読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

絶望の中の自由と渾身の表現、「4分間のピアニスト」(ドイツ/2006年)

2008-09-23 07:05:14 | 映画;洋画
原題: VIER MINUTEN/FOUR MINUTES
監督、脚本:クリス・クラウス
音楽:アネッテ・フォックス
撮影:ユーディット・カウフマン
出演:モニカ・ブライプトロイ、ハンナー・ヘルツシュプルング、スヴェン・ピッピッヒ、ヤスミン・タバタバイ、リッキー・ミューラー

~80歳になるトラウデ(モニカ・ブライブトロイ)は、60年以上女子刑務所でピアノを教えている。彼女は何年も貯金して新しいピアノを購入するが運送に失敗し、その責任を追及される。早急に彼女のピアノレッスンを受ける生徒を探す必要に迫られたトラウデは、刑務所内でジェニー(ハンナー・ヘルツシュプルング)という逸材と出会う。(シネマトゥデイ)~

エンドロールの最初に「ゲルトルート・クリューガー(1917~2004)」と献辞が捧げられています。監督のクリス・クラウスが語ったところによると、1943年から女子刑務所でピアノを教えていた女性が実在した新聞記事を目にしたことから、このストーリーは生まれたそうですが、クリューガーは、20世紀最大の指揮者フルトヴェングラーから認められた優秀なピアニストだったようです。

作品中ではクリューガーに対するフルトヴェングラーの次ぎのよう評価が語られます。

「若手で最高のピアニスト。確たる世界観はあるが、精神的にもろい」

さて、ピアニストをモチーフにした映画には、「海の上のピアニスト」(1999年/ジュゼッペ・トルナトーレ監督/イタリア)、「戦場のピアニスト」(2002年/ロマン・ポランスキー監督/フランス・ドイツ・ポーランド・イギリスの合作)、「善き人のためのソナタ」(2006年/フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督/ドイツ)、少し毛色が違いますが、「クロイツェル・ソナタ 愛と官能の二重奏」(2006年/イタリア)などがありますが、やはりヨーロッパの独壇場、面目躍如というところでしょうか。


隠された過去を持つストイックなピアノ教師を好演しているのは、モニカ・ブライプトロイ。「ラン・ローラ・ラン」(1998)にも出演されていたようです。

モニカ・ブライプトロイ(Monica Bleibtreu, 1944年5月4日-)は、「オーストリア出身の女優、脚本家。ウィーン出身。父親は舞台監督であり、祖母は女優のヘートヴィヒ・ブライプトロイ。幼少時代から舞台に立ち、ウィーン音楽・表現芸術大学のマックス・ラインハルト・ゼミナールで演技を学ぶ。1971年にTVデビューし、TVと舞台で活躍する。現在まで100本ほどの映画・テレビに出演している。1971年、俳優ハンス・ブレナーとの間に息子モーリッツが生まれたが、モーリッツは俳優となった。『4分間のピアニスト』に出演、バイエルン映画賞最優秀女優賞およびドイツ映画賞最優秀主演女優賞を受賞している」。


ピアノの天才というキャラクターでもあるジェニー。劇中で素晴らしい演奏を見せてくれますが、ハンナー自身はピアノに触ったこともなかったと言いますから驚きです。

ハンナー・ヘルツシュプルング Hannah Herzsprung;「1981年、ドイツ生まれ。父親は、テレビ俳優のベルント・ヘルツシュプルング。ドイツのプライベート・ネットワークProSiebenが製作したテレビシリーズ「18―Alone among girls」やテレビ映画「Emilia―The Second Chance」などに出演していたが、一般的にはほとんど無名の女優だった。ドイツ全土から1200名が集ったオーディションで、本作のジェニー役を射止め、華々しい映画デビューを飾る。この演技で、ドイツアカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、バヴァリアン映画祭新人女優賞を受賞、今後最も期待される若手女優となった」。

<ドイツの新星、ハンナー・ヘルツシュプルングが語る『4分間のピアニスト』>
http://www.cinemacafe.net/news/cgi/interview/2007/11/2830/

<テレビ東京 CINEMA STREET>
http://www.tv-tokyo.co.jp/telecine/cinema/4minutes/cast.html


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