白夜の炎

原発の問題・世界の出来事・本・映画

福島原発2号機・再臨界か?

2012-02-14 20:07:00 | 原発
 http://blog.goo.ne.jp/jpnx02/e/34128c00ddf5b9157c620e2e2683aeac

 ↑
 東電から報道関係者のメールによればキセノン135が検出されているとのこと。

 ブログにのっているそのメールによれば、キセノン135は「再臨界判定基準のキ セノン135については、1[Bq/cm3]を超えておらず・・」未臨界だと言っている。

 またキセノン135の検出限界は0.095㏃であり、メールでは検出限界未満だと判定しているように見える。

 ちなみにキセノン135/1㏃が臨界の判定基準値だというのは根拠がない。

 臨界というのは核分裂の連鎖反応が進行している状態であり、それを判定するのにキセノン135/1㏃が信頼できる目安になるというのは、おそらく事故後、東電が言い出したことにすぎないと思われる。

王立軍の寝返りと薄煕来-大紀元の記事

2012-02-14 18:52:30 | アジア

 以下「大紀元」から薄煕来関係の記事を2本載せます。大紀元は中国共産党政権にかなり批判的な立場なので、それを前提にお読みください。

 以下の2本の記事をみると現在の胡錦濤・温家宝政権は理性的かつ・穏健な性格の政権だという印象を受けます。これは私の個人的印象かもしれません。とくに温家宝は天安門事件のとき趙紫陽を支えましたし、現体制の幹部であるにもかかわらず、自らの文革体験を語ったり、政治改革の必要性を論じたりしていました。そのようなことから今書いたような印象を持っています。

 習近平政権ではどうでしょうか。以下の記事からは、薄煕来は温家宝によって政治的キャリアを断たれた。従ってもっとも問題ある人物が新体制に入るのは阻止された、という印象です。以下の記事では今回の事件が共産党分裂につながるという論調ですが、胡錦濤・温家宝体制が適切な判断に基づく処理をしたとするならば、新体制も安定したスタートを切れるのではないでしょうか。

 また記事の中で、現体制の中では胡錦濤の一票も「重みがある」だけで、一票にすぎない。常務委員会の決定は全員一致でなされる、ということが新しい情報であるかのように書かれていますが、これは旧知のことであり、中国のジャーナリストや官僚も公然と口にしている事実です。

 なお以下の大紀元の記事の前に「獨立評論」の関連記事を読まれた方がいいかもしれません。この記事にも温家宝と薄煕来ノ関係が出てきます。ちなみにこの記事にも出ますが、薄煕来は文革駐北京大学の学生で「連動」という組織に属していましたが、これは「血統主義」すなわち親が赤なら子供も赤(親が革命的なら、子供も革命的)、親が逆であれば子供も当然そうなる、という考え方に立脚したグループで、共産党のエリートの指定が中心でした。

 →「獨立評論」http://dupinglilun.blog134.fc2.com/blog-entry-37.html

 同時に彼らが残虐な弾圧を行ったことでも知られています(この点は他の組織も同様で、たがいにエスカレートした決すとも見られますが、連動の構成メンバーが他の学生を睥睨するようなところがあったのは事実でしょう。ちなみに血統主義に関しては、アジ研の加々美さんが著作を発表されていました→『資料中国文化大革命: 出身血統主義をめぐる論爭』、加々美光行著『歴史のなかの中国文化大革命』(岩波書店 2001))。

 血統主義についても見ておかれた方がいいかもしれません。

 では以下が大紀元の記事です。

①「【重慶亡命事件】派閥抗争が顕在化 中共分裂の予兆
 【大紀元日本2月14日】重慶市党委員会書記である薄煕来の腹心の王立軍(重慶市副市長、政治法律委員会書記、公安局長)が、政権内の敵対勢力に狙われて調査されたため、薄煕来は自分を守るために、やむを得ず王立軍を投げ出した。これによって王立軍は米国領事館に駆け込み、助けを求めるという事態を招いた。この事件は中国だけではなく、国際的にも強い関心をひいた。この数日、中国国内の検索エンジンの最大手「百度」と海外Googleでは、重慶事件に関する検索回数がずっと上位に並んでいる。

