飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

信じられない事故が起きました…。

2018-05-28 22:16:25 | ハング(hangglider)
先日、某エリアで今では信じられないような、基本的なミスが原因のハンググライダーの事故が起こりました。

原因は、カラビナのかけ間違い…。それによりパイロットは飛行中のハンググライダーから脱落…。

幸い、パイロットは脱落時にベースバーを握りしめ、そのまま地面近くまでぶら下がった状態だったため一命はとりとめましたが、落下衝撃により重傷をおいました。

で、その原因なのですが…。



本来は上の写真のようにカラビナをかけるはずだったのですが…。

実は…。



パイロットが間違えてこのようにかけてしまったようなのです…。

つまり…。

スイングラインの長さが合わなかったため、付け焼刃で別のスイングラインを二つ折りで付け足し、その上、そのスイングラインが外れないように紐で束ねていたようなのです。

で、その束ねた紐の方に、誤ってカラビナをかけてしまったようなのです…。

これではひとたまりもありません…。

紐は簡単に切れてしまうでしょう…。



この事故。あまりにミスが多く、問題点がありすぎます。

第一に、なぜこのような付け焼刃的なスイングラインのつけ方をしたのでしょうか?

これではカラビナのかけ間違いが起こりやすいため、事故になって当たり前です。


二番目に、なぜスイングラインを紐で結わえていたのでしょうか?

このようなことをしては、その紐にカラビナがかかってしまう可能性があり、大変危険です。


三番目に、なぜサブラインをとっていなかったのでしょうか?

ハンググライダーのスイングラインというものは、メインとサブと二つとるのが常識です。

これは、航空機でいう「フェールセーフ」の考えで、メインがだめになってもサブが効いてくれるという考えですが…。

今回の事故では、サブをとっていなかったためにパイロットが落下してしまいました。


四番目に、なぜこのような危険な状態でパイロットがハンググライダーを乗っていたのに、周りの人間が注意しなかったのか?という事です。

これはあからさまに危険です。

こんな危険な状態で、もし仲間が空を飛ぼうとしていたならば、私ならば即座に注意しています。

なぜ、この危険なスイングラインの状態でのフライトを、まわりの人間は注意しなかったのか…。


今回のこの事故については、正直、なぜこんな初歩的ミスが原因の事故が起こってしまったのか、あまりに疑問点が多すぎるのです…。

上記の四つがすべて重なり合わないと、このような事故は起こり得ないのです。




ここからは私の推測なのですが、今、ハンググライダー界では「知識の空洞化」が起こっているのではないでしょうか?

ハンググライダー人口もかなり少なくなり、必要な情報がハングフライヤーにうまく伝えられない状態になっているのではないのかと思えるのです。

不幸にして近年起こってしまった事故を見てみると…。

ハードウェアが起因する事故はなくなり、代りにヒューマンエラーによる事故が大半を占めているのです。

わかりやすく言えば、人間の不注意による事故といってもいいと思います。

これらの事故は、過去同様の内容で起こったものが多く、そのような事故が起こったという情報が伝わっていないように思えるのです。

今回の事故も、全く同じ内容のものが30年ほど前にありました。

そして、これは特に私がこの業界で仕事をしているから感じるのかもしれないのですが、「空を飛ぶ適正がもともとない方が増えているのではないか?」という事なのです。

人には翼がありません。しかし、人には空を飛ぶための知恵があります。

人はその知恵を使って、空を飛んでいます。

しかし…。

その知恵が無ければ、人は空から落ちてします。

この「知恵」を使わない方が増えているように思えるのです。

一目見て、「これは危険!」と認識することができず、人が空を飛べるのが当たり前のように考えて、ろくに考えずに事故が起こるまで飛び続けてしまう方が増えているように私には思えるのです。



ずいぶん昔ですが、私は若いころ受けた航空整備の授業の始まりの時、先生が決まって生徒に答えさせていたことがあります。

「飛行機は飛ぶものですか?落ちるものですか?」

この質問の答えは「飛行機は落ちるもの…。」

航空機を運用するものが飛行機は飛ぶものなんて考えていたら、事故が起こって大変な事になってしまいます。

いかに事故が起こらないようにするか…それを考えるのが航空機を運用する者の役目なのです。


今のハングフライヤーは、「ハンググライダーは飛ぶもの」と信じ込んでいるのではないでしょうか?

