飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

X-RACER 高度4000M仕様

2013-05-31 20:40:40 | ハーネス(HG harness)

EXEの最新モデル「X-RACER」。

先日このハーネスを、お客様のご希望により、高度4000Mでも快適に飛べるようにしたものを納品いたしました。

Xracer02


依頼主は、固定翼機の世界選手権に毎回出場しているY本氏。

彼は海外でフライトすることも多く、4000M以上でのフライトも想定されます。

この高度を飛ぶとなると、まず、低酸素症が心配なため、今回の4000M仕様では酸素ボンベを積めるようにしました。

同時に、酸素のホースもとり回しが楽になるように改良。

そのほか、そのような高高度になると、季節を問わずかなり低温となるため、EXEハーネスのトレードマークでもある、体を冷やすための「ベンチレーション」も、二重にシールド出来るように変えました。

更に、フロントファスナーからも冷風が入るのを防止するために、ファスナーまわりに特別にベルクロを追加しています。

他、無線機からのラインを内部から取り出せるようにしたり、酸素ボンベがぐらつかないようにベルトも追加しました。

ハーネス職人の私としては、このようにお客様の意見を反映して、お客様が気に入っていただける商品が作れることは、とても喜ばしいことです!

EXEではこのように、お客様のご希望にお答えして、特殊な改造もしますので、お希望の方はご連絡ください。

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煙突掃除 2

2013-05-15 21:14:37 | 薪ストーブってどんなもの?(what's woodstove)

前回では、煙突の掃除棒を外の煙突部材である「90度T」の底蓋から、室内のストーブまで通しました。

さあ、これからが煙突掃除本番です!

まずはブラシを取り付け‥・

007


ブラシは市販のものです。

このブラシはネジ式で装着していますが、万一煙突内でブラシや掃除棒が回転してしまうとブラシが煙突の中で外れることが考えられるので、念のためにガムテープをネジ部に張り付けておきます。

008


この後、ブラシを煙突内に挿入し、「煤受け」になるものを下に置いて、いよいよ掃除が始まります!

005


煙突掃除は外からブラシを動かして行いますが、煤が外に飛び散らないように、袋をかぶせておきます。

1,2,3,4‥。

掃除棒を前後に動かしながら、ゆっくりとブラシの位置を変えていき、煤を取り除きます。

申し遅れましたが、この掃除棒。外からブラシを取り付けて内部に向かって掃除していってしまうと、例の「90度曲がり」の部分で引っかかってしまいブラシを進めることが出来ず掃除できませんでした。

しかし、掃除棒を引いていく形で、ストーブ側にてブラシを取り付けて上に向かって掃除していくと、うまく90度曲がりを通り抜けてくれました!

これは、何度か失敗しているうちに発見しました!

さて、これで90度Tより下の煙突は掃除できました。

残りはそこから上の部分になります。

この部分の掃除は、何度か煙突掃除をやっているうちに、煙突トップからブラシを挿入する方法に落ち着きました。

まずはハシゴをかけますが、横に倒れないようにロープで固定します。

009


煙突トップを取り外して、上からブラシを挿入‥。

今度は上から煙突を掃除していきます。

先ほど90度Tに取り付けた袋には、どんどん煤が落ちていきます‥。

そして、この部分の煙突も掃除終了。

この際だから、煙突トップも掃除しておきましょう!

011


煙突トップは、ブラシで煤を取り除いた後、更に美しくしたいときは、ストーブの「灰」を使って磨くと、結構きれいになります!

きれいになった煙突トップを取り付けた後、チェックもかねて外の二重断熱煙突部分も拭き掃除を行っていきます。

これで煙突掃除終了!

012


きれいになりましたね!!

ここまでやればしばらくは心配いりません。

この時は大量の煤が出てしまい、あまりに恥ずかしいので写真のアップは勘弁してください!

言い訳として、大量の「ヒマラヤスギ」の薪を燃やしたことが原因と思われます。

松に近い仲間なので、当然煤も多いのだと思います。

煤の状態自体は「パウダー状」で、タールなども見られず、それなりに良好には燃焼していたようです。

ウチは分け合って切られてしまった木は、なるべく薪にするという方向で、薪ストーブを楽しんでいますが、さすがにあまり良い薪ではなかったようですね‥。

現在ストックしている薪は、ナラ、クヌギ、コナラ、アカカシ、カキ、ケヤキと、そこそこ良い薪ばかりなので、来シーズンは、きっと煤が少ないでしょう!

ちなみに、一般的にはウチのような「壁だし」の形式の煙突の場合、分解して掃除するか、もしくは、ブラシにロープを取り付け、更にブラシの下に「チムニーボール」というおもりを取り付けて掃除するようですが、この方法だと「90度曲がり」の部分の掃除が不十分に思い、また、うっかりロープを離したら、おもりがストーブを直撃!!ということも心配だったので、このように細いグラスファイバー棒を使って掃除する方法をとっています。

まだまだ改良の余地、たとえばブラシと掃除棒のジョイントにスプリングを使って、更に滑らかに掃除できるようにするなどのことは出来ると思いますので、今後の我が家の煙突掃除の進化をお楽しみに!!

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ブロッケン現象!