 重慶市副市長の王立軍が米国領事館に駆け込んだ事件は、国際社会の影響力が中共政権内部に介入するきっかけになり、中国共産党の閉鎖的内部権力の平衡を維持する連鎖の断裂が初めて公なものとなり、中共高層の権力闘争にアメリカが影響力を与える機会が生じた。これは歴史上、かつてなかったことだ。

 王立軍は今月2日、薄煕来に重慶市公安局長の職を免じられた。その6日後の8日に米国政府は彼が米国領事館に駆け込んだことを認めた。その後、王立軍は北京に移送されている。この何日間の中で繰り広げられた王立軍と薄煕来の「暗闘劇」は、小平以来の中共高層権力間の「暗黙の了解」を破り、全面的な抗争を触発することになった。

 高層権力の「暗黙の了解」

 中国共産党の高層権力体制は中央集権のピラミッド構造だった。1人の絶対的権威によって権力のバランスが保たれてきた。だが、「胡温政権」になってから、この構造が崩れ、高層権力者の間では暗黙の了解と相互けん制で均衡を維持するようになった。派閥間は抗争があっても、本質的な部分は外部に漏れることがあまりなかった。

 ウィキリークスに暴露された情報によれば、中国共産党政治局は決議を採択する場合、「全員一致で通過」の形式を採用している。つまり、長時間の討論を経て、与会の全政治局員の賛成を得てから始めて決議を決定する。胡錦濤の一票はただ「重みが大きい」だけだという。この構造は特定の人に権力が集中することを防止するためだと米国の外交官は指摘した。

 中国共産党中央政治局委員の中で、上海派閥(江沢民派)は多数の常務委員を占めており、呉邦国、賈慶林、李長春、周永康がそれに当たる。胡錦濤の青年団派は常務委員の李克強と、委員の汪洋と李源潮などがいる。太子党に属するのは常務委員の習近平と委員の薄煕来などがおり、薄煕来はまた、背景に江沢民派を持っている。

 王立軍は権力内部の抗争を公にした 

 今回の重慶事件で、王立軍は米国領事館に駆け込み、中国共産党高層権力間の「暗黙の了解」を徹底的に打ち破った。王立軍の亡命で明らかになったのは中共政権内の抗争の残酷さだけでなく、薄煕来に関する内幕情報も含まれているという。これによって中共高層幹部の黒幕が、国内よりも先に、外国政府に掌握された。

 米VOAによると、米国国務院スポークスマンは8日の定例記者会見で、王立軍が成都の米国領事館の高官と面会したことを認めた。

 導火線は、薄煕来の「権力闘争の敗北」

 2008年6月、温家宝首相の強い要求で、薄煕来は商務部長から重慶市党委員会の書記に降格された。この降格について海外の中国語メディアは、薄煕来が「まるで自分の政治生命の末路が見えた」と分析し、彼はこのままでは納得できず、権力の中央に復帰するために重慶での戦いを始めたという。

 薄煕来は自分の政敵を倒すために、かつて腹心であった遼寧省錦州市公安局長の王立軍を重慶市公安局副局長に任命した。その数カ月後、王立軍は重慶市の元司法局長・文強を死刑に処した。文強は青年団派の要員で、広東省の書記(前重慶市書記)汪洋の腹心でもあった。

 だが、昨年末、政治局常務委員の賀国強の管轄下の中央紀律検査委員会は密かに王立軍を召還し尋問した。自分の政治生命はもう終わりだと感じた王立軍は、処罰の軽減をねらい、薄煕来の数々の問題を摘発したという。これは政治局常務委員入りを目指す薄煕来にとって致命的な一撃となり、彼の「巻土重来」の目論みは実現から遠ざかった。今まで保たれて来た権力の平衡も薄煕来の敗北により崩れ、内部闘争が公なものとなった。

 中共分裂の始まり

 中国問題専門家の石臧山氏は、絶対的権威が不在の「胡温政権」で、暗黙のルールで維持してきた体制内権力バランスが崩れたきっかけは、薄煕来の「ルール違反」となる文強の死刑だと分析した。このことにより、敵もルールを無視し反撃を始めた。さらに薄煕来の腹心の「裏切り」により、中共の派閥闘争の真相が外部にさらされ、国際社会までも介入する事態となった。

