壱年前のことだが、菅原文太が主演予定だった「東京家族」は以下の事情-3.11-(②参照)で制作延期。菅原も主演を降りた。
結局今年の三月から、橋詰功と吉行和子でリスタートとなったようだが、菅原も山田洋次も、行ってみれば"惰性で映画をとっている場合ではない"と考えたのだろう。
菅原は23日の会見で、改めて震災について自分の考えを述べ、奨学金の設立を発表した。(①参照)
①「俳優の菅原文太(78)が23日都内で行なわれた「第64回日本消防協会定例表彰式」に消防応援団員として登場。当面、俳優としての活動を控えるとの考えを明かした。
菅原は昨年、山田洋次監督の最新作「東京家族」の主演を降板した件について「どういうテーマであれ、映画を撮っている時ではない。監督も同じ考えだった」とクランクイン直前に起こった東日本大震災が大きな理由だったとあらためて説明。「こういう時代にどういう映画をどんなふうに出すのかというのは難しい」と震災以降、劇映画の存在理由が見出せないでいることを口にした。
震災の直前まで都内の病院に入院していたことも公にし、「(俳優を)やめたとか、やめないとか人様に関係ないわけだから」と述べ、当面俳優としての出演を控える考えを明かした。その上で「納得できるものがあれば、考えないわけではない」と、引退ではなく復帰に含みを持たせた。
「菅原さんを待っている人もいるのでは?」の質問には「こんなロートル待ってないよ」と笑い、
「若い映画人には東北の状況を頭の片隅に仕事をしてもらいたい」とメッセージを投げかけた。
菅原は消防応援団員として、東日本大震災で殉職した消防団員の子どもたちの学費を支援する奨学金を設立したことを発表。今後も支援を続けていくという。」(
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120223-00000120-spnannex-ent)
②「山田洋次監督、苦渋の決断 「東京家族」製作延期に 2011年4月14日 10:00共有
[映画.com ニュース]
配給大手の松竹は4月14日、山田洋次監督の最新作「東京家族」の製作を延期することを発表した。当初は4月1日にクランクイン予定だったが、3月11日に東日本大震災が発生したことで撮影上の物理的事情、山田監督の意向を受けて決定した。
同作は1年以上の歳月をかけて入念に準備を整え、クランクインを間近に控えてスタッフ、キャストの気力は充実しきっていたという。そんなタイミングで大震災が発生。
山田監督は、「このままそ知らぬ顔で、すでに完成している脚本に従って撮影していいのだろうか。いや、もしかして3月11日以前と以後の東京の、あるいは日本の人々の心のありかたは違ってしまうのではないか。僕は何日も悩み、会社とも繰り返し相談した結果、それこそ苦渋の選択をしました」と説明する。
悩み抜いて出した結論は、製作延期だった。「撮影を中断して、今年の終わりまでこの国の様子を見よう。その時点で脚本を全面的に見直したうえで、戦後最大の災害を経た東京、つまり2012年の春の東京を舞台にした物語をこそ描くべきだ、ということです」。松竹は、12年早期のクランクインを目指し、調整に入るという。そして山田監督は「来年、僕たちは新たな気力を奮い立てて『東京家族』の製作に挑みます。どうか観客の皆さん、ご期待ください」とコメントを寄せた。
「東京家族」は、小津安二郎監督の名作「東京物語」を今日に置き換え、家族のきずなと喪失、夫婦と子ども、老いと死について問いかける。「やくざ戦争 日本の首領」(77)以来の共演となる菅原文太と市原悦子が主人公の夫婦を演じる。ほか、西村雅彦、夏川結衣、室井滋、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優という主演級が結集する。」
(
http://eiga.com/news/20110414/1/)