脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

奈良サッカーグラウンド探訪記<8> -鴻ノ池陸上競技場-

2009年08月17日 | 脚で語る奈良のサッカー
 このシリーズ、いよいよ県下最大の真打ち登場。先日まで行われていた近畿まほろば総体の開会式及び陸上競技のメイン会場であった奈良市鴻ノ池運動公園陸上競技場である。

 

 近鉄奈良駅からやすらぎの道を北へ約2kmほど進むと緑に囲まれた鴻ノ池運動公園がある。陸上連盟1種認定の陸上競技場、補助競技場、野球場、中央体育館を2つと武道場も2つ、そして弓道場に相撲場も併せ持つ県下最大規模の運動施設だ。橿原公苑と並んで奈良県スポーツの象徴的施設でもある。
 陸上競技場は野球場と並んで、運動公園内のメイン施設。84年のわかくさ国体のメイン会場として整備され現在に至る。総面積34,863㎡。5,600席を備えるメインスタンドを擁し、芝生席のバックスタンド及びサイドスタンドを含めると最大収容人員は約30,000人(奈良市役所による)。今年の近畿まほろば総体に備えて、陸上トラックとメインスタンドの改修が12億円を投じられて行われ、一新された陸上トラックがブルーとなったことは記憶に新しい。

 

 サッカー競技に特化して話をすれば、かつてはJリーグ開幕時にプレシーズンマッチやサテライトリーグの会場としても使われており、高校選手権奈良県大会の決勝戦でもお馴染みの場所だった競技場。しかし、2002年の日韓W杯時に橿原公苑陸上競技場がチュニジア代表のキャンプ地のメインとなった頃から、県内サッカーの主要試合は改修の施された橿原公苑陸上競技場に移っていくことになる。最近ではこの鴻ノ池で滅多にサッカー競技が行われることはなくなった。かつてガンバ大阪が年に1度サテライトリーグを行っていたのが遙か昔のことのように思われる。

 
 
 今回の改修でメインスタンドは古い長椅子から独立椅子へ。
 床も張り替えられて非常に綺麗になっている。

 現在は(財)奈良市スポーツ振興事業団が管理し、奈良市のスポーツイベントに対して優先的に使われている。陸上競技がその主要用途。サッカー競技の催行おいては難点を幾つも抱えており、積極的にサッカー競技が行われることはない。
 まず、未整備の芝生グラウンド面。これは国際規格の105m×68mというサイズに届かず、最大100mしか縦が採れない。いくら競技場のキャパシティがあっても致命的な欠陥であり、この基準を満たせる橿原公苑陸上競技場が先日の近畿まほろば総体のサッカー決勝戦に使われたのは頷ける。現在では県内主要試合の大半が橿原開催。これではJリーグレベルの興行試合の催行は程遠い。
 加えて、橿原公苑陸上競技場には備えられている1,500ルクスというJリーグ基準の照明設備がここにはない。従って基本的には昼間の使用がほとんどで、陸上競技の片付けなどに必要な最低限の照明しか付いていないのだ。先日の近畿まほろば総体時には移動照明車が来て競技場を照らしていた。

 
 競技場に備えられているのはこの程度の照明基が数基のみ。
 これでは夜間のスポーツ催行は不可能に近い。

 
 
 メインスタンド下には会議室やロッカールームを備える。
 男子と女子のロッカールームが1つずつと設備的には厳しい。

 
 芝は基本的に夏芝のみ。
 従って冬期は枯れてしまっている。

 サッカー競技で使われることのなくなった鴻ノ池陸上競技場。興行試合は基本的に不可能、使用申請の難しさなど数々の壁がそこには立ちはだかる。今年度は橿原公苑陸上競技場の改修によって、久々に高校選手権の奈良県大会決勝がここで行われるようだが、この競技場でコンスタントにサッカーが観られるのはいつの日になるだろうか。
 

湖国夏の陣 -SAGAWA VS MIOびわこ草津-

2009年08月16日 | 脚で語るJFL
 後期第7節を迎えたJFLは、同じ滋賀県に本拠地を置く首位・SAGAWA SHIGA FCと6位・MIOびわこ草津が佐川守山で激突。両者譲らぬ激しいダービーは、結局0-0で試合を終え、両チーム勝点1を分ける形となった。

