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飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

今年もクロカン騒動!2日目

2023-04-12 16:46:41 | ハング(hangglider)

敏腕気象予報士Nの一言で今年も始まった、クロカン騒動…。

クロカンとは、ハンググライダーでどれだけ遠くまで飛べるか?

その記録を競うものです。

いままでの国内記録は、茨城県石岡市より、仙台までの230キロメートル。

昨日は、記録狙いで、せっかく集まったハングフライヤーの期待も空しく…。

でも、記録が狙えそうな日は、一日でとどまらず、その翌日まで続く予定でしたが…。

 

…。

…。

私の野生の感…。

今日は、気温減率悪いよね!

気温減率とは、高くなるほど空気の温度が下がる、その度合いを表したもの…。

これが悪いと、上昇気流が弱くなってしまうんです…。

「どうせ今日も、ちょっと飛んで終わりだろう。」

みんなを回収する役割を担った私でしたが…。

そこら辺を読んで、ゆっくりと出発することにしました…。

 

案の定…。

今日も、気象予報士のNを一番に回収…。

昨日とほとんど同じ場所です…。

「いや~、やっぱりシブかった!」 注。シブいとは、上昇気流が弱いの意。

…。

 

次に益子町まで飛んだM氏を回収。

やはり、飛行距離は延びません…。

 

この次は、ちょっとここより飛んで、H氏を回収。

場所は烏山で、飛行距離は30キロほど…。

やはり、記録は伸びませんが、まだ二人飛んでいるはずです!

 

と、ここで、O氏より連絡が!

大田原に降りたらしい。烏山より、更に20キロほど距離を伸ばし、50キロの距離を飛びます。

この日の気象条件で、よくここまで飛べたものです。

O氏を回収。

でも、まだ一人は飛び続け、距離を伸ばしています。

とりあえず、ここより先に飛んで行っていることは分かっているので、そのまま後を追います!

 

と、最後の一人から連絡が入りました!

なんと、郡山の先まで飛んで降りたとのこと!

130キロ以上飛んでいるではありませんか!

よく、こんな条件の悪い時に、そこまで飛べたものです。

私たちがその時いた場所から、更に80キロ以上先です!

 

思いのほか飛んでいたため、急いで高速道路に乗り換えて、最後の一人を迎えに行きます!

 

最後まで飛んでいたのは、Iガキでした!

日本のハング界を引っ張っている張本人!

やっぱりやりますね!

ちなみに、私とはタメ年です。正直、このバイタリティーは尊敬します!

 

最後にIガキを回収しますが…。

ハイエースの屋根の上には、今まで回収した5機のハンググライダーが…。

今回は、この機体すべてが「固定翼」と言われる、高価で高性能な機体ばかり…。

値段を合わせると、1500万円を越えます!

おそらく、一台の車の上に乗せたハンググライダーの、合計価格の記録を作ったのでは?

(なんの自慢にもなりませんか…。)

 

こうして、私たちのクロカン騒動は幕を閉じました。

正直、この日の気象条件で、ここまで飛べるとは思っていませんでした。

これはやはり、機体性能の向上、それと、フライト技術の向上があったからでしょう。

でも、まだまだ今年のクロカンは終わっていません。

ゴールデンウィークが終わるまでは、チャンスはあるでしょう!

 

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今年もクロカン騒動!

2023-04-12 08:23:12 | ハング(hangglider)

「みっちゃん…。またクロカンの回収してくれない?」

今年も、友人Nから電話がかかってきた!

Nは気象のスペシャリストであり、もう40年近くハンググライダーで空を飛んでいます。

ちなみにNは、2年前にNHK朝ドラ「おかえりモネ」のなかで…。

西島秀俊さん演じる、モネの上司役気象スペシャリストの、役作りの指導をした人物でもあります。

「いいよ~」と、私も二つ返事でOK!

こうして、今年も、クロカン騒動が始まったのでした…。

 

クロカンとは、クロスカントリーの略。

ハンググライダー愛好家は、3月終わりから4月いっぱい。

もっとも気象条件が良くなるこの時期に…。

どれだけ遠くまで飛べるか、それを競うクロカンに熱を上げます!

