飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

未来を担うペレットストーブ

2015-03-31 19:52:01 | うんちく・小ネタ(absurd story)
最近我家のすぐ近くに思いもよらない工場が建てられました!



この工場、実は大手通販会社が建設したペレット工場なのです。

ペレットとはペレットストーブ専用に使われる、木からつくられる加工燃料のことです。

ここで、ペレットストーブについてまだまだご存知ない方も多いと思いますので簡単にご説明いたします。


我家で毎夜焚いているのは薪ストーブです。



薪ストーブは圧倒的な熱量や遠赤外線の効果でとても暖かく、真冬でもTシャツ一枚で過ごせてしまうほど快適なものです。

しかも、美しい炎も見られ心も癒されてしまいます。

一度この心地よさを味わってしまうと、大抵の方は薪ストーブの虜になってしまいます。

しかし…。

反面、薪ストーブはとても高価です。

更に、薪ストーブを日常的に使おうとすると大量のがどうしても必要です。

そして、その取り扱いも知識を必要とし、上手に焚こうとするとなかなか難しいところもあります。(そこが面白味でもあるのですが…。)

このように、薪ストーブは「暖房器具」と考えるよりも、むしろ「趣味」と考えた方が良いものかもしれません。


ペレットストーブとは、薪ストーブの手のかかるところを省いた扱い易い暖房器具と考えていただいて良いと思います。

デザインもこんなにお洒落なものが多く存在し、知らない方であれば薪ストーブと見分けがつきません。



しかも、カタログ上は薪ストーブにも引けを取らない熱量を発生し、薪ストーブと同じように炎も楽しめます。

更に、石油ファンヒーターのようにスイッチ一つでON 、OFFが可能で誰でも直ぐに扱えます。

更に更に、ペレットストーブ燃料となるペレットのコストパフォーマンスも高いものがあるのです。

現時点で熱量あたりのコストが灯油とほぼ同じ…。

しかし、このコストとはペレットが外国産のもので、美しくパッケージされ、輸送コストまでかけられた上での話…。

もし、ペレットが手近の工場で土嚢袋などに入れてもらって買えるようになれば、圧倒的にコストパフォーマンスに優れた燃料になる可能性は

充分あると思います。

つまりペレットストーブとは薪ストーブに近い暖かさと炎を、石油ファンヒーターを扱うのと同じ手軽さで楽しめ、その燃料コストパ

フォーマンスも優れている
ということですね!

このように優れた暖房器具であるペレットストーブにも、現段階では若干ですが欠点もあります。

そのひとつは、ペレットストーブ本体の値段が高いこと…。

薪ストーブほどではありませんが、設置工事まですべて業者にやってもらうと、薪ストーブの1/3から1/2ほどの価格になってしまいます。

また、ほとんどの機種は停電になると使えなくなり、動作中石油ファンヒーターと同じくらいですが動作音も聞こえてしまいます。

しかし、上記のうち価格について、ちょっと調べてみたのですがかなりの自治体で助成金が出されているようです。


暖房器具として、最初はちょっと割高感があるペレットストーブですが、薪ストーブのような暖かさと炎が楽しめ、しかも、将来的に

は燃料のペレットも安くなるみこみのあるこの暖房器具に、これからの時代注目してみても良いのではないでしょうか?



更に、もしペレットストーブが世の中に普及すれば、社会的にも素晴らしことが起こります!



まず、ペレットの原料となる木は間伐材なので、日本のほとんどの場所で手に入ります。

そのため、ほとんどの場所でペレットが生産でき、林の間伐がすすむことにより里山保全へとつながり、その結果、建築材としても優れた木を

育てていくことにつながるのです。


少し前までは日本の木材は海外の木材にコスト面で押されてしまっていましたが、最近では質の高い日本産木材が見直され、その需要が増えて

いるそうです。更にそんな質の高い日本木材は、プレカットで極めて正確に加工され、無駄をすべて省いた状態で中国や韓国に輸出もされてい

るそうです。

そしてこれが大事!

ペレットストーブが普及し、日本の各所にペレット工場が出来れば、地方にも新しい雇用を作り出すことが出来るのです!