 
 直近の12試合でわずか1敗しかしていないSAGAWA SHIGA FC。
 前節Hondaを下し、2年ぶりの優勝に向け視界良好だ。

 
 序盤戦こそつまずいたが、建て直してきたMIOびわこ草津。
 現在6位につけるなかなかの戦いぶり。ダービーを制したい。

 
 序盤から試合のペースを握ったのはびわこ。
 MF安里がSAGAWAの包囲網をかいくぐりチャンスを作る。

 
 SAGAWAの中盤のダイナモ大沢。
 主戦場であるサイドから中央へとドリブルでチャンスメイク。

 
 びわこの攻撃の起点は主将も務めるFW田中大。
 少し引いた位置から自在に長短のパスを繰り出す。

 
 SAGAWAも負けじとMF山根が攻撃を組み立てる。
 しかし、びわこの高いライン設定の前に大苦戦。

 
 24分、びわこはCKからDF浦島が強烈なヘディングシュート。
 惜しくも決まらず。

 
 現在得点ランキング2位タイのびわこ・FW木下。
 彼のポストプレーにSAGAWA守備陣も手を焼いた。

 
 まさに超攻撃的CB。
 43分にもまたしてもびわこは浦島が強烈なシュート。
 びわこは決定機を迎えるが、あと一歩でゴールが遠い。

 
 押し気味のびわこに対してSAGAWAは44分にDF榎本が退場。
 苦しい展開を強いられることになった。

 
 後半戦も互いに譲らぬ好ゲーム。
 びわこは内林、アランと攻撃的なカードを切って1点を狙う。

 
 80分、SAGAWAにビッグチャンス。
 MF岡村がびわこゴールに迫るがGK田中剛がファインセーブ。

 
 結局試合は0-0のスコアレスドローに終わる。
 1人少ない状況でも負けないSAGAWA、勝点を50に増やした。

 同じ滋賀県勢同士の戦いともあって、多くの観客が詰めかけスタンドの雰囲気も上々だったこの試合。前期ではSAGAWAがびわこに苦杯を喫しており、SAGAWAは首位チームとしてのプライドを見せたかったところだ。この日は若手の宇佐美が存在感を発揮。勝てなかったものの、優勝への障害は特になさそうな様子だ。
 びわこも高いDFラインとパスワークを武器に、首位のSAGAWA相手に試合を優勢に進めるなど、チームの好調さを裏づけたのではないだろうか。今節は来週まで未消化試合を残しているため、まだ暫定ではあるが、びわこがこの引き分けで5位に浮上。今季の戦いを上位でフィニッシュすることも現実味を帯びてきた。

 試合前とハーフタイムにはショーやライブが催され、テレビの取材が来ているなど、運営面でも質の高い試合だった湖国ダービー。しっかりと県内でその存在が認識されている様子がスタジアムから伝わってきた。

これぞ播戸竜二の仕事 -21節VS浦和-

2009年08月15日 | 脚で語るガンバ大阪
 日韓オールスター戦を挟み、再開されたJ1の戦い。G大阪はホーム万博に浦和を迎え、播戸の劇的なロスタイム弾で1-0と勝利。苦しい戦いを制して上位進出をうかがうために重要な1勝を挙げた。

 
 ナショナルダービーと称されて久しいこのカード。
 試合は一進一退のスリリングな攻防戦に。

 
 
