読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

ジェームズ・キャメロンが築いた映像技術~世界を魅了する「アバター」の魅力~

2010-01-27 19:56:31 | 映画監督
「アバター」とは、インターネット用語で「仮想現実における自分の化身」として知られますが、本来は、インド神話で「(神の)化身, 権化(ごんげ)」の意ですね。英語でAvatarですから、「アヴァター」と表記したほうがよさそうです。 . . . 本文を読む

ガメラを創った男・湯浅憲明とお色気映画

2008-06-14 10:48:43 | 映画監督
ガメラ、大映(現:角川映画)から1965年に第一作「大怪獣ガメラ」が制作されて以来、1971年の第七作「ガメラ対深海怪獣ジグラ」まで毎年新作が公開され、十年ぶりになる1980年、第八作『宇宙怪獣ガメラ』が公開されました。以降、平成になっての三部作を含め四作が公開されています。東宝のゴジラシリーズ国内版の28作に比べれば、半数にも満たない数ですが、私の印象に残っているのは1967年の第三作「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」でした。思えば、小生9歳の頃だったんですね。 . . . 本文を読む

没落の美学、ルキノ・ヴィスコンティのドイツ三部作

2008-03-17 05:12:50 | 映画監督
ルキノ・ヴィスコンティ、彼の作品に平家物語の「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらはす」という冒頭の一節を思い浮かべるのは私だけではないと思います。特に60年~70年代の作品は貴族の没落と憂愁が描き出されています。後にドイツ三部作と言われる「山猫」「ベニスに死す」「「ルートヴィヒ」がその代表でしょう。 . . . 本文を読む

米国サスペンス映画の金字塔「ユージュアル・サスペクツ」を撮った男

2007-09-17 06:28:34 | 映画監督
私が好きなサスペンス映画の筆頭が「ユージュアル・サスペクツ」です。12年前に制作されたこの映画以降、本作を凌ぐサスペンス映画を知りません。監督のブライアン・シンガーがこの映画を手がけたのが30歳。その後の寡作振りと、手がけた作品に残念な思いをしています。「X-MEN」や「スーパーマン」が悪いというわけではありませんが、「君ならもっといい映画が撮れるだろ」と思うわけです。ですので後述にある「ワルキュ . . . 本文を読む

恋多きスェーデンの巨匠、イングマール・ベルイマン監督

2007-07-14 10:13:35 | 映画監督
今日で89歳になる巨匠イングマール・ベルイマン。私はその名こそどこかで聞いたことがあるというだけで、その作品を全く観たことがありません。今回彼の経歴を見て、1945年「危機」から1986年「Karin's Face」までおよそ50作近くの作品をほぼ毎年のように撮っていることに驚くばかりです。その存在は、ウィキペディアでは次のように記述されています。 「黒澤明やフェデリコ・フェリーニ、アンドレイ・ . . . 本文を読む

イタリア屈指の名監督「ジョゼッペ・トルナトーレ」

2007-05-27 08:02:36 | 映画監督
「ニュー・シネマ・パラダイス」(1989)、「海の上のピアニスト」(1999)、「マレーナ」(2000)、この三作は私の観た映画の中でも屈指に入ります。しかしながらこの作品がすべて同じ監督の作品であったことを知ったのは恥ずかしながら、今日です。私は「いい映画は監督と四人のキャストで決まる」という持論がありますが、そういうこの持論の説得力はすでにありません。 ジュゼッペ・トルナトーレ。今さらながら . . . 本文を読む

「unexpected twist」の妙手、デヴィッド・フィンチャー監督

2007-05-10 19:52:56 | 映画監督
フィンチャー監督の「ゲーム」(1997年)、「ファイト・クラブ」(1999年)、「パニック・ルーム」(2002年)はいずれも好きな作品です。特に前作2作のどんでん返しは心地よい裏切りでしたね。そしてまだ観てはいませんが「ゾディアック」(2007年) には期待しています。内容を覗き見すると、次のような内容です。 「カリフォルニア州サンフランシスコで、1960年代後半に実際に起きた連続殺人事件を題材 . . . 本文を読む

パルムドール受賞監督、2003年の「イン・ザ・カット」と「ドッグヴィル」

2007-04-30 11:10:32 | 映画監督
1999年の「アイズ・ワイド・シャット」からハリウッドを席巻した女優がニコール・キッドマンでした。その彼女がハリウッドではない映画作りに関与したのがこの二つの映画です。「イン・ザ・カット」ではプロデューサーとして、「ドッグヴィル」では主演として。この二つの映画の二人の監督はともに今日が誕生日です。 ジェーン・カンピオン(Jane Campion、1954年4月30日 - )は「ニュージーランド . . . 本文を読む

アクション映画の旗手「リチャード・ドナー」監督の原点

2007-04-24 05:48:20 | 映画監督
「オーメンThe Omen」(1976)、「スーパーマンSuperman」(1978)、「レディホークLadyhawke」(1985)、「グーニーズ The Goonies」(1985)、「リーサル・ウェポン Lethal Weapon」(1987)、「3人のゴースト Scrooged」(1988)、「リーサル・ウェポン2 Lethal Weapon 2」(1989)、「リーサル・ウェポン3 Le . . . 本文を読む

黒澤明の系譜を継ぐ、映画のコンタクター「野村芳太郎」

2007-04-23 07:18:02 | 映画監督
「砂の器」(1974年)、「昭和枯れすすき」(1975年)、「八つ墓村」(1977年)、「事件」(1978年)、「鬼畜」(1978年)、「配達されない三通の手紙」(1979年)、「震える舌」(1980年)、「わるいやつら」(1980年)、「疑惑」(1982年)、「迷走地図」(1983年)。これら野村監督の映画はいずれも好きな作品です。 松本清張さん作品をほとんど手がけた野村監督が、黒澤明監督の助 . . . 本文を読む