飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

鎧が出来るまで その51

2009-10-30 22:22:21 | ハーネス(HG harness)

Dscf0033 ここで、ちょっとファスナーについてのお勉強です。

ファスナーには、大きく分けて二種類があります。

一つはコイルタイプ。もう一つはチェーンタイプです。

しかし、現在ハングの世界ではチェーンタイプはめっきり見なくなりました。

したがって、いま使っているほとんどのものはコイルタイプです。

このコイルタイプもほとんどはYKK製。ヨーロッパの方ではOPTIというメーカーも使うことはありますが、どうも質が悪く、(すいません)だんだん使われなくなっているようです。

このコイルタイプは、コイルを潰して加工したものをファスナーとして使っているものですが、コイルタイプに使用しているスライダー(引き手)も、実は二種類あります。

それが写真のもので、一つは通常のスライダー。そして、もう一つがロックタイプ(持ち手が四角い方)になります。

ロックタイプは、中にツメが隠されており、引き手を持つとそのツメが引き込み、スライダーが動く仕掛けになっています。

EXEのハーネスは、最初はロックタイプのスライダーを使用していました。

理由は、インナーバックル(バックルがハーネス内にあるタイプ)のハーネスの場合、飛んでいるとファスナーが開いてくるためです。

しかし、このロックタイプのスライダーは、ランディング時、体を起こすと体がずり下がると同時にファスナーに無理に開かれて負担がかかるために、現在は、通常タイプに変更して、変わりにバックルを外につけることで負担をなくしました。

EXEハーネスの前期モデルで、ファスナーの途中にストッパーがあったのは、ロックタイプのスライダーを使用したときのファスナーの破壊を防ぐためです。

ファスナー一つとっても、安易に改造したりすると、簡単にハーネスが破壊しますので注意してください。

只今の納期情報。 バックオーダー8着につき、納期約2ヶ月。

生産効率があがっていますので。まだ短縮できる見通しがあります。

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鎧が出来るまで その50

2009-10-26 21:32:48 | ハーネス(HG harness)

Dscf0032 バイアステープが縫製された後は、ファスナーを縫い付けていきますが、ハングハーネスにおけるファスナーの処理は大変難しく、いろいろと試行錯誤の連続の上で今の形が出来上がっています。

この後、数回に分けてファスナーの説明には入りますが、その前に、EXEハーネスの特徴のバックルの取り付け方の説明から…。

写真でもお分かりのように、EXEのハーネスには、下部に金属製のバックルが、上部にはプラスティック製のバックルが取り付けられています。

下部のバックルはファスナーが開くのを避けるためと、もしものときのセーフティーのためにあります。これの説明については、また回を改めて公表します。

そして、上部のバックル。

これはEXE独自のもので、他社ハーネスにはありません。

実はこのバックルには重要な意味があります。

ハーネスの首もとが、きっちり体に密着して体を支えていると、実は、とても居住性が上がります。

特に、背筋の負担が驚くほど少なくなり、長時間のフライトも苦にならなくなります。

しかし、ハーネスの首元と体が密着してしまうとファスナーに負担がかかってしまい、ファスナーが壊れてしまいます。

そのため、他社ハーネスはファスナーが壊れないように首元に余裕を持ってハーネスを裁断し、ファスナーに負担がかからないようにしています。

そのために、他社ハーネスの首元には少し隙間ができています。

しかし、EXEではこれについて妥協せずに、きっちり首元が密着していてもファスナーが壊れないように、新しくバックルを追加したのです。

これにより、長時間のフライトにおいて、EXEのハーネスは高い居住性を得ることに成功しました。

この工夫は、2時間ほどのフライトで、他社ハーネスとの違いを実感していただけると思います。

EXEハーネスは、この工夫の他にも分割フレームにすることによるフレームの大型化、更に、ハーネス内のセーフティーベルトの配置を、一人一人几帳面に管理することにより、腰の部分の局部的なアタリを避けたり等、いくつかの工夫により、世界トップレベルの居住性を実現しています。

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鎧が出来るまで その49

2009-10-25 18:48:55 | ハーネス(HG harness)

Dscf0031 一通り、ハーネス本体に付属品を取り付けた後、専用のバインダーを使用して、ハーネスの周囲にバイアステープを縫製していきます。

説明が遅れましたが、写真のバインダーはハングハーネス専用に、工業用ミシンの改造業者に特注で製作してもらったもので、市販品ではありません。

特注の道具のため、まだまだ完成品とはいえないところもあり、結構使いこなしに技術が必要とされます。

只今の納期情報。バックオーダー一着増え、現在9着。

納期2ヶ月強。お待たせしております。

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鎧が出来るまで その48

2009-10-24 21:38:58 | ハーネス(HG harness)

Dscf0030 バックルが取り付けら後、ブックコンテナ、それにRXCシリーズのトレードマークとなっているベンチレーションの開閉窓、サイドの物入れのファスナーなどを縫い付けていきます。

只今の納期情報。バックオーダー8着。

納期は現在、約2ヶ月です。

お待たせいたしまして、大変申し訳ございません。

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鎧が出来るまで その47

2009-10-22 23:19:02 | ハーネス(HG harness)

Dscf0029 ハーネスをひっくり返し、裏側にもベルトを取り付け、これにバックル、肩ベルトも取り付けます。

ちなみに、EXEのハーネスで使われるバックル、カラビナ、アジャスターなどの金具はドイツから、メインライン等重要な箇所に使われる糸は、ロサンジェルスからMIL規格のものを取り寄せています。

日本国内だけでは、正直、ハーネスの材料をそろえるのは不可能です。

せめてもと思い、生地、フォーム材などは、国産のものを使っています。

実は、バックル等は他に類似品が日本に無く、用途によっては非常に使えるため、詳細は公表できませんが、ウチが輸入元となって外部に小売もしています。

ハーネスを作るのは、とにかく、材料を集めることと、技術を開拓していくことが重要です。

いきなりですが、もし、ラーメン屋を開くとして、ハーネスを作るのと同じ労力で、材料を集めて味を研究をしたとしたら、おそらく、日本一うまいラーメン屋ができるでしょう。(笑)

只今の納期情報。バックオーダー9着。

全力で取り組んでおります。

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