 関東からも多くの浦和サポーターが集結。
 満員の万博はこれ以上ない熱気に包まれた。

 
 G大阪は中澤が浦和のFWエジミウソンを警戒。
 体を張った守備で仕事をさせず。

 
 前半に決定的なシュートを放つなど燃えていた遠藤。
 もちろん攻撃の起点として奔走。

 
 浦和も高原が再三ドリブルでG大阪守備陣をこじ開けようとする。
 かつての不調を払拭した様子。

 
 浦和がボールを繋ぐ時間帯が多い試合展開。
 0-0での緊迫した試合運びは両者落ち着きがあった。

 
 レアンドロの突破を途中出場の闘莉王が阻む。
 数少ないチャンスをなかなかものにできないG大阪。

 
 スコアレスドローでの終了が濃厚かと思われたロスタイム。
 87分に途中出場の播戸がチャンスに飛び込む。

 
 一度は阿部にクリアされるもこぼれ球に食らいつく播戸。
 そして自ら持ち込みシュートを狙う。

 
 渾身のシュートはGK都築の股下を抜けてゴールへ。
 大接戦に終止符を打つ劇的な1発で万博のボルテージは沸点に。

 
 苦しい試合を劇的勝利で乗り越えたG大阪。
 体を張った守備陣と播戸の“仕事”が光った試合だった。

 強敵・浦和に再三攻め込まれながら執念の勝利。リーグ制覇は依然苦しい状況だが、この1勝は上位進出のためにも大きな1勝となったはずだ。

天皇杯の切符を狙え -奈良県予選 VS一条-

2009年08月09日 | 脚で語る奈良クラブ
 高校総体が終わりを告げ、いよいよ奈良県内の天皇杯県代表を決める戦いがスタート。奈良育英、一条という高校勢とディアブロッサ高田、奈良クラブという社会人勢が激突。第1試合では高田が3-0で奈良育英を下し、準決勝進出を決め、第2試合では奈良クラブが一条を3-1で下して次へと歩みを進めた。

 
関西リーグ昇格を決めてから約3週間。 
奈良クラブの天皇杯本大会出場を目指す戦いがスタート。

 
相手は先日の高校総体でもベスト8に食い入った一条。
保護者の方々が多く駆けつけ試合を見守る。

 
序盤から積極的にゴールを狙ったMF畑中。
次戦より戦う大学勢には名の知れた選手。マークはきつくなる。

 
滅多にない高校カテゴリーとのガチンコ勝負。
双方が手探りの試合展開。
昨年まで高校生だった吉田が奈良クラブの先制点を生み出す。

 
1-0で前半を折り返すも、51分にPKを献上。
一条が同点に追いつく。

 
しかし奈良クラブは、その2分後に金城がヘッドで勝ち越し弾。
畑中と入れ替わりながらサイド攻撃を掌った。

 
都南クラブ時代からも天皇杯出場の経験は皆無。
前身からチームに残る上西をはじめ、GK松石も好守で勝利に貢献。

 
70分には途中出場の松野正が3点目を加点。
チーム得点王は相変わらず凄まじい得点率を見せる。

 
DF石原が一条の選手と競り合う。
一条は体を張った好守備で奈良クラブを度々追い込んだ。

 
DF中村が一条ゴールに迫る。
相手GKの好守の前にゴールはこれ以上稼げず。

 まずは高校生を相手に、面目を保つ勝利で準決勝に駒を進めた奈良クラブ。リーグ戦の終盤に比べると、どことなく運動量が落ちているような印象を感じたが、再来週にはいよいよ強敵の大学勢が立ちはだかる。
 準決勝では、奈良でもお馴染みの強豪・天理大が相手だ。関西学生リーグ2部Aブロックでは前期リーグを2位(5勝3分1敗)で終えており、大学生相手の練習試合で思うように結果を残せていない奈良クラブには難しい相手となるだろう。おそらくここを勝ち抜いても決勝戦の相手はこの大会の本命とも言える奈良産業大。悲願の天皇杯本大会の切符獲得は簡単なミッションではない。

群馬の虎、夏を制す -前橋育英VS米子北-

2009年08月08日 | 脚で語る高校サッカー
 2009近畿まほろば総体、全国高校総体のサッカー競技は決勝戦を迎え、県立橿原公苑陸上競技場にて前橋育英(群馬)と米子北(鳥取)が対戦。試合は終始優勢に進めた前橋育英が2-0で米子北を下し、インターハイにおいて初優勝を果たした。

 夏の高校野球が始まったこの日、古都で繰り広げられてきた高校サッカー夏の陣はクライマックスを迎えていた。厳しい暑さの中で上がってきた2校はどちらも決勝初進出。準決勝では共に1点差での勝利を収める接戦ぶり。会場の橿原公苑陸上競技場はこの決勝戦を見届けるべくほぼ満員の観衆で埋まり熱気を帯びた。