ちなみに、現在の国内記録は…。

茨城県石岡市より、仙台までの230キロ!

私は、第一線からは退いているので、このクロカン熱を上げる方々の「回収」を、毎回しているのです…。

 

そして当日…。

皆さんがクロカン飛行に飛び立って間もなく…。

言い出しっぺのNから、早速電話が!

「降りちゃった!」

…。

わずか10キロの地点に、ランディング…。

聞けば、機体に異常があったため、大事をとって降りたとのこと…。

残念でした!

 

この後は、Nのナビゲーションの中で、他の方の回収に走ります!

…。と、途中でより道…。

栃木県茂木町にある、「いい村」という和菓子屋さん。

ここの「羽二重苺」が絶品なんです!

みんなの分を買って、先を急ぎます。

…。と、Sさんから連絡が…。

近くに降りたようです。

あまり記録は延びませんでしたが、お疲れさまでした!

この近くに、もう一人降りていたので、そちらも回収。

Tさんです。

お疲れさまでした!

 

そこからしばらく走って…。

北海道から飛びに来ているHさん!

Hさんは、昨年より、日本中を放浪しながら、ひたすら飛び続けている方です。

 

結局この日は、思ったほど気象条件が良くなく、30キロほどしか飛べませんでした…。

しかし…。

気象予報士のNが…。

「明日もいいんだよね…。みっちゃん、もう一日回収できない?」

ちょうど今、私も仕事に余裕があったので、次の日も回収にでることにしました!

 

こうして、クロカン騒動第一日目が終わったのですが…。

 

次の日、思いもよらない出来事が!

 

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「バーティゴ」を知っておいて!

2023-01-23 20:47:51 | ハング(hangglider)

青森県三沢基地でのF35墜落。

石川県小松基地でのF15の墜落。

更に、10年以上前に発生した、青森県大間崎沖でのAS350 の墜落。

これらは、パイロットがバーティゴに陥ったために発生した事故と言われています。

バーティゴとは、空間識失調とも呼ばれている症状で…。

パイロットが、水平感覚を失ったために起こるといわれています。

先の2機の戦闘機に搭乗していたのは、ベテランパイロットだといわれています。

ベテランパイロットがどうして事故に?

いえいえ。高齢のベテランパイロットだからこそ、バーティゴに入りやすいんです!

 

体操選手は、激しい動きをしながらも、きちんと自分の体をコントロールして、きれいに技を決めますよね!

これは、演技中、正確に自分の体の姿勢を把握しているから、あんな動きが出来るんです。

バーティゴとは、激しく動く姿勢の中で、平衡感覚を喪失してしまい、姿勢が維持できなくなる状態です。

このバーティゴって、どうやら高齢の方の方が陥りやすいようなのです…。

残念ながら、パラグライダー、ハンググライダーで起こった事故の中で、数件ですが、このバーティゴを原因とし

た事故が起こっているようなのです。

 

これは、実際にバーティゴに陥ってしまったパラフライヤーが、運よく助かり、そのご本人から聞いた話なので

すが…。

スパイラル降下の最中、激しいGの中で下の景色を見ていた時、突然、自分が止まって景色だけがグルグル回って

見える状態に陥ってしまった!

なんだこれは!と驚き、自分がバーティゴ状態であることを知った。

とにかく水平が分からない!

そこで、落ち着いて、力を抜いてニュートラル状態にしてみると…。

やがて機体が水平になり、バーティゴから脱することが出来た。

そう言われていました。

飛行中、Gがかかってしまうと、そのGと重力が合わさり、正確な地面の方向、空の方向が分からなくなり、バーテ

ィゴに陥ってしまうようです。

また、上の事故事例の最後にご紹介したAS350の事故の場合は、海霧の中を飛行中(つまり、水平線が見えない状態

での飛行)にて、バーティゴに陥り、海に墜落したといわれています。

車に乗っているときさえ、濃い霧の中を運転すると、結構地面の傾きなんかが把握しづらくなってしまうことがあ

るもんですよね!