これは大きな間違い!

ハンググライダーは今回のような些細なミスでも、それが重なり合えば、事故につながってしまいます。


コメント (9)
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薪の中の虫ってクレーム???

2018-05-17 22:12:49 | 薪ストーブってどんなもの?(what's woodstove)
薪ストーブを焚くには、当然薪が必要です。

この薪について…。

かなりの認識の違いがあるようで…。

私などは大雑把な性格なので、薪には虫が付いているのが当たり前と思っているのですが…。

人によっては、この虫が我慢できない方もいらっしゃるようです…。

これについて、今一度考え方を整理しておかないと、将来大変なことになるかもしれないので、今回このブログの中で私の考えを述べさせていただきます…。





私は汗を流しながら薪を作ることが大好きです!

これは、薪ストーブの楽しみの一つだとも私は思っています。

そうやって、自分で薪を作った後は、その薪を積み上げて乾燥させるわけですが…。

薪を乾燥させていれば、そこには当然虫が付きます。

これは、自然の摂理であり、薪はカミキリムシなどの幼虫にとっては絶好の食物であり住処であるのですから、当然カミキリムシを始めいろいろな虫が卵が産み付けます。

私はこれは自然なことだと思い、特に薪につく虫については対策をとっていません…。

自然なまま、ありのままに薪をじっくりと時間をかけて乾燥させ、ふた夏超えたくらいで、暖をとらせていただくために薪ストーブへとくべています。

しかし、人によっては、この薪につく虫がどうにも我慢できずに薪屋さんにクレームを言う方がいるようなのです…。

すべてが規格化されている現在、野菜にしろ果物にしろ、「商品」に虫がついていればそれは「クレーム」です。

これは「商品」である限り仕方がないことであり、そのため、このような食物を作る農家さんは、そのようなクレームが出ないように食物に農薬をかけ、生き物が住めない環境を食物の中に作ります。

現在社会は、そのような生き物が住めない食物を私たちが食べることが当たり前となっています。

(ちなみに、私の実家は農家なのですが、この農薬の一番の被害者は農薬を散布する農家の方だと思います。農薬散布時、当然マスクはしていますが、それでも、結構な農薬を吸い込んでしまいます。)

これ、野菜や果物くらいですから、その農薬の毒性は弱くても大丈夫なのですが…。

話が「薪」となってしまうと状況は変わってしまうと思います。

薪のように大きなものに農薬を浸透させて虫を駆除するには、相当毒性の高いものを使わなければならないはずです。

しかも、薪には当然農薬使用の規制がありません。人の口に入る野菜や果物には厳しい規制がありますが、薪なんてもはや農薬とも言えないような毒性の高い薬剤を使用してもお咎めがないわけなんです…。
これでは、虫のクレームをなくそうと、薪屋さんがとんでもない毒性の高い薬剤を薪に散布しかねないのです。

このような毒性の高い薬剤を含んだ薪を、薪ストーブで焚いた場合…。

ほとんどは分解されずに、煙突から付近一帯にこの毒物をまき散らす結果になるのではないでしょうか?

さらに、そうやって付近一帯に毒物をまき散らした結果、健康被害が出たとしても、まさか薪ストーブの薪の毒だとは思わないので、その原因特定に時間がかかってしまうと思うのです…。

薪につく虫をクレームとして訴えていると、結果、このようなことが起こるのではないかと私は心配しているのです。



世の中には人工薪というものがちゃんとあります。

これならば完全な工業製品なので、虫が付いていることはありません。

どうしても薪の虫が気になる方は、このような人工薪を使ってほしいのです…。








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