白夜の炎

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もっともな意見-浜岡原発の永久停止決議

2011-09-21 19:13:44 | 原発


「浜岡原発は永久停止」牧之原市議会が決議へ

 静岡県牧之原市議会は21日の全員協議会で、中部電力浜岡原子力発電所(御前崎市)について、「確実な安全・安心が将来にわたって担保されない限り、永久停止にすべきだ」とする決議を提案することを決めた。


 26日の本会議で賛成多数で可決される見通し。同原発を巡り、こうした決議が出るのは初めて。

 同原発の10キロ圏内に市域がかかる牧之原市は原発の運転再開に大きな影響力を持つ地元4市の一つ。

 決議案は「『原子力発電は安全』という神話が根底から崩れ去り、大きな衝撃を与えた。市においても、基幹産業である茶葉から放射性物質が検出され、風評被害を含め甚大な被害を受けた」とし、東海地震の震源域とされる地域に立地する浜岡原発の危険性を指摘している。

(2011年9月21日19時03分 読売新聞)」

日本原子力学会は本当に反省しているのか?

2011-09-21 17:52:55 | 原発
 福岡で学会を開催中の日本原子力学会はでは、東工大の二ノ方教授が「自分たちが安全神話を生みだしたといわれてもやむを得ない」との発言があった(テレビ・ニュース報道→http://www.youtube.com/watch?v=w5-VgWLNTbc)。

 また報道で伝えられているところでは、津波の専門家である首藤東北大名誉教授を招いて講演会を開催している様子が流された-会場はガラガラだったが。

 このような姿勢からは一見、原子力学会の関係者が真摯に反省しているかに見える。

 しかし以下の声明をみると到底そうはいえないことが見て取れる(スクロールして下の方を見ていただければ、プレスリリース全文を引用してあります。①②③の数字は筆者が便宜上つけたものです)。

 以下の声明文は2011.7.7日、つい2か月ほど前にプレスリリースとして出されたものである。

 タイトルは「福島第一原子力発電所事故「事故調査・検討委員会」の調査における 個人の責任追及に偏らない調査を求める声明」である。個人的には、この期に及んで当事者の一角をなすともいえるこの学会が、「何をかいわんや」という気持ちであるが、少し詳しく見ていくことにしよう。
 (→http://www.aesj.or.jp/info/pressrelease/pr20110707.pdf)

 私はこのプレスリリースの中で三か所気にかかった文章があった。以下ではそれを順を追って検討したい。

 まず①の赤字部分「①これまで、我が国の重大事故の調査においては、本来組織の問題として取り上げられるべきことまでが個人の責任に帰せられることをおそれて、しばしば関係者の正確な証言が得られないことがあった。」とは何のことか。

  これはつまり責任ある個人が自らへの責任追及を恐れて真実を隠ぺいしたということではないのか?

  また「本来組織の問題として」というのは、日本の組織社会の中で個人の責任をごまかすための常套句ではないか。その「組織」を構成し、行動し、発言し、決定した・あるいは決定と実行に関与した「個人」としての責任が、そこに存在しないはずがない。それを明晰に区分し、各々の責任の軽重を明確にすることこそ重要なことではないのか。

 次に②の赤字部分を見てみよう。「②今回の事故調査においては東京電力㈱福島第一原子力発電所及び原子力防災センター(OFC)等の現場で運転、連絡調整に従事した関係者はもとより、事故炉の設計・建設・審査・検査等に関与した個人にたいする責任追及を目的としないという立場を明確にすることが必要である。」と言っている。

 つまり福島第一原発の始まりからプロセス、そして最後まで、かかわった人間を全て免責しろと言っているのである。

 そして最後の③の赤字部分。事故調査を行う畑村委員長はつぎのとおり。すなわち「③既に畑村洋太郎委員長が就任時の抱負として「責任追及は目的としない」方針を示しているところである。

 何と物分かりのいいことだろう。原子力学会の会員―それは大学の研究者にとどまらず、関連企業のトップ・役員や、エネルギー産業関係者、官僚も含まれる-はみんなこのお墨付きをもらって安心したことだろう。

 組織の構成員の一人だったから、その組織の一部を構成する個人として発言したり、関わったりしたことについては、それがどれほど悲惨な結果をもたらし、多くの命を奪い、将来にわたって多くの禍根を残そうとも、その原因をなした個人の責任を追及しないというのである。また過去において、個人が責任逃れのために真実に口をつぐんだことについて、その個人を批判するのではなく、責任を追及したことに問題がある、というのである。

 物事の結果には原因がある。

 それが社会の中で、多くの人間のかかわりの中で生じたことであれば、原因を生みだした人が必ずいるはずである。

 原因の徹底追及は、それに基づいてより良い「技術」を生みだすためだけに行うのではない。

 今回の問題には、明らかに膨大な利権、政治的圧力、事実の隠ぺい、世論工作等、利権とかかわった多くのことがかかわっている。福島原発の計画から竣工、そして今回に至るまで、それが単なる「技術」の問題では済まないことは-先日9/18放映のNHKのドキュメンタリー-でも明らかなところである(→http://blog.goo.ne.jp/baileng/e/5b60663842be4881bb490d326bca1239)。