 

このバーティゴに陥らないようにするには、日頃から平衡感覚を鍛えておくことが有効と言われています。

しょっちゅうアクロバティックな激しい動きをする体操選手は、確かにバーティゴに陥っていませんしね!

この平衡感覚を鍛えておく方法なのですが、意外なものが効果があると聞いたことがあります。

…。

そう、ラジオ体操なんです!

体操ほど激しい動きではないのですが、でも…。

頭の回したり、体を振ったり傾けたり…。

そんな動作の間、実は、足平の狭い面積だけで、常にバランスを維持して体操しているわけなんですから…。

どうやら、思っている以上に、バランス感覚が鍛えられているようなのです。

 

これからパラグライダー、ハンググライダーの高齢フライヤーは増える一方なんですから…。

日頃からラジオ体操をして、平衡感覚を鍛えておけば、バーティゴに陥りにくいかもしれませんね!

 

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「スピン」に入ると、どうしてもやってしまう…。

2022-12-06 08:43:51 | ハング(hangglider)

以前このブログで、ハンググライダーでスピンに入ってしまった時の、対象方法をご紹介しましたが…。

いざとなると、やはり、対処がうまく出来ない!

ちょっとこの動画をご覧ください→「スピンに入って死にかけた

問題のシーンは、この動画の3分あたりから始まります。

 

この動画に映るパイロットは、日本選手権にも出るような、かなりウデのたつ選手です。

でも…。

いざ、スピンに入ると、そんな選手でも、やはりやってしまいます…。

 

昔のハンググライダーは、ピッチの安定を保つために、翼に大きな「ねじり下げ」がつけられていました。

だから、スピンに入りにくかったのです。

しかし…。

現在のハンググライダーは、技術革新が進み、ピッチの安定が保てるようになったので、このねじり下げがずいぶ

んと押さえられています。   

だから、その分、危険な「スピン」にも入りやすくなっているのですね!

 

今後、性能の良いコンペ機に乗る方は、やはり、スピンに入ってしまった時の対処方法を身に着ける必要があると

思います。

 

…。して、その対象方法ですが…。

・スピンを止めようと、逆側に当て舵を打ってはいけない!

・スゴイ速度で落ちるので、ついついベースバーを押してしまいがちですが、これもやってはいけない!

以上の2点なんです。

でもコレ、いざとなるといつものクセで、どうしても逆をやっちゃうんですね!

スピンに入った時に、逆側に当て舵をうつのが、どうしてダメなのか…。

以下の図を見てください。

失速しているのに、更に当て舵を打ってしまうと、より深い失速に入ってしまうんですね!

ハンググライダーは、この操作により、より深いスピンに入ってしまい…。

いきなり落下し始めるハンググライダーに対し、怖いので、どうしても、ベースバーを押してしまいます。

当然、この操作により、更に更に深い失速へと入り…。

スピンが止まらなくなってしまうというわけです…。

 

スピンに入ってしまった時の、対処方法は…。

すぐに体重移動をやめて、体をコントロールバーのセンターにもどし…。

少し、ベースバーを引いて待つことです。

この操作により、翼端の失速は収まり、やがて、グライダーは自然に回復します。

 

いつも、条件反射でやっている、グライダーのコントロール方法とは逆なんですね!

でも、頭では分かっていても、いざとなるとなかなかできない…。

 

だからこそ、日ごろから頭の中で、スピンに入った時の対処方法を、イメージトレーニングしておくことが重要と

私は考えています!

 

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最小沈下速度が分かれば、ハンググライダーは乗りこなせる!その2

2022-10-13 18:11:40 | ハング(hangglider)

前回では、ハンググライダーの最小沈下速度を知る方法、そして、その速度から最良滑空速度を導き出す方法のご紹介で

たね!

具体的には、最小沈下速度に1.4をかければ、だいたい最良滑空速度になるというものでした。

今回は、前回求めた最小沈下速度から、フレアーのタイミングをつかむ方法を解説いたします!

