脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

奈良と和歌山、それぞれの戦い

2009年11月08日 | 脚で語る地域リーグ
 関西地方2府4県でJクラブを持たない都道府県は、滋賀、奈良、和歌山の3県。滋賀県にはJFLの強豪・SAGAWA SHIGA FCをはじめ、将来のJリーグ参入を狙うMIOびわこ草津、そして関西リーグ1部に所属する滋賀FCがあり、守山・草津エリアを中心にそれぞれの活動は知られている。
 そして、奈良には関西リーグ2部に属する奈良クラブ(以下=奈良)、和歌山には和歌山県2部リーグに属するアルテリーヴォ和歌山(以下=和歌山)がそれぞれ将来のJリーグ参入を目指して活動している。

 

 これまで定期的に奈良と和歌山は練習試合を行っているが、その度に思い知らされるのは和歌山の強さであり、このチームが未だ和歌山県2部リーグでの所属を強いられていることがにわかに信じがたい。2年前に和歌山県の教育リーグからスタートしたチームは、今季の和歌山県2部リーグでも圧倒的な強さで優勝を手中に収めた。その強さは全8試合で8勝0敗54得点2失点という数字だ。今季の天皇杯には和歌山県代表としても出場(佐賀東高に2-3と1回戦で敗戦)しており、徐々に県内での知名度も上がっているのではないかと思う。

 
 
 両チーム共に今季の公式戦全日程を終え、練習試合で相まみえることになった。

 
 かつてG大阪にも在籍した玉置(慎)。
 久保の退団で今後チームの10番を背負うことになるのだろうか。

 
 中盤の舵取り役であるMF田丸。
 彼もアローズ北陸や三菱水島などJFLでプレー経験がある。

 
 鋭い飛び出しが印象に残ったFW芝崎。

 
 鵬翔高校から今季加入したMF玉置(蓮)。
 兄の慎也と共に和歌山のサッカーの軸を担う。

 これまで和歌山とは非公式ながら、練習試合3試合で勝っていない奈良。この日は前半から得点を量産した奈良が逃げ切った。

 
 奈良は金城が3得点と調子の良さをうかがわせる。
 来季は今季以上に攻撃のキーマンとなりそうだ。

 
 最終ラインから捌き役に徹した矢部。
 31歳、まだまだ若い選手には負けない。

 
 ケガの影響でリーグでは不完全燃焼だった和阪。
 来季こそはアシストと得意のFKから得点を量産したい。

 
 岡元を筆頭に若手の台頭が今後の奈良クラブの鍵。

 まだまだチーム基盤が盤石でない奈良クラブとしては、和歌山を見習う部分は多い。オフィシャルホームページを見ても和歌山の公式サイトにはスポンサーのバナーがズラリと並ぶ。法人化に関しても同じく和歌山はチーム発足前に母体法人がNPOとして歩みを始めている。
 飛び級とは無縁ながら、来季はいよいよ県1部リーグに戦いの場を移す和歌山。関西リーグの土俵で奈良クラブと真剣勝負を交わす時は近そうだ。共に県内をサッカーで盛り上がるべく走り出した両チーム。その時を楽しみにしたい。