読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

パルムドール受賞監督、2003年の「イン・ザ・カット」と「ドッグヴィル」

2007-04-30 11:10:32 | 映画監督
1999年の「アイズ・ワイド・シャット」からハリウッドを席巻した女優がニコール・キッドマンでした。その彼女がハリウッドではない映画作りに関与したのがこの二つの映画です。「イン・ザ・カット」ではプロデューサーとして、「ドッグヴィル」では主演として。この二つの映画の二人の監督はともに今日が誕生日です。 ジェーン・カンピオン(Jane Campion、1954年4月30日 - )は「ニュージーランド . . . 本文を読む

「シンドラーのリスト」(アメリカ/1993年)の名声と悩ましさ

2007-04-28 06:51:18 | 映画;洋画
監督:スティーヴン・スピルバーグ 原作:トーマス・キニーリー 脚本:スティーブン・ザイリアン 音楽:ジョン・ウィリアムズ ヴァイオリン・ソロ:イツァーク・パールマン 出演:リーアム・ニーソン、、ベン・キングスレー、レイフ・ファインズ 「シンドラーが自工場のユダヤ人を“結果的に虐殺から救った”物語は事実ではない。この当時シンドラーは強制収容所長アーモン・ゲートへの贈賄容疑で投獄されてお . . . 本文を読む

「真実の瞬間(とき)」と「ローマの休日」を結ぶ男、ダルトン・トランボ

2007-04-27 21:08:53 | Weblog
「50年代のハリウッドを直撃し、映画史を歪ませた赤狩りを背景に、一人の映画監督の姿を描く。監督・脚本に『ロッキー』などで知られるアーウィン・ウィンクラー。俳優ジョン・ベリーの実体験をもとにした脚本を執筆し、これが初メガホンである」。(goo映画) この作品は、1940年代後半から1950年代中ごろ、映画俳優、映画監督、脚本家のグループが、彼らの人生のある時期に共産党と関連があったとされて非米活 . . . 本文を読む

世界が認める黒澤映画の金字塔「七人の侍」とその時代

2007-04-26 21:46:08 | Weblog
インターネット・ムービー・データベース財団(IMDB)が展開するフリー百科事典『インターネット・ムービー・データベース』の「Top 250 movies as voted by our users」(IMDb)で堂々のベスト10に輝くこの映画、『七人の侍』は1954年4月26日に公開されました。 「シナリオやアクションシーン、時代考証などの点を含め、世界的に高く評価されており、多くの映画作品に影 . . . 本文を読む

現代最高の演技派俳優「アル・パチーノ」

2007-04-25 06:59:25 | Weblog
役者さんを捕まえて「演技派」という呼び方はどうかと思いますが、「演技派俳優は誰か」と問われれば、ロバート・デ・ニーロと並んでアル・パチーノと答えてしまいます。改めて彼の半生を辿ってみると、1992年のアカデミー賞受賞までデビューから苦節23年間を要したことに驚きます。 数ある好きな映画の中でベスト10に入れているのが「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」(1992年)です。このときの彼はとにかく大 . . . 本文を読む

アクション映画の旗手「リチャード・ドナー」監督の原点

2007-04-24 05:48:20 | 映画監督
「オーメンThe Omen」(1976)、「スーパーマンSuperman」(1978)、「レディホークLadyhawke」(1985)、「グーニーズ The Goonies」(1985)、「リーサル・ウェポン Lethal Weapon」(1987)、「3人のゴースト Scrooged」(1988)、「リーサル・ウェポン2 Lethal Weapon 2」(1989)、「リーサル・ウェポン3 Le . . . 本文を読む

黒澤明の系譜を継ぐ、映画のコンタクター「野村芳太郎」

2007-04-23 07:18:02 | 映画監督
「砂の器」(1974年)、「昭和枯れすすき」(1975年)、「八つ墓村」(1977年)、「事件」(1978年)、「鬼畜」(1978年)、「配達されない三通の手紙」(1979年)、「震える舌」(1980年)、「わるいやつら」(1980年)、「疑惑」(1982年)、「迷走地図」(1983年)。これら野村監督の映画はいずれも好きな作品です。 松本清張さん作品をほとんど手がけた野村監督が、黒澤明監督の助 . . . 本文を読む

悔しいけど泣けました。「LIMIT OF LOVE 海猿」(日本/2005年)

2007-04-22 10:35:21 | 映画;邦画
原作:佐藤秀峰 原案・取材:小森陽一「海猿」(小学館 ヤングサンデーコミックス) 脚本:福田靖 音楽:佐藤直紀 主題歌:伊藤由奈「Precious」(ソニー・ミュージックレコーズ) 監督:羽住英一郎 出演:伊藤英明、加藤あい、佐藤隆太、大塚寧々、吹越満、浅見れいな 映画館まで足を運ぶつもりはなく、レンタルまでして観ようと思わない作品で思わず泣いてしまうことは悔しくもあり、嬉しくもあることです。昨 . . . 本文を読む

実験的脚本家「君塚良一」

2007-04-21 07:17:00 | Weblog
君塚氏は基本的に「実験的な」脚本家であると業界でもそう思われているそうです。これは師匠である萩本欽一氏の教え。萩本氏には、「テレビはまだ草創期である」から、「つねに実験的であれ」、「つねに新しいモノを作れ」、「すでにあるものは作るな」と教えられたといいます。これはプロフェッショナリズムに通じる教えだと思います。 「踊る大捜査線」で見せた彼の脚本力は、まさにその実験性を随所に見せてくれ質の高いエン . . . 本文を読む

30年目の「イタリアの種馬」の衝撃

2007-04-20 06:22:51 | Weblog
「もういいんじゃないか」という風評を越え、今日日本で「ロッキー・ザ・ファイアナル」が公開されますね。スタローンは「同世代(日本でいうところの団塊の世代)へ向けて制作したが、多くの若い人たちが観に来ていることに驚いている」と語っています。 30年前の「ロッキー」は、迫真のボクシング・シーンと寂れたダウンタウンからきらびやかなひのき舞台に移っていく映像の妙、そして冷凍庫で牛肉をサンドバックにするシー . . . 本文を読む