small daily happiness

旅人の私が探す日常の小さな発見

FREE TIBET

2008年07月30日 | 読んだ本のこと
ダライ・ラマ14世が偉大な人物だとは知っていた。
インドに亡命しながら、非暴力でチベット人民たちの自由を願う。
そしてノーベル平和賞を受賞した。

彼の自伝を初めて読んだ。
ダライ・ラマ自伝』文春文庫
ダライ・ラマ13世没後、3歳の頃に生まれ変わりだと認定される。
チベットの首都ラサにて、仏教について勉強する日々を送り、平和な時を過ごす。
それが中華人民共和国の成立により、運命が大きく変わっていく。
中国を前に、チベットはあまりに無防備だった。
彼らは争いを好まない民族だったため無防備すぎた。
そして、ダライ・ラマ14世はインドへ亡命する。
亡命した彼らを受け入れたインドの懐の深さに感嘆するとともに、今も続く中国によるチベット人民に対する惨い扱いを感じずにはいられない。彼らは何度も、チベット人民たちを裏切り続ける。
いくら中国に押さえつけられようと、チベット人たちの心にはダライ・ラマが存在する。彼らの心には仏教が存在する。ダライ・ラマは中国を恨んではいない。暴力では一時的にしか人を動かせないと断言している。彼は思慮深く、冷静で、客観的にチベット問題を捉えている。

現在、チベットにはチベット民族より漢民族が多く暮す。
昨年、北京からラサまで青蔵鉄道が開通した。
益々ラサは観光地となり、チベット僧や寺院は観光の一環となっている。
だが観光で潤っているのは、漢民族ばかりだ。
これは今に始まったことではない。
だからこそ、何度もデモが起こり、暴動が起こるのだろう。

争いから本当の平和は生まれない。
ダライ・ラマ14世及びチベット政府の地道な努力は、長い年月を掛け、世界中に広がり続けている。
きっと世界を、中国を、状況を変えられるはずだ。