河野太郎氏のブログからの引用。(
http://www.taro.org/2011/09/post-1095.php)
自民党にエネルギー庁と国家戦略室から人をよんで訪ねている。
原子力の原料のエネルギーであるウランが全量輸入なのに、なぜ原子力が国産エネルギー扱いなのか、といった基本的な疑問を質している。
またそれ以外にも日本の現在の電力事情がよくわかる記載があるので転載させていただきました。
・・・ということで、河野氏のブログは大変勉強になるのですが、
こんな原子力・エネルギー政策をやってきたのは、自民党の歴代の政権ではありませんか・・・という点がどうしても引っかかるので、以下少し意見を述べます。
河野氏は自民党の中では良識ある政治家だと思い、尊敬しておりますが、今まで祖父の代から自民党にいて、歴代このような原子力政策を、結局は作り上げる役割を果たしてきたという他ないのではありませんか。
私は菅元首相は今回の原発事故に際して大変大きな役割を果たしたと思います。
逃げ出しかけた東電を叱咤して現場の回復にあたらせ、脱原発の方向に政治のかじを切ったのですから。
なぜ河野氏は監視を支持することができなかったのでしょうか。
原発に疑問を持ち、東電を批判しても、結局自民党の一員、ということでは、現状を根本から変える力にはならないと思います。
自民党本部で役人をよんで話を聞くだけでなく、反原発の運動を展開してきた人たちなどから、もっと話を聞けば、より多くのことを学べるのではないでしょうか。
「自民党のエネルギー特命委員会に、政府からエネ庁と国家戦略室が来てプレゼンする。
原子力を自給エネルギーと力説するので、ウランは全量輸入しているだけでなく、現在、国内のウラン濃縮工場も全て止まっているのに、なぜ、原子力を自給エネルギー扱いするのかとたずねると、エネ庁が、ウランはいったん輸入しても三年ぐらいは燃えているので準国産エネルギーとしている、と。
では、輸入して十年は乗れる外国車は準国産車なのか。輸入してから何年も持つ缶詰は、準国産の食糧なのか。石油の備蓄を三年分したら、石油は準国産のエネルギーなのか。
ガソリンがすぐになくなるので、外国車は準国産とはいいにくいなどとぶつぶつコメントしている。
さらに、ピーク活用できる自家発電の設備総量が7673万kWあるという数字を出してきた。
しかし、1000kW未満のものは2300万kWあるが、これらは全て例外なくピーク時に需要家が自ら自衛策として使うものとしている。
1000kW以上の大きさのものは5373万kWあるが、そのうち、電力会社への卸供給事業者の設備が1928万kWだという。
残りの3445万kWのうち、電力会社に売電済みが324万kWあり、追加的に売電可能なものは128万kWしかないという。
そして、残りの約3000万kWは全て自家消費分だという。
もし、ピークタイムの電力料金を引き上げれば、その期間に稼働しなくてもよい工場などは夏休みを取り、自家消費分の電力はその高い価格で目一杯、電力会社に売るだろう。
だから価格をきちんと設定すれば、自家消費分は供給市場に出てくる。1000kW以下のものも同じように価格に応じて市場に供給される電力は増えていくし、他方、価格が上がればその時間の電力消費は減っていく。
政府のプレゼンは、こうした価格メカニズムを何も反映していなかった。
需給調整契約に関して、この夏、どの程度発動したのかという問いに対しては、全く答えられず。これまで、政府に尋ねるたびに、デタラメな答えを返してきたが、おそらく政府は把握していないのだろう。
電力の安定供給には、原発を最低何基稼働させる必要があるのか、何基稼働させれば、どういう状況にもっていけるのかという問いにも全く答えられず。
東京電力が卸電力取引所を混乱させたことについても、無計画停電をやらしたことについても、国家戦略室、エネ庁、まるでコメントできず。
原子力、核、放射線その他関連の公益法人、独立行政法人その他にどれだけ公費を投入してきたか、三年前から問い合わせているが回答がない件については、特命委員会としてデータ開示を求めることになった。
透明性を高めるといいながら、ではこれまで電力の企業秘密として黒塗りにしてきたところを公開するのかという問いには、答えられず。
経産省以下の電力への天下りや原子力村の影響の排除をどうしていくのかという問いは、何も答えられず。
核のゴミを出して何がクリーンなエネルギーなのかという問いにも答えられず。
託送や総括原価、規制緩和についてはどうするのかという問いにも答えられず。
いったい、何をしに来たのか。」