 
 ここまで勝ち上がったからには負けるわけにはいかない。
 素晴らしい雰囲気の中、決勝戦がキックオフ。

 
 橿原公苑陸上競技場のメインスタンドは観衆でぎっしり。
 地元の奈良の人間でも滅多に見られない光景だ。

 
 米子北のボランチ大江(3年)がリズムを生み出そうとする。

 
 しかし、序盤から試合のペースを握ったのは前橋育英。
 FW皆川(3年)が突破を試みる。

 
 
 4分、その皆川の折り返しを受けたMF三浦(3年)が先制点を決める。
 好調な滑り出し。歓喜に沸く前橋育英イレブン。

 
 
 前橋育英・DF細萱(3年)が果敢に攻め上がる。
 負傷の影響か25分でベンチに下がるも印象を残すプレー。

 
 正確なフィードで米子北守備陣を苦しめたDF木村(3年)。

 
 17時にキックオフされたこの試合。
 後半に入ると、照明に明かりが灯る。
 これもまた滅多にお目にかかれない光景だ。

 
 
 
 46分にはCKから前橋育英が追加点を挙げる。
 皆川がファーで折り返し、そのボールを西澤(3年)がゴール。
 西澤は大会得点ランクトップタイの6得点目。

 
 一矢報いたい米子北もFW山本大(3年)を軸に反撃を狙うが・・・

 
 背中に受けるバックスタンドの大声援。
 劣勢の中で米子北・山本健(2年)は存在感を感じさせるプレー。

 
 両校死力を尽くした70分がタイムアップ。
 速いパスワークで完勝の前橋育英が初優勝を果たす。

 
 試合後、双方の健闘を称え合う。
 奈良の地で全国大会のこんな風景を見られるのは感慨深い。

 あっという間に全日程を終えたサッカー競技だったが、波乱含みの展開だった。決勝では前橋育英が力の差を改めて誇示する結果となったが、個人的には地元の一条が準々決勝まで名を連ねたことが嬉しい限り。実際に試合を観戦した1回戦でも奈良育英が勝利するなど、滅多に恵まれない奈良の地での全国大会で地元勢が少なからずも意地を見せてくれたのではないだろうか。
 しかし、この猛暑の最中、連日厳しい日程を戦った出場校の選手たちにはリフレッシュがてら、是非とも奈良で貴重な思い出を作って帰ってもらいたい。本当にお疲れ様でした。

一条、準々決勝に挑む

2009年08月06日 | 脚で語る高校サッカー
 近畿まほろば総体のサッカー競技は、準々決勝に進む8チームが出揃っている。5日にインターバルを挟んで6日より競技は再開。8日の決勝戦まで戦いは続く。地元・奈良県からは一条がベスト8に名を連ねた。

 好調な結果を見せていた奈良の2校は3回戦で明暗が分かれた。奈良育英は玉野光南(岡山)と対戦。ここまでの戦いの疲れが出たのか1-6と敗戦。対して一条は同じ近畿勢の金光大阪を3-0と振り切っての準々決勝進出を果たしている。遂に次戦で迎えるのは強豪・佐賀東。正念場を迎える。

 準々決勝は10時と正午のキックオフで4試合が行われる。少しでも暑さを克服して好勝負が繰り広げられるのを期待したい。

奈良県勢3回戦へ

2009年08月04日 | 脚で語る高校サッカー
 2009近畿まほろば総体サッカー競技は2回戦が終了。この2回戦から登場の一条、そして1回戦で東海学園を下した奈良育英共に4得点のゴールラッシュで快勝した。

 <2回戦>
 一条 4-2 徳島商業 (橿原公苑)
 奈良育英 4-1 草津東 (橿原多目的)

 1回戦でなかなかの戦いぶりを見せた草津東には苦戦必至と思いきや、4ゴールを奪うことができた奈良育英。3回戦は玉野光南(岡山)が相手。一条は2回戦で6得点の暴れっぷりを見せた金光大阪(大阪)と対戦する。

 酷暑著しい気候の中、インターハイは相手に勝る“根性”が勝負を分けるのだろう。コンディションにだけは十分気を付けて、両校共に1勝でも多く勝ち進んでほしい。

レイクサイドの悲喜 -SAGAWA VS 鳥取-

2009年08月03日 | 脚で語るJFL
 JFLはいよいよ中盤戦もヒートアップ。後期第5節が行われ、佐川守山では首位のSAGAWA SHIGA FCが4位・ガイナーレ鳥取と対戦。壮絶な試合は2-1でSAGAWAが勝利し、揺るぎない首位の強さを見せつけた。