更に、石油やガスなどの輸入されているエネルギーの消費が抑えられることにより、日本の「円」の流出も抑えることが出来るのです!

つまり、ペレットストーブが普及することは、日本経済にとっても良いものをもたらせてくれるのです。


現在、杉やヒノキの林はたとえ間伐したとしても、間伐材に価値がなかったためそのまま放置されてきました。

そんな放置され続けてきた間伐材を有効に利用することは、将来的に私達にも利益をもたらせてくれると思うのです。






言い忘れていましたが、杉やヒノキの林が整備されるということは、花粉症の症状も緩和してくれると言われています。

花粉症で悩まれている方にとってもペレットストーブは救世主となるのでは!?



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本田宗一郎に歯向かった男…。

2015-03-24 22:16:30 | 人生論(life)
先日、某テレビ局の鳥人間番組製作スタッフから連絡があった。

「毎年審査員として参加されていた坂田さんが、今年は辞退されます。」と…。


縁あって、数年前から私は鳥人間大会のお手伝いをさせていただいているが、坂田さんはその仕事の中でとてもお世話になった方だ。

琵琶湖の鳥人間大会では機体の数が多いため、いつも二班にわかれて飛行前に機体の審査をしているのであるが、坂田さんはいつも私がいる班

で長をされている方だった。

実を言うとこの坂田さん、あの本田宗一郎に唯一歯向かった伝説の技術者であったことに私が気付いたのは、恥ずかしながら昨年のことであっ

たのである…。



ホンダが四輪車を製造するようになってから数年後、アメリカで厳しい排ガス規制が敷かれ、どの自動車メーカーもこの厳しい排ガス規制をク

リアしようと躍起になっていた。

ホンダもそんな排ガス規制をクリアする車の開発に力を入れ、新しい燃焼方式「CVCC」を使った新型車を開発しようとしていた。

その時本田宗一郎は、「何が何でもアメリカの自動車メーカーに勝て!」と、激を飛ばしていたという。

そんな宗一郎に疑問をもち、「自動車とは人にやさしく社会の役に立つことを最優先に考えるべきではないのか…。」

この考えを宗一郎にぶつけた技術者がいた。

それが私が鳥人間でお世話になっていた坂田さんだったのである。


宗一郎はその言葉に返す言葉が見つからず、結局CVCC方式が採用された「シビック」が発売になると、自分はすでに会社にいてはいけない人間

と悟り、自ら社長を退いたそうである。

このあざやかな交代劇は、後々伝説となっていたので私でも知っていた。

坂田さんはその後もホンダで第一線を走り続け、後にご自分の一番の夢であった国産の飛行機「ホンダジェット」を作り上げることになった。



で、その当の本人である坂田さんがはどんな方であったかというと…。

とにかく無駄なことは口にせず、もくもくと仕事をこなす方だったが、いつもできる限りの資料データを手にして、細かなことでも逐次メモを

とる方だった。

鳥人間の現地の会場ではいつも真夏の炎天下の厳しい状況なので、御高齢の坂田さんに負担をかけぬように私なりに気づかいながら機体の検査

を進めていたが、昨年はとうとう坂田さんが熱中症となり仕事がこなせなくなってしまったのである。

「ご迷惑をおかけしました。」と言い残して、坂田さんはその日のうちに会場を後にされた。

そんな出来事があったから坂田さんは今年は辞退されたんだと思う。

おそらくこれを最後に坂田さんは鳥人間からも引退されるであろう…。


鳥人間は某テレビ局の一番組にしか過ぎない。

しかし、この番組をきっかけにおおくの優れた技術者が育っていった事実は、世間ではあまり知られていない。

鳥人間をきっかけに、多くの若者が極限設計を学び、その経験が後の仕事で生かされているからである。

有名な話だが、宇宙飛行士の若田光一さんも学生時代は鳥人間に没頭している。


この番組製作に携わることになり、多くの審査員の方たちと交流を持つようになったが、皆さんの仕事振りはいつも本気そのもの…。

それは一番組を製作しようとするもの以上に、日本の将来を担えるような優秀な技術者を育ててやろうと意気込んでいることが私にはよく分か

る。

航空産業については、いつも二の足を踏んでいた日本から、世界を驚かせるような飛行機を作ることができる技術者を作る上げたいのである。


坂田さんが去った今、その意思を残った私たちが引き継いでいかなければならないのであるが、私など坂田さんの足元にも及ばない人間…。

でも、そんな私でも何かできることはある筈なので、これからはそれを考えながら前に進んでいくしかないであろう。









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おめでとうクリスチャン!

