飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

弊社ハーネスのピッチライン調整について!

2020-03-25 21:48:15 | ハーネス(HG harness)
弊社ハーネスのピッチライン調整について、多くの方が間違えているのでご報告です!

弊社製造ハーネス、X-RACERとRXCについて、ピッチラインが若干短く、「うわぞり」の姿勢になるように調整し

ています。




これは、マニュアルにも記載しておりますが、バックプレートのユニバーサルジョイントにスプリングを使用して

いるため、使用時には荷重にてそのスプリングが縮むことを考慮して、調整したものです。




このように若干うわぞりにしていないと、スプリングが荷重にて縮み、下に折れ曲がった姿勢になってしまうのです。

これを勘違いして、ユーザーがピッチラインを伸ばしてしまうケースが多く見受けられます。

工場出荷の時点にて適正に調整されているにもかかわらず、ユーザーにてその原理を理解せずに変更した場合、体が下にくの字に折れてしまう

ため、それを立て直そうと体を上方向にそれあげてしまうと、ピッチトリマーのロックが解除されるため、ピッチ

が不安定になってしまいます。


これについては、上にも述べましたようにマニュアルにも明記されていますので、今一度目を通してください。



さて、それではなぜ、弊社ハーネスのバックプレートのジョイントにスプリングを使っているのか?

この理由なのですが…。

まず、構造が単純でトラブルが少なく、たとえ故障したとしても、その修理が容易なことがあります。

更に、これは決定的理由なのですが、下の図を見てください。



これは、バックプレートが折れ曲がったときの現象を説明していますが…。

バックプレート折れ曲がり時に、それを入れているバックプレートポケットの寸法が縮むからなんです!



その結果、バックプレートが前後で突っ張ってしまい、スムーズに折れ曲がらないのです!

このバックプレートの突っ張りの力を逃がし、スムーズに折れ曲がるようにするために、ジョイントにスプリングを使っているのです。

このような構造をとらなかった場合、無理やりバックプレートの折れ曲がり動作を繰り返していると、ジョイントが壊れたり、バックプレー

トポケットが破れたりします。


弊社の採用している「ダブルバックプレート」は…。

居住性が良くなる。

ランディング時の起き上がりが良くなる。

メインラインのスライド量がバックプレートの折れ曲がりで少なく抑えられるため、テイクオフしやすくランディング時のフレアーの効きも

よくなる。


などの、優れた特性があります。

逆に欠点として…。

バックプレートが二枚のため、コストが上がる。

上記のバックプレートの突っ張り現象があるため、故障が多い。

がありますが、弊社は国産にてコストを抑え、そして、ジョイントにスプリングを使うという手法により、信頼性も上げることが出来ました。



ピッチラインの話が出たところで、ついでにもう一つ!

X-RACER、RXCハーネスのピッチラインは、ロープの長さに最初から余裕をもっています。



これはなぜかというと…。

そもそもこのピッチラインは消耗品です。

特に、ピッチトリマーでの摩擦による消耗が激しく、定期的に交換しなければいけないのですが…。



余裕をもって長くピッチラインをとっておくと、ピッチラインの結び目位置を定期的に変えるだけで、このロープ

の再利用が出来るのです!


…。と、言っても、もともとレーサーハーネスとして開発されたものなので、その太さには全く余裕を持っていませんので、1年くらいを目途に交換

してくださいね!
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あれから9年…。津波の真の恐ろしさ…。

2020-03-10 20:28:39 | 日記(diary)
東日本大震災から9年がたってしまいました。

多くの方が命を失い、家族を失い、そして、住む場所を追われてしまいました。

あれから9年たった今も、まだまだ生活を立て直せない方も多くいらっしゃいます。

これだけ時間がたった今でも、まだまだ元通りにはできない…。

いったい津波の傷跡はいつまで続くのでしょうか?