2013-05-12 20:19:02 | うんちく・小ネタ(absurd story)

私は現在、友人が立ち上げたハング パラグライダーのスクールを週末だけ手伝っていますが、本日、思いもかけない珍しい現象を見ることが出来ました。

Photo


携帯で撮ったので分かりにくく恐縮ですが、ブロッケン現象です。

これは、雲に自分の影が映った時に見られる現象で、自分の影が巨大化し、その周りに丸い虹が見える不思議な現象です。

ハンググライダーで空を飛んでいるときは、積雲に映るものは何度か見たことがありますが、このように地上で見たのは初めてで、空中で見るよりも、むしろ、神秘的に見えました。

この日は午後より海から北東風が吹き、湿った冷たい空気がこの辺に押し寄せ、たまたま中層の空気が乾燥していたため、低い高度のみの雲となり、ハンググライダーのテイクオフ上からは、まさにきれいな「雲海」が見えていました。

たまたまその時に太陽の角度が夕方ということもあり、水平に近くなったので、今回のようなブロッケン現象を見ることが出来ました。

たまたまその時テイクオフにいた人たちは大はしゃぎ!

特に、ブロッケンの影と自分の間に薄い雲が発生したときなどは、ブロッケンまで影の筋が現れたりと、見ていてまったく飽きないものでした。

富山の「蜃気楼」や、山形の「雪迎え」など神秘的な現象を見てきた私ですが、今回の「ブロッケン」も以前より見てみたいと思っていたので、今日はとてもハッピーな気持ちになれました!

自然に感謝です!

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煙突掃除!

2013-05-11 19:41:42 | 薪ストーブってどんなもの?(what's woodstove)

そろそろ薪ストーブもお休みの季節になってきました。

ということで、今回は我が家の煙突掃除をご紹介します。

我が家の煙突は、ちょっと掃除しにくい壁だしという形式になります。

これは外部。

Photo


内部はこのようになっています

Photo_2


上部にある「90度曲がり」。

実はこいつが曲者なのです!ブラシが一筋縄では通らないのです!

そのため、この部分も簡単に掃除でき、部屋も汚さないようにするため、少し変わった方法で私は煙突掃除を実施しています。

準備するものはこれ!

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ホームセンターで見つけた、園芸用の6ミリ径のグラスファイバー棒を真鍮パイプでつなげて、

先は煙突ブラシが取り付けられるようにアダプター金具を取り付けた自作煙突掃除棒。(アダプター金具は旋盤にて自作)

この棒は曲がりが良く程よい「コシ」もあるため、まっずぐな煙突部分はもちろん、室内の90度曲がりの部分まで掃除することが出来ます。

その掃除方法ですが‥。

003


先ほどの6ミリ棒に、このようなカバーをつけて、まずは外から、最初の写真の「90度T」の底の部分の蓋をあけ、そこからこの棒を家の中の煙突へと差し込んでいきます。(このカバーもジュラコンにて旋盤で自作‥。余談ですが、なぜか女房はこのカバーを見るたびにふき出します‥。)

6ミリ棒の先は室内の90度曲がりを通り、そのままストーブまで降ります。

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さて、掃除棒が下まで降りたところで、いよいよここから煙突掃除の本番が始まります!

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世界最高の車いす 4

2013-05-06 21:02:12 | うんちく・小ネタ(absurd story)

さてさて、いろいろと検討して本番の製作へと入った世界最高の車いすのシート。

いよいよ縫製へと入っていきます。

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写真は縁取りのバイアステープを、バインダーという器具を使って縫い付けているところ。

縫製作業というのは、こういったツールでずいぶん仕上がりと作業効率が変わってしまうので、結構市販品を自分のアイデアで改造したりして使いやすくしています。

パパッと作業を終わらせれば‥。

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あっという間に完成!

でも、下準備にはずいぶん時間を使ってしまいました。

お客様であるO野氏が気に入ってくれれば幸いです。

ところで皆さん、障害者スポーツに使われている器具って、ものすごいテクノロジーが詰め込まれているってご存知ですか!

私は最初にそのことを知った時に、感動するとともに、障害者スポーツ用品の世界って、技術的にものすごく面白いものがあることに気づき、大変興味をそそられられました。

たとえば、陸上競技の義足を使っての中距離走などは、驚くことに健常者よりもタイムが速いそうで、いかに義足がすごいものかを知ることが出来ます。

また、今回仕事の依頼のあったO野氏は、以前チェアスキー(車いすスキー)の改造の依頼も私に願い出たことがあったのですが、この時初めて見たチェアスキーに私は驚嘆してしまいました。

全アルミフレーム(専門的にはおそらく7N01材)で美しく仕上げられており、もっとも驚嘆したのはサスペンション。

バイクのプログレシップ効果(簡単にいうと、細かな動きで小さなショックを吸収しながらも、大きな力が加わるとサスペンションが固くなり、しっかりと踏ん張ってくれる)を狙って、複雑なリンク機構が使われていたことです。

私も思わずそのチェアスキーに座ってその効果を確かめてみましたが、とても動きが良く、素晴らしい感触に仕上げられていました。

このチェアスキーで私が改造したのは、より空気抵抗を下げることと防寒の目的で、ネオプレーン生地でフェアリングを作ること、そして、人間を固定する固定具を、スカイスポーツ用の軽量高強度のものに変更して、チェアスキーのポテンシャルをあげることでした。

しかし、私はその仕事以来、障害者のスポーツ用品の開発はとても奥が深くて面白い分野であることに気づき、そして、私がもつスカイスポーツ用品に要求される、軽量高強度につくるノウハウがそのまま応用できることにも気づき、今はとてもこの分野に興味を持っています。

そのうちうっかりすると、パラリンピックでウチの「EXE」のエンブレムのついた製品を目にするかもしれませんよ(笑)

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