 石臧山氏は次のように指摘した。「これは重大なシグナルである。つまり、中共政権内部の権力平衡を維持する連鎖が切れ、全体的な内部抗争に入った。誰もが以前の『暗黙の了解』を気にとめることなく、誰もが他の人を構わなくなる。共産党の分裂はもう遠くはない」

(翻訳編集・東山)」→http://www.epochtimes.jp/jp/2012/02/html/d72753.html


②「【大紀元日本2月13日】「マフィア組織取り締まりの英雄」とされていた重慶市副市長で、公安局長を兼ねていた王立軍が2月6日、四川省成都の米総領事館を訪れて政治亡命を求めたことにより、中国の政局が大きく乱れ、中共の天下大乱の始まりとして世界中から注目されている。

 以下は複数の情報に基づいてまとめた、事件に関するあらすじである。

 中共重慶市書記の薄煕来は、もともと総理や総書記、せめて副総理を目指していたが、ウィキリークスに公開された米国政府の機密電文によると、商業部部長の任期満了後、彼が法輪功迫害により世界数カ国で告訴されたため、副総理の人事として妥当ではないと、温家宝総理らに否決され、彼の副総理の夢は叶わなかった。

 薄煕来は将来、権力中枢に入り、胡錦濤の勢力と対抗する「上海組」の政治路線を継承してほしいと、江沢民から期待されていた。しかし、商業部部長の任期満了後、薄煕来は中共重慶市書記に回され、かつそのポストは彼の政治生命の終点とされていた。

 その恨みを晴らすため、薄煕来は重慶市トップについてから、可能な限り新奇をてらって、世論の注目を集めつつライバルで前任であった現広東トップの汪洋が在任中に抜擢した官員らを、いわゆる「マフィア組織一掃する」運動の中で、数多く逮捕、判決して、それをもってライバルを牽制しつつ己の勢力を伸ばそうとした。

 その重任を担ったのは、遼寧省から呼び寄せてきた腹心で後に副市長で重慶市公安局長を兼ねた王立軍であった。

 しかし、薄煕来の異動に対して、胡錦濤らは最初から警戒し密やかにそれに反撃する対策を練っていたようである。胡錦濤と温家宝が、薄煕来の「革命歌を歌い、マフィア組織取り締まり」運動に対し一言でも賛成の意を表したこともなければ、薄煕来の就任後に重慶をただの一度も視察したこともない。この異常な状況から胡錦濤と温家宝の態度は明らかだ。

 昨年末、中共中央規律検査委員会(賀国強書記が重慶市元トップでもあった)が秘密に王立軍を召喚し、彼の汚職問題と拷問など司法乱用の数々の問題を指摘した。確たる証拠の前で、王は弁ずることができず、自分の政治生命は終わりだと感じた。一方、中紀委は、もし薄煕来の問題を摘発し、中紀委の薄煕来への調査に協力してもらえば、寛大に処理することもできると示唆した。それで、王は実名で薄煕来の汚職など多くの問題を摘発したという。

 王の裏切りを中紀委にいる薄煕来の情報員から通報され、薄煕来は1月4日に王立軍と突っ込んで会談を行った。その詳細について知られていないが、2月2日に王立軍は重慶市公安局長の職を免じられる羽目になった。

 王の裏切りを知って、薄煕来は先手を取って運転手など彼と親密な関係をもつ19人を逮捕し、王の行動を24時間監視するように命じた。

 身の危険を感じ、途方に暮れた王立軍は、四川省成都の米領事館を秘密に訪れ、政治亡命を求めたのである。情報を知った薄煕来は命令を下し、重慶市黄奇帆市長が装甲車を含め70台のパートカーを率いて、四川省首都の所在地である成都にある米領事館を包囲し、王を出すように迫った。

 一方、胡錦濤は国家安全部副部長ら7人を派遣し、王を領事館から受け取り、北京に連れ帰ったのである。

 王は政治亡命を拒否され、米領事館から出る際に、国家安全局の官員らに、薄煕来は義理人情のないもので、おれは彼と徹底的に戦っていくと叫んだという。

 重慶市は、中国の中央直轄市の一つであり、その幹部は省・部クラスである。副市長の王立軍は副省級であり、すなわち日本の副大臣に相当する高級幹部である。中共の高官が海外で政治亡命を求めたケースはあったが、副省級の高官が国内で米国の領事館に逃げ込み、政治亡命を求めるのは、前例のない非常に異常なことである。