 

 凄い試合だった。フィールドでは両者ともに前半からハイトランジションでスピーディな試合展開、スタンドでははるばる山陰から駆けつけたたくさんの鳥取サポーターが90分間止めることなく大きな声を出し続ける。その光景にピリオドを打ったのは筋書きの分かり得ないサッカーのドラマツルギーだった。
 前半こそ拮抗した試合は、徐々にリズムを掴みだしたSAGAWAが先制し、鳥取が追いつく。それをまたしてもSAGAWAが突き放す。劣勢だった鳥取にとっては、最後の最後で掴んだPKのチャンスを途中出場のハメドが決められず、ドロー目前で勝点がするりと逃げていってしまった。

 
 来季のJ2入りを狙う鳥取は現在4位。
 このまま目標の4位以内でフィニッシュするためにも大事な一戦。

 
 最後尾から大きな声でコーチングを出すのはGKシュナイダー。
 正確なフィードを見せるが、痛恨の2失点。

 
 現在6得点のFW小澤が必死に前線でボールを追いかける。
 鳥取は良い形でFWにボールが集まらず。

 
 前半チャンスを作った鳥取は15分に奥山がシュート。
 これはSAGAWAのGK森田がナイスセーブ。

 
 果敢なチェイシングを見せた鳥取のFW田村。
 決定的な仕事はできず、66分に途中交代。

 
 
 
 互いに決め手を欠いた試合は0-0で後半へ。
 57分、SAGAWAはMF大沢が持ち込んで執念の先制ゴール。

 
 対する鳥取も66分にFWハメドを投入。
 彼の突破から同点ゴールを生み出す。

 
 68分にハメドの突破からの折り返しを決めたのは釜田。
 ハメドとの同時投入で見事に結果を出した。

 
 しかし、その4分後にSAGAWAの中村がスーパーミドルを叩き込む。
 鮮やかな軌道を描いてゴールに吸い込まれた。

 
 1-1で迎えた後半ロスタイム。中村が自陣ゴール前で痛恨のファウル。
 敗色濃厚だった鳥取に願ってもないチャンスが。

 
 
 しかし、まさかまさか・・・
 このPKをハメドが外してしまい、同点にはできず・・・

 
 そのまま2-1でSAGAWAが逃げ切った。
 殊勲の森田に頭の上がらない中村。
 しかし、旗手(右)や山根、大沢らと共に魅力の攻撃陣だ。

 本当にドラマチックな終焉を迎えてしまったこの試合。しかし、総括するならば首位・SAGAWAの強さが改めて強調された試合だったのかもしれない。先制点を挙げた大沢、勝ち越しゴールの中村をはじめ、司令塔の山根、攻撃的なサイドバックの旗手、榎本らで形成されるアタックは魅力に富んでいた。人もボールも連動した彼らのサッカーは幾度となく鳥取守備陣を脅かした。8連勝の後に1分1敗と調子を崩していたSAGAWAにとっては、この勝利は再びチームを加速させる大きなきっかけになりそうだ。
 対する鳥取は受け身に回ってしまいあと一歩及ばず。今季8敗目となった。今節は、一つ下の5位・高崎以下、ジェフR、佐川印刷、Honda、びわこ、町田が揃って足踏み。まだ優位な位置にはいるが、これらのチームとは勝点が切迫する展開だけに、J参入のためにはこれ以上負けられない展開となってきた。先日、元浦和の岡野の加入も発表されたばかり。勝点が団子状態のミドルゾーンを抜け出すべく、今後の奮起が一層楽しみだ。

湖国の精鋭、好発進! -草津東VS浦和南-

2009年08月02日 | 脚で語る高校サッカー
 奈良育英VS東海学園に続き、第2試合は草津東VS浦和南が同じく橿原公苑陸上競技場で行われた。前半こそ両者互いに譲らぬ展開だったが、1-1で迎えた後半、草津東が2点を追加して3-1で浦和南を振り切った。
 この結果、草津東は明日3日に同じく1回戦を勝利した奈良育英と2回戦を戦う(橿原運動公園多目的グラウンドにて正午キックオフ)。