 

まず、フレアーのタイミングなんですが…。

これを知るには、適切に重心位置が設定されている必要があります。

その適切な重心位置から、適切なニュートラル速度が作り出されている必要があるんです。

ニュートラル速度とは、コントロールバーから手を離した時の速度のこと…。

ニュートラル速度は、通常のハンググライダーでは、最小沈下速度になるように設定されているんです!

 

これ、なぜニュートラル速度が最小沈下速度になっているかというと…。

ハンググライダーでの飛行は、大半がサーマリング、つまり、旋回を繰り返しているときですね!

この時、腕の力が抜ければ、一番フライヤーは疲れを感じず、サーマルのわずかな空気のどよめきも感じることが出来ま

す!

その、サーマリング中に力が抜ける設定が、最小沈下速度あたりになるんです!

加えて…。

これからご紹介する、「フレアーのタイミング」を知るにも、最小沈下速度をニュートラル速度に設定することが、とて

も都合が良いのです!

さて、それでは、なぜ最小沈下速度をニュートラル速度にすると、フレアーのタイミングをつかむのに都合が良いのか?

ご説明します。

 

まず、前回のおさらいなんですが、最小沈下速度って、まだ翼に失速が発生していない、一番遅い速度でしたよね!

この最小沈下速度を過ぎて、更に速度を落とすと…。

翼の中央に、部分的に失速が起こり始めます。

この時…。

パイロットにはどのような現象が起こっているかというと…。

ハンググライダーは、元の速度に戻ろうと、ノーズを落としたがります。

この時、コントロールバーを介して、バープレッシャーという形で、あなたを後ろへ押し返します。

つまり、あなたの体の位置が後ろに移動するということですね!

加えて、強くなったバープレッシャーのため、通常の飛行時よりも、コントロールバーを押してノーズを上げる動作に、

力が必要になってしまいます。

もし、このように翼に既に失速が始まった状態で、「フレアー動作」をしようとしても、バープレッシャーが強いため、

体を後ろに押し返してしまい、ノーズが上がらずフレアーがかからないのです!

フレアーのタイミングは、既に翼に失速が始まっている速度では、遅すぎるということですね!

でも、フレアーのタイミングが早すぎると、いわゆる「ロケット」になってしまうし…。

ここで使えるのが最小沈下速度なんです!

最小沈下速度は、一番沈下速度が低いスピードなんですが、フレアーのタイミングとしても、ベストな速度でもあるんで

す!

 

この、フレアーに最適な最小沈下速度を、ニュートラル速度になるようグライダーを調整すると…。

ランディング場侵入時、はじめ、速度が付いた状態でコントロールバーを引いていた力が、速度の低下と共に緩められ、

引いていた力がゼロになるタイミング、それが最小沈下速度、ベストなフレアーのタイミングになるんです!

つまり、ニュートラル速度を最小沈下速度にしておけば、コントロールバーを引く力がゼロになった時にフレアーをかけ

れば、バッチリ決められるということですね!

 

このため、ハンググライダーの大半は、最小沈下速度がニュートラル速度になるようにしているのです。

もしあなたが、フレアーのタイミングで悩んでいるのであれば…。

まずは、最小沈下速度がニュートラル速度になるように、ハンググライダーを調整してください。

最小沈下速度を知る方法は…。

前回ご紹介しましたよね!

 

まずは最小沈下速度を調べ、手を離した時、その速度でニュートラルとなるか確認し…。

このようにすれば、フレアーのタイミングもつかみやすくなるんです!

 

ただ、注意していただきたいのは…。

ランディング場に入っても、フラフラと高度処理をしているような飛び方…。

こんなでたらめなランディングをしていると、フレアーのタイミング時もグライダーが傾いているため、いつまでたって

もフレアーのタイミングをつかむことは出来ません!

しっかりと、ランディング場に入るときには高度処理は終わっており、ファイナルアプローチ後はまっすぐに侵入するよ

うにしなければ、せっかく良い位置にニュートラル速度を調整しても、フレアーのタイミングはつかめないのです!

 

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