 それゆえ、中国問題専門家たちは、この事件で中共の内部闘争が米国をはじめとする国際社会に公開化されると共に、中共中枢部の権力闘争のバランスがすでに崩れ、もしかしてこの事件が中共を崩壊させるドミノの始まりであるかもしれないと見ている。」→http://www.epochtimes.jp/jp/2012/02/html/d36623.html

スティーブ・ジョブズと禅

2012-02-14 18:23:06 | 科学
 ジョブズが禅の信徒で結婚式も曹洞宗で行ったとは知らなかった。

 彼は実の親は確か父親がレバノンかどこか中東出身だったし・・。

 アメリカは多様だと頭で思っても、実際に暮らしたり仕事をやってきたわけではないので、こういう事実があるとすぐに粗末なこの頭のメッキがはがれる。

 WIREDによるとジョブズと禅の関係をコミックにしたものが出版されたらしい。

 この記事のタイトル写真がその表紙。

 またジョブズによってNEXT社の宗教指導者に任命され、ジョブズの結婚式を取り仕切ったという乙川さんという人も興味深い。

 詳しくは以下の記事をご覧ください。→http://wired.jp/2012/02/14/the-zen-of-steve-jobs/

 「『The Zen of Steve Jobs』は、スティーブ・ジョブズ氏が米Apple社を離れた1985年を中心に、同氏と乙川弘文氏の交流をコミック化したものだ。[米国で今年1月出版。邦訳『ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズ』は集英社インターナショナルから2月24日刊]

 [乙川弘文氏は、1938年生まれの曹洞宗の禅僧。旧姓:知野。1986年にはジョブズ氏率いる米NeXT社の「宗教指導者」に任命され、1991年にはジョブズ氏とローレン・パウエルの結婚式を司った。その後も各地で活動していたが、2002年7月26日、スイスにおいて、5歳の孫娘を助けようとして溺死した]

 著者のケイレブ・メルビーが、乙川氏やジョブズ氏とともに修行した人々にインタヴューして書いたこの本は、1980年代と1990年代のApple社の企業哲学とデザインに禅がもたらしたと見られる影響を魅力的に描き出している。

 ジョブズ氏によるApple社の青写真に、禅の何が影響を与えたのだろうか。私はそれを「ホリスティック[全体的、全人的]な気づき[mindfulness、念(サティ)]」と呼びたい。西洋ではもっと世俗的に「細やかな気配り」と言われるものであり、Apple社の全製品に行き渡っている。

 それは「間」の意識、つまり、描かれたものや対象が何であるかについての意識を極めることによって、対象が占める空間だけでなく、対象の周辺にある「陰の」空間をも意識する、ということでもある。音楽家のアルトゥル・シュナーベルは自身のピアノ演奏について「音の間にある無音。そこに芸術がある」と書いていた。

 ジョブズ氏はそれを、タサハラ禅マウンテンセンターの庭園の周辺で経行[歩行禅]したり、乙川氏と禅堂で座禅を組んだりしながら得たのだろう。『iPod』のコントロールパネルとその周囲にある空間を思い出してほしい。

 歴史的に見れば、強力なインダストリアル・デザインを誇る企業としてApple社が成功し得たのは、ディーター・ラムスや、ラムス氏から強力な影響を受けたApple社シニア・インダストリアル・デザイン担当バイスプレジデントであるジョナサン・アイブによるものとされている。

 しかし、同社のデザインにおける完璧主義への情熱の源は、明らかにジョブズ氏から来ている。Apple社製品のデザインにおいてジョブズ氏が探究した「完璧さ」という本質は、製品のフォームや機能に関するわれわれの理解を変えた。フォームと機能はひとつに融合され、われわれがより生産的な生活を送る力にもなっている。

 この本自体が、禅における公案、つまり重要なレッスンにつながるパズルとなっている。大変楽しく読めたので、ジョブズ氏の仕事と思想に禅が与えた影響を知ることができる一冊としておすすめしたい。」

「元に戻すこと」が復興・再建ではない

2012-02-14 14:56:47 | 原発
 「もとに戻すこと」が復興・再建ではない、はずだ。再建・復興するためには、こうなった問題点を明らかにし、責任ある立場や人間を特定し、場合によっては彼らをさばき、そして少なくとも組織と担当者を大きく変えなければならない。

