べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

わかっていたのに

2007年01月18日 20時19分38秒 | 叙情

青空を一枚はぎとった
と、そこにはさらに美しい
底の抜けたように青く澄んだ大空が広がっていた
ぼくは“あぁ、よかった”と
ひそかに胸をなでおろす

夜空を一枚はぎとった
と、同時に無数の星たちが
まるで銀紙がはがれ落ちるように舞い散った
あとには底なしの闇が広がるばかり
“あぁ、なんてことを・・・・”
ぼくの胸はカラカラに干あがった
でも、しばらくすると
ひとつ、またひとつ
あたかも豆電球が灯るように
ふたたび星たちが瞬きはじめ
もとの満天の星空があらわれた
ぼくは“あぁ、よかった”とため息をついた

愛を一枚やぶり捨てた
しかし、いくら待っても
それはもとにはもどらなかった
ぼくは唇を噛んで立ちつくす
いつまでもいつまでも
じっと唇を噛んで立ちつくす






☆絵:ダエニ・ビーノ☆
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