 あらゆる関係者を徹底的に追求しその個人としての刑事責任を取らせることこそ、後世に再び過ちを繰り返さない礎になる。

 考えてもいただきたい。もしその個人が罰せられなければ、何をやっても地位も収入も失わないのだ。誰が深刻にとらえるだろう。何よりその原因そのものであったかもしれない個人が、社会的影響力を持ち続けることになる。その社会が過ちを繰り返さない社会になりうるだろうか。
 
 日本原子力学会には反省はない。彼らはまず自分たちを免責し、次にそれを社会全体に周知徹底しようとしている。

 その学会の会長・副会長は以下の通り。(学会HPより→http://www.aesj.or.jp/index.html)

 日本原子力学会会長・田中知東大工学部教授  

 副会長・澤田  隆 三菱重工業㈱

     野村茂男 独立行政法人 日本原子力研究開発機構

     堀池  寛 大阪大学

 言語道断。



*日本原子力学会の7月7日のプレスリリース

 「福島第一原子力発電所事故「事故調査・検討委員会」の調査における
 個人の責任追及に偏らない調査を求める声明


 東京電力㈱福島第一原子力発電所事故に関する事故調査・検証委員会が事故原因の調査を進め
ている。

 多くの被災者の皆さまに対する責任はもとより、我が国がこのような重大事故を起こし
てしまったことに対する国際的責任を果たすには、事故原因の徹底的解明は不可欠である。

 そのためには事故対策に当った政府並びに東京電力の関係者の正確で詳細な証言が必須となる。

 しかし、①これまで、我が国の重大事故の調査においては、本来組織の問題として取り上げられるべき
ことまでが個人の責任に帰せられることをおそれて、しばしば関係者の正確な証言が得られない
ことがあった。
今回、もしそのような理由から十分な原因究明が行われないこととなれば、重要
な技術情報を得る機会を失うこととなる。

 ②今回の事故調査においては東京電力㈱福島第一原子力発電所及び原子力防災センター(OFC)
等の現場で運転、連絡調整に従事した関係者はもとより、事故炉の設計・建設・審査・検査等に
関与した個人にたいする責任追及を目的としないという立場を明確にすることが必要である。


 この点については、③既に畑村洋太郎委員長が就任時の抱負として「責任追及は目的としない」
方針を示しているところである。


 日本原子力学会としては、この方針に則り、また、学術会議報告書にも述べられているとおり、
結果だけをみて直接関与した個人の責任を追及するのではなく、設置者のみならず規制当局等も
含めた組織要因、背景要因などについても明らかにされ、関係者間で共有されて再発防止に活か
されることが重要と考える。今後の調査において、事故関係者からの証言聴取が、国際的に整合
性を持った手法で、実効性を最大限高めるべく進められることを求める。

参考文献:日本学術会議人間と工学研究連絡委員会安全工学専門委員会」

九州電力のやらせメールは佐賀県側―というより古川知事発

2011-09-21 10:51:34 | 原発

 九電のやらせメールは古川知事側の要請によるものと判明した。

 古川知事は住民の安全の立場ではなく、自身の政治的経済的利害関係者のために働く人物だということが証明されたといってよいのではないだろうか。

「九電やらせ投稿、佐賀県側が要請か…5月説明会

読売新聞 9月21日(水)9時54分配信

 九州電力の「やらせメール問題」などを調査している九電の第三者委員会(郷原信郎委員長)は20日、第4回会合を東京都内で開き、調査チームによる調査報告書を公表した。

 5月の動画サイト「ユーストリーム」で配信された国の説明会について、当日の中継中、古川康・佐賀県知事の事務所から賛成意見の書き込みを指示されたとするメールが、九電社内に残っていたという。このメールによって実際に社員らが10件程度の書き込みを行ったとしており、5月の説明会でも、県側が「やらせ」を要請した疑いが出てきた。

 これに対し、古川知事は県庁で報道陣の取材に応じ「そういった事実はない」と否定。知事の後援会や資金管理団体の事務作業を行っている古川康事務所の鶴丸岩男所長は「職員にも確認したが全くなかった」と話した。

 調査報告書によると、5月17日、国が県に玄海原子力発電所の緊急安全対策を説明した際、その模様がユーストリームで生中継された。その最中の午後2時36分、九電原子力発電本部の課長級社員が、川内原子力発電所次長らに、「今しがた、古川事務所より『中継を行っているユーストリームへの書き込みが反対派ばかりなので、九電も書き込みを行うように』との指示があったとのこと。本店でも手を尽くしておりますが、発電所及び協力会社においても、ご協力をお願いします」とのメールを送っていた。その後、同発電本部や東京支社から賛成意見が約10件書き込まれ、生中継の画面に表示されたという。」