 しかし実際に侵攻していることは「もとに戻すこと」ばかりではないか。

 原発のストレステストはOK-大飯原発。東芝はアメリカで原発を受注でめでたしめでたし・・・。

 なにより、この一年結局原発や事故の責任者の一人も明確にされず、東電は焼け太りさえしかねない状況で、原子力安全委員会その他のメンバーも少しも変わらず、原発ありきで物事が進行している(→http://tanakaryusaku.jp/  http://tanakaryusaku.jp/2012/02/0003673)。

 この背景には東電の国有化反対をぶちあげる経団連会長(→http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120213-00000945-yom-bus_all)や、事故直後に大活躍し、その後なりを久めていたが最近再び登場するようになった御用学者たちの存在があろう。

 御用学者がメディアに出ているということは、メディア自体の「御用」性を改めて証明するものだ。実際フジのニュースキャスターを長年やっている安藤優子がいかにいい加減かはこのブログでも記事にしたことがある(→http://blog.goo.ne.jp/baileng/e/90bbb2f8865c76df507d918d7f3753b9)。

 経済界の腐敗もひどいものだ。働いている人間の賃金カット以外に経営手段がないかのようである。結局90年代以降の労務管理の様々な試み-成果主義とかコンビ点シーとか-は、結局賃金切り下げの口実に過ぎなかったのではないか。

連合も組合としての機能を果たしていない。腐敗した財界と機能しない組合のもとで国民は絶望するほかなくなっており、それが橋本のようなファシストの台頭を許すことになっている。

 話が少しそれてしまったが、そのような政治状況の下で、またそのような人々のもとで、原発事故の本格的な見直しができるのだろうか。

 とはいえ、事故の見直しも確かに行われてはいる。

 政府の事故調査委員会である畑村委員会は、膨大な中間報告を出したが、責任者の刑事責任の追及はしないというのが前提である。当然社会的地位を維持するだろう。それで問題の根源が解決されることにつながるのか。
(http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=_tLCrd_wh7E)

 また畑村委員会が上記のような姿勢を取ったのは、関係者が率直に語り、事故の真相を明らかにするためだというが、政府の関係組織に、もっとも重要に時期に議事録が作成されていない等、どうやって事態の真相が明らかになるのか。

 もっとも重大な責任を担い、そのための権限も持つ者が最も無責任であり、なおかつ自らに責任が及ばないよう記録も残さないなど公職に就くものとしての基本的倫理の欠如としか言いようがない。

 これが長年組織的に行われてきたのだとしたら、この国の中枢を担う官僚と政治家たちには最低限の倫理もない、ということである。

 大国といわれる国には膨大な公文書・私文書の記録の蓄積がある。

 それはある時期には政争の具にされることもあるが、それが蓄積されてきたのは、政治の誤りを正す大元の資料になるからだ。

 また国際間における様々な主張のぶつけ合いに際しても、過去にわたる詳細な記録の有無が生死を分けることを知っているからだ。

 この間政権は菅から野田へと変わったが、原発に関する国策の方向も「脱原発」から「原発依存度の減少」に変更された。明らかに政・財・官・メディアに巣くう原子力村の住人たちによる政治工作の結果である。

 今も福島では被曝が続く。他の県でも町でも山村でも被曝が続く(http://atmc.jp/   http://yasaikensa.cloudapp.net/  http://minnade-map.net/)。

 そして何年かのちにがんが増えて病院で問題になっても東大の中川やその他の権威者たちが、原発事故との因果関係を否定して終わりにするのだろう。

 何とも暗澹たる思いです。

委員はひも付き-田中龍作ブログより

2012-02-14 14:12:56 | 原発
 以下の通り、原子力の安全にかかわる委員が原発メーカーや電力会社から様々な名目で金をもらっていたことが確認された。

 学識経験者中心に12人。安全委員会委員長の斑目もその一人だ。


経産省原子力安全・保安院はきょう、原子力の安全性を審議する専門家委員のうち、少なくとも12人の委員が原発メーカーや電力会社などから報酬を受け取っていたことを明らかにした。