以前より気になっていたのですが、このブログでもご紹介しました大川小学校。



全校生徒の7割もの子供が津波にのみこまれた災害…。

命を失った子供ももちろんかわいそうですが、その惨事を目の前で見ていた、助かった子供たち…。

この助かった子供たちも、大きな傷を心に負っているハズです。

目の前で、友達や先生たちが津波にのみこまれていくのを見ているしかなかった…。

助かった子供たちは、比較的身体能力の高かった「高学年」の子たち…。

今では20前後になっていることと思いますが、一生その光景を忘れることが出来ずに生きていかなければなりません。

とても苦しいことだと思います…。


先日NHKで、この震災の時に起こった津波を詳しく伝える番組が放映されていたのですが、この中でサイレント津波という聞きなれない言葉が出てきました。

簡単にこのサイレント津波とはどのようなものかを説明すると…。

津波の大きさは、必ず地震の揺れと比例するものではなく、地震の元となる海底地盤の跳ね上がりが、時間をかけてゆっくりと大きく動いた場合…。

こんな場合には、揺れの大きさに対し大きな津波が発生するというものです。

考えてみればその通りです。

津波は、海底地盤の持ち上がりが原因ですから、これが時間をかけて大きく持ち上がった場合、地震の揺れは少しでも大きな津波になります。



このサイレント津波のメカニズム、実は東日本大震災で分かったものです。

それまでは誰もそんなことを知らなかったのです。

地震については、大きな被害が出るため一生懸命研究はされているものの、実はまだまだわかっていないことが多くあるようです。

そして、私が怖いと思うのは…。

実は、2000年ほど前に、けた違いの大きな津波が日本を襲った痕跡が残っていることです。

この津波、海岸に津波で運ばれた砂を調べると分かるようですが、実に東日本大震災の3倍の砂が運ばれた地層が

あるそうです。


石垣島にもこの時に運ばれた大岩があることからも、相当広い範囲で大津波があったようです。

私は、この2000年前の大津波も、まだ解明されていないメカニズムで起こった可能性が高いのでは?と、思っ

ています。


いずれにしても、これ以上悲惨な災害に会わない様に、しっかりと地震に備えていくしかないと思います…。
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薪ストーブって、本来はほとんど煙が出ないんです…。

2020-03-02 21:55:15 | 薪ストーブってどんなもの?(what's woodstove)
薪ストーブを導入したいんだけど、煙でご近所にご迷惑をかけそうだし…。

だから、ウチはあきらめているんです…。

そんな声をよく聞くのですが…。

本来、薪ストーブってちゃんと使えば、ほとんど煙は出ないはずなんです…。


例えば、我が家の例を見てみると…。

まず、焚きつけて、ストーブトップが100度程度に上がり、燃焼が安定したところ(我が家では火をつけてから10分くらい)でドアを閉めて追加

薪を1本入れたところで写真をパチリ!



この時の煙突からの煙を見てみると…。



写真では確認しずらいのですが、うっすらと薄茶色の煙が出ています。

…。と、説明を入れないといけないくらい…。

我が家では、これでも一番煙が出ているときなのです!

更にストーブの温度が上がり…。



ストーブトップが280度程度に上がり、いよいよ二次燃焼に入れる時が来ました。

ダンパーを締めると、「ゴー」っというこのストーブ特有の二次燃焼音をさせながら、巡航燃焼へと入ります。

その時の煙の状態は…。



ほぼ煙は出ておらず、陽炎だけが立ち上る状態です。

薪ストーブのドアを閉めてから、ここまで約15分ほどです。

我が家の場合ですが、このくらい煙が出ていないのです。

本来、薪ストーブって、このくらい煙が出ないものだといってよいと思うのです…。

…。

…。

残念ながら、近くで薪ストーブを使っている方で、何故だかいつも「煙」が出ている方を何人かお見受けします。

最初は、「薪の未乾燥」が原因かと思っていたのですが…。

2年以上、ちゃんと乾燥させた薪でも、いつも煙モクモクの方もいらっしゃるのです。

何故、このように、十分乾燥させているハズの薪でも煙モクモクになるのか考えてみたのですが…。

実は皆さん、煙突が「シングル管」という共通点があるのです!

シングル管とは、煙突が一枚板でできたもの。

つまり、煙突が冷めやすくドラフト(吸い上げ)が弱い状態で、薪ストーブを焚いているのです!

この状態では、十分に薪に酸素が供給されないため、炎が安定せず、十分な燃焼温度が確保できていない…。

だから、いつもくすぶった状態で焚いてしまうので、煙モクモクになるのではないか?と、思えるのです。

もちろん、たとえ煙突がシングル管でも、煙突が冷める隙を与えないくらいガンガンに焚いてやれば、「ドラフト」は得られるのですが…。

シングル管でそのようにガンガンに焚くと、熱で煙突の寿命が短くなり、何よりも、すぐに薪が燃え尽きてしまう

でしょう。


だから、シングル管を使用してしまうと、どうしても「煙モクモク」の焚き方を選択せざるを得ないようになってしまうのでしょう。

この、シングル管を使用した薪ストーブの煙モクモクのイメージが、薪ストーブ全体のイメージを支配してしまっ

ているのではないでしょうか?


私は決してシングル管を否定してはいません。

薪を食う。煙が出る。暖かくない。煙突掃除をしょっちゅうしなければいけない…。

この辺の問題がクリアできるのであれば、シングル管は「安価」という魅力的なものを持っています。

ただ…。

薪ストーブすべてがいつも煙を出してしまう…。

そんなイメージで、せっかくこれだけ素晴らしいものの導入を見合わせてしまうのは、非常にもったいないと思うのです…。
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