 
 インターハイは過去に優勝1回、準優勝1回の名門。
 浦和南の攻撃が草津東に牙を剥く。

 
 浦和南の攻撃を巧みなドリブルで牽引したMF土屋(3年)。
 ゴールを奪いたかったところだが・・・

 
 徐々に自分たちのリズムを掴んだ草津東。
 31分にMF上坂(3年)が先制ゴールを決めてチームを勢いづける。

 
 0-1で後半を迎えた浦和南も負けていない。
 41分にMF藤泉(3年)がミドルシュートを突き刺し同点に。

 
 第1試合と違って日射しが容赦なく照りつけるコンディション。
 暑さとの戦いも試合を方向付けた。

 
 草津東・FW石黒(2年)と浦和南・DF高橋(3年)がマッチアップ。
 両チームの意地と意地が火花を散らす好勝負となった。

 
 
 52分、効果的なカウンターから草津東が勝ち越しゴール。
 左SBの橋本(3年)が驚異的な攻撃参加でシュートを決める。

 
 集中が切れた浦和南に対して草津東は3点目を56分にゲット。
 MF藤永(3年)の折り返しを上坂(3年)が落ち着いてゴール。

 前半こそ双方にハイレベルなボール奪取劇を見せた試合だったが、後半同点に追いついてから少し浮き足立った浦和南に対して草津東が試合巧者ぶりを見せた。
 しかし、正直なところ初戦の奈良育英VS東海学園の試合に比べると、ややレベルの高い試合にも思えたこの試合。見応えのある熱戦がゆえに際立った草津東の強さは、2回戦で戦う奈良育英にとっては脅威ともいえるだろう。
 奈良育英の勝利と共に、両チーム悔いのない好勝負を期待したい。

これが地元の意地だ! -奈良育英VS東海学園-

2009年08月02日 | 脚で語る高校サッカー
 7月28日に開幕した2009近畿まほろば総体は、2日サッカー競技が開幕。県立橿原公苑陸上競技場で行われた1回戦では、地元奈良の名門・奈良育英が登場。愛知第1代表の東海学園と戦い3-0で勝利。見事地元開催のインターハイ初戦を白星で飾った。

 

 地元・奈良でのインターハイ。地元の大声援を背に受け、初戦から絶対に負けるわけにはいかなかった。キックオフ前に降り続けた雨が不思議と開始10分前には止む。まるで天気も彼らの勝利をアシストしようとしたかのようだった。

 
 地元で迎えるインターハイの大舞台。こんな機会は滅多にない。
 試合前から選手たちの緊張の表情が伝わる。

 
 メインスタンドにもバックスタンドからも多くの声援。
 まずは初戦突破を目指す!

 
 序盤からボールを積極的に前へ運ぶ東海学園ペース。
 焦らず奈良育英はカウンター主体でチャンスを狙い続ける。

 
 試合が動いたのは24分。劣勢を覆す先制点をMF澤田が奪う。
 澤藤との2年生ボランチコンビは存在感十分。

 
 30分には澤田の折り返しにエース吉田篤(3年)が追加点を決める。
 主将として大一番で結果を残した。

 
 前半の終盤は効果的に攻めた奈良育英が2-0のリードで後半へ。
 後半の途中にはしっかり給水タイム。

 
 前半は硬さの見えた守護神加藤(3年)も後半はファインセーブを連発。

 
 
 後半早々に退場者を出し、運動量の落ちた相手に3点目を奪う。
 69分、再び澤田(2年)が今度は華麗なループシュートを決める。

 
 3-0で見事に初戦突破を果たした奈良育英イレブン。
 決して華やかではないが自分たちのスタイルを輝かせた。

 ここ数年なかなか全国の舞台では思うような戦績を残せていない奈良育英だが、地元でのインターハイとあってか、2年生の選手たちも元気良く、非常に気持ちのこもった試合を初戦から見せてくれた。しかしまだ1勝。すぐに2回戦が待っている。地元での大きな舞台、少しでも多くの勝利を積み重ねて欲しいところだ。