 12人は大学教授や名誉教授といった学識経験者が中心。

 保安院は贈った側の企業名ともらった側の専門家委員の氏名は公表していない。もらった金額についても、最高金額が1人年間500万円という他は明らかにしなかった。

 きょう午前の記者会見で、筆者は保安院の森山善範審議官に次のように質した――

「専門家委員は国の原子力行政を左右する権限を持つ。なおかつ国立大学の教授であれば、立派な収賄だ。審議を委託する保安院として収賄で刑事告訴するつもりはないのか?」

 森山審議官は「(当人から事情を聞いた結果)個別の案件には影響していない。審議会の中立性を損ねていない」と否定した。

 官僚や学者は、どこまで世間の常識を逸脱すれば気が済むのか。呆れる他ない。

 「金をもらえば、金をくれた相手に手心を加えるのは世間の常識ではないか?」と食い下がったが、森山審議官は「個別の案件に影響していない」と繰り返した。(※筆者と森山審議官の詳しいやりとりはIWJの録画でご覧頂きたい。)

 日本原子力学会が、使用済み核燃料の輸送容器に関する検査基準を国の基準より緩くして議決していたのだが、審議を主導していた有富正憲・東工大教授が容器メーカーから多額の献金を受けていた事実を保安院も認めている。

 大飯原発3号機のストレステストを可とした保安院の評価に御墨付きを与えた専門家委員の岡本孝司・東大教授も原発メーカーから200万円もの献金を受けていた。岡本教授は意見聴取会の司会進行役である。
 
 保安院はきょう夕方、原子力安全委員会にこの評価結果を報告する。安全委員会の班目春樹委員長の研究室はじめ複数の委員は、何らかの形で原発メーカーや電力会社から多額の寄付(計8500万円)を受けていた。

 どの委員会も「原発再稼働ありき」で議事が進むはずである。

 ◇」

福島東電2号機は大丈夫か?

2012-02-14 13:44:34 | 原発
 2号機の温度以上は温度計の呼称が原因、というのが東電の説明だが、今まで散々いい加減だった東電のこと。

 容易に信用できない。本当に故障だとした場合、他の温度計が正常に機能しているかどうか、本当に確認できるのか。


「福島第1原発2号機 「完全安定」程遠く 計器不安、炉内把握できず  産経新聞 2月14日(火)7時55分配信

 福島第1原発2号機の原子炉圧力容器下部の異常な温度上昇の原因は、温度計の故障であることがほぼ確実になった。だが、信頼性に不安が残る計器が頼りで、原子炉内の様子を把握し切れていないことが露呈。「完全安定」には程遠い状況が改めて浮かび上がった。(原子力取材班)


 2号機原子炉には、下部に水をためやすい給水系、中心部にかける炉心スプレー系と呼ばれる2系統の配管で注水されている。

 配管関係の工事のため、1月下旬から2系統の流量バランスの変更を重ねたところ、圧力容器下部に3つある温度計のうちの1つが温度上昇を示し始めた。

 東電は流量変更が原因とみて注水量を増加したところ、いったんは低下傾向をみせたものの再び上昇。さらなる注水増などの対応に追われたが、結局、東電が「流量変更とはまったく因果関係がなかった。総合的に分析する仕組みが必要」と釈明するに至った。

 今回の事故で、政府と東電が決めた冷温停止状態の条件の1つは、圧力容器下部の温度が100度以下。東電は、温度計に20度前後の誤差があるとみており、80度以下に保つことが必要とされてきた。

 東電と原子力安全・保安院は「故障」が判明する前から、「原子炉全体は冷やされ、冷温停止状態は維持できている」と繰り返してきたが、誤った原因推定に基づく対応を取っていただけに、そうした説明には不信感も生まれかねない。

 また、原子炉内には溶融した燃料があり、高い放射線量のため、温度計の修理や交換は難しい。内部の状況を知る貴重な手段が1つ失われたことで、廃炉に向けた状況把握が一層困難さを増すほか、残る2つの温度計が今後も正常である保証はない。

 大阪大学の宮崎慶次名誉教授(原子力工学)は「他の2つの温度計は現在は正常だが、(故障の原因になる)湿度が高い状況では今後の信頼性に不安が残り、点検する必要がある。原子炉内の状態が分からない中で、完全に安定した状況にあるとは言い難い」と指摘している。」