脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

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両者優勝逃す痛み分け -関西大 VS 阪南大-

2009年11月30日 | 脚で語るその他国内
 第87回関西学生サッカーリーグは後期第11節を迎えて優勝争いがクライマックス。後期第10節を終えて首位に立ったのは立命大。それを追う関学大、関西大、阪南大の4チームが優勝に望みを懸けて戦う展開となった。最終節である今節では、それら優勝の可能性を残す立命大と関学大、関西大と阪南大が直接対決を迎える大一番となった。
 第1試合(長居ス)では、首位・立命大が関学大に1-3で敗れて優勝の望みを絶たれる。この試合に勝った関学大は、第2試合である関西大と阪南大の試合が引き分けに終われば優勝が決定する。その中で行われた試合は最後まで勝負が付かず、結局1-1の引き分けで終了。関学大の優勝が決定し、この結果、関学大、関西大、立命大の上位3チームがインカレ(全日本大学サッカー選手権大会)の出場権を獲得した。

 

 第1試合を隣の長居スタジアムで終えて注目度の増す長居第2陸上競技場。この試合に優勝の行方が左右される。試合は勝って優勝を自力でもぎ取りたい関西大が優勢に進めていく。スタンドは両校のファンだけでなく、この結果で優勝の決まる関学大の選手たちも固唾を飲んで試合を見守る。
 
 
 京都入団が決定している関西大GK児玉(4年)。
 要所を締めるセービングでチームを盛り立てる。

 
 ゲームキャプテンを務めた田中雄(3年)。
 粘り強い守備と労を惜しまぬアップダウンを見せた。

 両者決定機らしい決定機を迎えられず、試合はスコアレスで後半へ。後半は立ち上がりから阪南大が猛攻を仕掛ける。開始早々に井上がシュートを関西大ゴールに浴びせると、46分には前節も4得点と絶好調の細野が均衡を破るシュートを決める。この試合に勝利すれば優勝を引き寄せられる阪南大は執念を見せた。

 
 待望の先制点は絶好調のFW細野(3年)がゲット。
 阪南大ベンチを巻き込んでの歓喜。

 このままではいけない。優勝のためには2点が必要になった関西大はここから反撃に出る。56分には西岡(4年)のシュートがわずかにゴール左に逸れ、67分には藤澤(3年)の左からの折り返しを途中出場の金久(4年)が合わせにいくがわずかに合わない。まずは同点弾を狙いに前がかりに出る関西大と守りにウエイトを置いていく阪南大との攻防は続いた。
 74分、関西大は遂に中村(4年)が同点に追いつくシュートを決める。沸き返る長居第第2陸上競技場。更に加速する関西大の攻撃はもう1点を狙い続ける。76分には先日の天皇杯甲府戦でも得点を挙げたエース・金園(3年)、続いて金久のクロスに藤澤とシュートを繰り出すがゴールは遠い。ロスタイムには左サイドを攻め上がった田中雄のクロスに藤澤が合わせたが、これがポストに当たる不運。結局このままタイムアップを迎え、関西大、阪南大共に優勝には届かず。スタンドで戦況を見守った関学大が11年ぶり28度目の優勝を果たすこととなった。

 
 反撃の関西大、74分に中村(4年)が同点ゴールを決める。
 大分U-18出身のサイドアタッカー。チームに勢いを与える。

 
 しかし、阪南大は堅固な守備で関西大の攻撃を食い止める。
 ボランチ・井手口(3年)が広範囲にわたってカバー。

 
 76分には金園(4年)がこのボレーシュート。
 しかし、ボールはバーの上へ。

 
 ラストワンプレーのチャンス、焦る関西大。
 最後の最後で藤澤(3年)が惜しいシュートを決められない。
 万事休す。

 3年ぶりのリーグ制覇を狙った関西大と昨年度のリーグチャンピオンである阪南大が激しくぶつかった一戦。そのどちらも優勝に王手をかけながら歓喜は訪れなかった。しかしながら、残すは全日本大学選手権の舞台。関西代表として出場する関学大、関西大、立命大の3校の健闘を祈りたい。