2015-03-13 18:49:25 | ハング(hangglider)
本日までメキシコでハンググライダーの世界選手権が開催されていたが、この優勝者が、以前我が家にも滞在していただいたイタリア人のクリスチャンに輝いた!

クリスチャンにとっては初めての世界選手権優勝‥。

この栄誉を獲得するまで、彼は大変な努力を積み重ねていたに違いない。




彼が我が家に訪れたのは2010年のハンググライダー日本選手権において、ゲスト選手として来日した時だ。

クリスチャンの本業は、ハンググライダーのデザイナー。

彼はイタリアのICARO2000社においてチーフデザイナーを務めながら、自らもコンペティターとして世界中の大会に参戦していた。

そして、自社のハンググライダーの営業もこなしていた。

彼が日本へ来たとき、彼が泊まれる適当な宿がなかったため、私は彼に私の家に滞在するように勧めた。

彼は日本のICAROの代理店スタッフと共にウチに滞在することになったが、初めての日本の家での暮らし‥。

「風呂に洗い場があること」や「シャワートイレ」に驚きながらも、一週間弱の時間をともに過ごした。

私たち夫婦は遠慮なく彼に日本式の食事と暮らしを体験させたが、やはり「海苔」や「納豆」には驚いていたようだ。

それでも好き嫌いがあまりなかったので、こちらもあまり気を使うことなくともに食事ができたのは有難かった。

彼はイタリア人ではあるが出身が北の方になるためか、ゲルマン系の雰囲気が漂っており、理論に長けていた。

彼が話すハンググライダーの理論的な話は、とても興味をひかれた。

この世界選手権も、ハンググライダーのポテンシャルをあげるため彼が考え出した「延長翼端」のシステムがスタンダード化してしまい、多くの選手の機体にそれが取り付けられていた。

このようなスタンダードを作り上げてしまうのは、やはり、彼の理論が確かなためだろう。

来日時の大会の折は、彼は栃木県北部の黒羽町にゴールが設定された時に、フライトコンピュータの設定をミスってゴール出来なかったこと、更に、最終日にうかつに先を急ぎ過ぎたなどのミスが重なったため、その成績は振るわなかったが、日本の

ように気象条件があまり良くない土地での経験も、重要な糧になったのではないかと思う。


競技を終えた後、みんなで暖かい鍋をつついた楽しい思い出は今でも鮮明に覚えている。

今までの長い道のり、本当にご苦労様でした。

そして、とうとう手中にした世界選手権優勝の栄誉に、心から祝福を贈りたいと思います!
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室内はシングル煙突?それとも二重断熱煙突?

2015-03-06 16:03:33 | 薪ストーブのセルフビルド(for woodstave builder)
薪ストーブのセルフビルドを行うにあたり、煙突の選択はとても重要でありながら大変難しいものでもあります。

中でも、少しでも薪ストーブのセルフビルドを勉強された方ならば、室内部分を安いシングル煙突にするか、はたまた、高価な二重断熱煙突に

するかについて悩まれるのではないでしょうか?

シングル煙突は値段が安いけどドラフト(吸い上げ)が弱くなるというし、二重断熱煙突はドラフトが安定している上に火災の危険性もすくなく

て安心!

でも、シングル煙突の3倍以上値段もするし、煙突全体の値段差でみてもかなりな差がでてしまう…。

もともとお金がなくてセルフビルドなんて考えているんですから、やっぱり出来るだけ安くあげることを考えちゃいますよね!

そこで、今回は室内をシングル煙突にした場合どうなるか…。についてちょっとお話させてもらいます!

