読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

枯れた恋愛に火をくべるには、「コイン・トス」(幸田真音著/講談社)

2007-12-31 02:31:34 | 作家;幸田真音
~かつて外資系証券会社の腕利きディーラーだった孝男は、元同僚だった冴子と十年ぶりに偶然再会した。遠い日のニューヨークでかわされた、いまだ実現していない約束。コインの裏表に託したふたりだけの運命が再び動き出した時、9・11WTCへのテロが…。著者が新境地に挑んだ、せつない大人の恋の物語。~ . . . 本文を読む

四人の女性の切ない恋の行方と、「ドイツイエロー、もしくはある広場の記憶」(大崎善生著/新潮社)

2007-12-30 11:14:36 | 本;小説一般
「まるで予定調和のような始まりだった。郷里を離れ、東京の大学で再会した。彼は熱帯魚の飼育に取り憑かれ、私はそんな彼が好きだった。二人は深く交わり、決定的な行為に及びながらも、決定的な関係に陥ることは回避していた。そして、いつしか見失っていた、彼と私自身を……」。(ドイツイエロー)揺れる過去といまを描く、彼女達の恋愛小説四篇。 . . . 本文を読む

世には観ておかねばならない映画がある。黒澤明が擁護する監督の遺作、「サクリファイス」

2007-12-28 05:29:00 | 映画;洋画
~言葉を話せなかった少年が話せるようになるまでの1日を、その少年の父の行動を通して描く。製作はカティンカ・ファラゴー、エグゼキュティヴ・プロデューサーは、アンナ・レーナ・ウィボム、監督・脚本は「ノスタルジア」のアンドレイ・タルコフスキーで、これが彼の遺作(86年死去)となった。当作品は1986年のカンヌ国際映画祭において絶賛され、審査員特別グランプリを初めとする4賞を独占して受賞した~ . . . 本文を読む

対北朝鮮インテリジェンス戦略の真実に迫る、「ウルトラ・ダラー」(手嶋龍一著/新潮社)

2007-12-26 09:38:06 | 本;小説一般
~1968年、東京、若き彫刻職人が失踪した。それが全ての始まりだった。2002年、ダブリン、新種の偽百ドル札が発見される。巧緻を極めた紙幣は「ウルトラ・ダラー」と呼ばれることになった。英国情報部員スティーブン・ブラッドレーは、大いなる謎を追い、世界を駆けめぐる。ハイテク企業の罠、熾烈な諜報戦、そして日本外交の暗闇……。わが国に初めて誕生した、インテリジェンス小説。~ . . . 本文を読む

チャップリン最後の作品にして唯一のカラー作品、「伯爵夫人」(イギリス/1967年)

2007-12-25 04:53:59 | 映画;洋画
チャップリンが自分の監督作品で主演をしなかったのはこの「伯爵夫人」と、1923年公開の「巴里の女性」(A Woman of Paris)のみである。チャップリンは、ほんの端役でカメオ出演しているが、これは彼がスクリーンに見せた最後の姿となった。 . . . 本文を読む

エスピオナージ作品の新たな旗手による良質のサスペンス、「沈底魚」(曽根圭介著/講談社)

2007-12-24 08:58:02 | 本;小説一般
大物の沈底魚(スパイ)が、日本に潜っている。亡命中国外交官による衝撃情報。流出した国家機密。「眠れるスパイ」は実在するのか。公安刑事たちの極秘捜査が始まった!乱歩賞史上、もっともスリリングな公安ミステリー、堂々登場!第53回江戸川乱歩賞受賞作。 . . . 本文を読む

時には薀蓄をタレながら飲んでもいい、「マティーニを探偵する」(朽木ゆり子著/集英社新書)

2007-12-23 09:20:11 | 本;エッセイ・評論
芳醇な香りを放ちながら、グラスに漲る生命のカクテル、マティーニ。憩いの時刻のとば口に置かれた、この奇跡の一杯のレシピはしかし、どこで、誰の手で、どうやって生まれたのか。少なからぬ研究者・愛好家たちの興味を引いてきたその謎の探求は、アメリカ社会・文化史のユニークな一分野ですらある!彼ら“マティーニ探偵”の足跡を追いながら、NY在住の著者が、資料と史料の森に訪ね歩いた、アメリカの相貌。 . . . 本文を読む

今年はイケてない男たち、これを観て一緒に泣こう、「リービング・ラスベガス」(アメリカ/1995年)

2007-12-22 20:02:46 | 映画;洋画
「大都会ラスベガスで出会ったアルコール依存性の男と娼婦の束の間の恋を描いた、異色のラブ・ストーリー。自らもアルコール依存症で、映画化決定後に自殺した作家ジョン・オブライエンの同名の自伝的小説(邦訳・角川文庫)を、映画化」。 ニコラス・ケイジが95年度(第68回)アカデミー賞最優秀主演男優賞、ゴールデン・グローブ賞最優秀主演男優賞ほか数々の賞を受賞した作品。また、「セブン」の個性派俳優R・リー・アーメイ、監督のボブ・ラフェルソン、歌手のジュリアン・レノンら多彩なメンバーがカメオ出演していました。 . . . 本文を読む