~なぜリスクをとるリーダーが出ないのか―危機の時代こそ歴史と向き合え!21世紀の「考えるヒント」40本。~
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ヴェスパシアヌスの長男として皇位に就いたティトゥスは誠実を身上とし、ヴェスヴィオ山の噴火(79年)によるポンペイの全滅、そして首都ローマの火災(80年)という惨事にも対策を怠らなかった。しかし、不運にも病に倒れ、その治世は短命に終わる。続いて皇帝となった弟ドミティアヌスは、死後「記録抹殺刑」に処せられる。帝国の統治システムを強化し、安全保障にも尽力したにもかかわらず、なぜ市民や元老院からの憎悪の対象になったのか。結果的に96年に暗殺されたドミティアヌスに替わって、新皇帝に擁立されたのは70歳のネルヴァであった。1年4ヶ月という短命に終わる統治であったが、彼から五賢帝の時代が始まる。
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三人の皇帝が相次いで倒れ、帝政ローマの統治機構に制度疲労が生じ始めていた頃、それを裏付けるように、辺境で異民族の反乱が勃発した。西方のゲルマン系ガリア人が独立を宣言したのだ。一方、東方ではユダヤ人が反抗を続け、帝国は一層窮地に立たされる。この苦境の中に帝位へ登ったヴェスパシアヌスは、出自にも傑出した才能にも恵まれていなかった。しかし時代が求めた別の資質、「健全な常識人」を武器に、彼は帝国再建に力を注ぐ。 . . . 本文を読む
<目次>
第1章 皇帝ガルバ(在位、紀元68年6月18日‐69年1月15日)
(ネロの死が、ローマ人に突きつけた問題、人心掌握の策、協力者人事、ヴィテリウス、皇帝に名乗りをあげる、ガルバ殺害)
第2章 皇帝オトー(在位、紀元69年1月15日‐4月15日)
(人間オトー、「ライン軍団」対「ドナウ軍団」、武力衝突に向けて、大河ポー、「第一次ベドリアクム戦」、オトー自死)
第3章 皇帝ヴィテリウス( . . . 本文を読む
第四部 皇帝ネロ
(在位、紀元54年10月13日~68年6月9日)
「紀元54年、皇帝クラウディウスは妻アグリッピーナの野望の犠牲となり死亡。養子ネロがわずか16歳で皇帝となる。後に『国家の敵』と断罪される、ローマ帝国史上最も悪名高き皇帝の誕生だった。若く利発なネロを、当初は庶民のみならず元老院さえも歓迎するが、失政を重ねたネロは自滅への道を歩む。そしてアウグストゥスが創始した『ユリウス・クラウ . . . 本文を読む
第三部 皇帝クラウディウス
(在位、紀元41年1月24日~54年10月13日)
「他の職業人に比べて政治家が非難されやすい理由の一つは、政治とは誰にでもやれることだという思いこみではないだろうか。例えば、ピアノのコンクールでは、審査員は有名なピアニストが担当する。いかに音楽を愛していても、単なる愛好家には、票を投ずることは許されていない。それなのに政治となると、選挙では誰もが一票を投ずる資格をも . . . 本文を読む
第一部 皇帝ティベリウス(承前)
第二部 皇帝カリグラ-本名 ガイウス・カエサル
(在位、紀元37年3月18日~41年1月24日)
前書に続く、ティべリウスの後半生が紐解かれる。カプリ島への隠遁後の10年に及ぶ遠隔統治が根源にあり、その緊縮財政、冷徹な人格などから庶民には不人気だった彼について著者を含む三人の高い評価がある。まずは、同時代属州エジプトの首都アレキサンドリアの住人で「ユダヤのプラト . . . 本文を読む
第一部 皇帝ティベリウス
(在位、紀元14年9月17日~37年3月16日)
この本を買いに出かけたとき、少しショックを受けた。昨年から読み始めた本シリーズもいよいよ終盤かという達成感を抱きながら本書シリーズのあるコーナーへ行くと、また新刊が出ていたからだ。調べると、「1992年以降、年に1冊ずつ新潮社から刊行された書き下ろし作品で、2006年12月刊行の15作目で完結した」とある。
単行本で . . . 本文を読む
第三部 統治後期(紀元前5年~紀元後14年)
アウグストゥス、五十八歳~七十七歳
その晩年は、帝政の確立への前進とは裏腹にその後継者候補の引き続く死、家族の不祥事(主に娘ユリア)と思い悩む日々を送ったアウグストゥス。著書はその政治手腕を支持する。「カエサルが考え、その後を継いだアウグストゥスが巧妙に、嘘さえもつきながら確率に努めた帝政とは、効率良く機能する世界国家の実現であった、私ならば考える。 . . . 本文を読む
第二部 統治中期(紀元前18年~前6年)
アウグストゥス、四十五歳~五十七歳
この時代からローマは少子社会に入った。そこでアウグストゥスが取った政策は、税制を含めて現代にも通用する、的を射たもので驚く。
本編の登場人物は右腕のアグリッパに加え、左腕マエケナスと彼が庇護した詩人ヴェルギリウスとホラティウス、アウグストゥスの妻リヴィアの連れ子で兄ティベリウス、弟ドゥルース。しかし、紀元前12年から . . . 本文を読む