というのは、実はウチは室内は全シングル煙突を使用しているからなのです。

もし今回の説明に間違いがあると気付かれたプロの方がいらっしゃいましたら、ご指導の方よろしくお願いいたします。




我家の室内煙突は、ご紹介したようにほとんどシングル煙突を使用しています。

その長さも結構ながく、約3メートル程もあります。

ちなみに、アメリカでは法律的にも2.4メートルを超えるシングル煙突は禁止されているそうです。

野外はもちろん全二重断熱煙突をつかって4メートルほど伸ばしています。

このような室内を全部シングル煙突で構成する方法は、正直一昔前に取られていた方法で、今では室内も二重断熱煙突を使うのが主流

で、シングル煙突は使ってもストーブから1メートルほどまでとなっています。


で、我家ように室内を全部シングル煙突にした場合の使い心地なのですが…。

当然煤が溜まりやすく、全部二重断熱煙突にした場合に比べ、より煙突の掃除頻度が高くなります。しかし、その他にも二次燃焼が安

定づらくなっていると思うのです…。


もちろん二次燃焼には入れられます。しかし、空気をあまり絞れず、絞ろうとすると直ぐに二次燃焼が止まってしまい煙突から白い煙

がモクモクと出始めてしまうのです…。


これはおそらく次のような理由からだと私は考えています。



シングル煙突は二重断熱煙突にくらべ、より熱を周りに放出します。

昔はその理由から室内はシングル煙突にした方が暖かいなんて言っていたそうですが…。

実は考えてみると、熱を放出しやすいということは、それだけ冷えやすいということ…。

つまり、シングル煙突で安定したドラフトを得ようとすると、常にストーブから熱の供給を受けて煙突自体を暖め続けて熱さを保つ必要がある

わけであり…。

空気を絞ってしまうと、その熱の供給も少なくなり直ぐに煙突が冷めてしまい、結果、ドラフトも弱くなってしまうと言うことが言えると思う

のです…。

薪ストーブが二次燃焼を安定して行うには、煙突が発生するドラフトが不可欠となります。

高性能薪ストーブは、火室に入れる空気を、わざとその流入経路を長くとることにより一度暖めてから供給して、その燃焼を安定させています

が、流入経路が長くなる分その吸入抵抗も増してしまいます。

そんな、吸気に抵抗が出来やすい高性能ストーブでも快調に薪をもやすためには、ドラフトの安定した性能の良い煙突が必要な訳であり…。

その役目を果たすのに必要不可欠なのが二重断熱煙突というわけです。

二重断熱煙突はその内部が保温されるため、ドラフトがとても安定しています。

だからこそより空気を絞り込めて、効率よく長時間に渡って薪を燃焼出来るんだと思うんです…。

これがシングル煙突を使用していると、煙突自体を暖めなければいけないため、ストーブからはどんどん熱を供給してやらなければ二次燃焼は

安定しなくなる訳であり…。

ストーブから熱がドンドン供給されるということは、せっかくストーブの中にある熱もドンドン抜けてしまい、外に放出されてしまうとい

うことであり…。

結果、薪の消費量が増大してしまうということが言えると私は思うのです…。

つまり、より薪の持つエネルギーを有効に使いたいのであれば、やはり、室内も二重断熱煙突を使ったほうが良い

ということが言えるんじゃないか?と思えるのです。


以前このブログでもご説明しましたが、素人が煙突の見立てをするの無理です。

煙突の見立ては、プロの方ですら手を焼いてしまうケースがあるくらい難しいものであり、そんな難しいことがちょっと勉強したくらいの素人

ができるわけがないからです。

そこで煙突の見立てだけは、たとえセルフビルドであったとしてもプロに相談することが必要だと思います。

プロの方からの煙突の見立てが、室内に二重断熱煙突を使っていて高価であったとしても、それは、プロの方の良心でそのような見立てをして

いるのだと考えるべきだと私は思います。

どうしても、工事費を抑えるために室内にシングル煙突を使いたいときは、上に説明したように煙突掃除が増えて薪の消費が増大する。

更には空気を絞りづらいため、薪ストーブの楽しみでもある「揺らぐ焔」が見づらくなってしまう…。

そんな弊害も考えながらプロの方とじっくりと相談し、あなたにベストな選択を探してみることが私は大事だと思います。













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