久々の投稿。なかなか本をう読む時間が取れない。そんな中、三年前に亡くなった父の遺品である推理小説群を時間が空いたときに少しずつ読んでいる。
「アムステルダム運河殺人事件」
1970年の作品。1965年8月に起こった日本人商社員バラバラ殺人事件を下敷きに、著者がアレンジを加え組み立てた謎解きミステリー。
本件は、迷宮入りした事件を、エドガー・アラン・ポーの「マリイ・ロージェ事件」にヒントを得たノンフィクション+フィクション仕立てという意欲作。
「セント・アンドリュースの事件」
上記作品と同じ時期に書かれた作品。こちらは全くのフィクションだが、ゴルフ発祥の地で起きた殺人事件を、警察官ではない関係者によって謎解きを行うという手法は同じ。
この当時の作品を読むことは、いろんな意味で面白い。社会状況、言葉遣い、時代特有の価値観に懐かしさと違和感が混在する。一方で、男女間の普遍的な人間模様に溜飲を下げることも。
1970年、日本の高度成長期。1954~73年まで続くその日本社会。企業戦士たちの海外勤務が常態化した当時の様子を垣間見る思い。
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