に新しく作られた橋も、役割りを終えることになる。住民の間からは、「是非、保存してほしい」との声が出ている。(編集担当:如月隼人)」

 なおタイトルの写真は北宋時代の橋ですが、記事のものではありません。