全国社会人サッカー選手権大会は、20日から21日にかけて準決勝及び3位決定戦、決勝戦が行われた。優勝は北信越リーグを戦う長野県の松本山雅FC。昨日行われた準決勝の信州ダービー・AC長野パルセイロとの大一番を制して、決勝戦でツエーゲン金沢に2-1と勝利。初の全社優勝を成し遂げ、来月から始まる全国地域リーグ決勝大会への切符を掴んだ。尚、準優勝のツエーゲン金沢も全社枠での全国地域リーグ決勝大会への進出を決めた(試合の詳細はここからJリーグを参考)。
まさに執念の優勝といえる。最後に観戦した準々決勝の日立栃木UVA戦では、相手に押し込まれる場面も多く、PK戦でようやく勝利を手にした。2日連続で延長戦に追い込まれるその有様は、まるで天皇杯・浦和戦のジャイアントキリングが嘘のようであった。
ところが、準決勝で対峙したのが県内、そして北信越でも最高のライバルである長野だったことが彼らの魂に火を灯したのか。3-1と完勝した松本山雅はその時点で地域決勝の切符を獲得。その勢いは優勝という最高の結果すら手に入れた。
先週に天皇杯で史上最高レベルの番狂わせを演じてしまったことが、逆に大きなプレッシャーにもなったであろう。今季の地域決勝の決勝ラウンドがアルウィン開催ということも考えれば、リーグで地域決勝の出場権を得られなかった松本山雅の背負う重圧は非常に大きかったはずである。連日のように会場に詰めかけたサポーターの存在とそれに5日連続で応え続けたチームの努力には頭が下がるばかりである。本当に敬意を表したい。
準優勝の金沢も非常に完成されたチームだった。このカテゴリーではなかなか見られないブラジル人トリオと根本、広庭、古部らを中心に良く連動されていた。特にセットプレーをはじめ、空中戦の強さは特筆すべき。CBの諸江が3試合連続で4得点を全て頭で叩き出している。無論、そこには精度の高いクロスを配給できるというストロングポイントがあるというのも重要である。
金沢も連日多くのサポーターが詰めかけていた。初となる地域決勝の舞台。このままJFL昇格まで掴みとれるか、来月から始まる大会には要注目である。
そして大会最大のサプライズは、tonan前橋の3位でのフィニッシュ。組み合わせに恵まれた面は大きかったと思うが、それでもベスト4の中では唯一の地域リーグ(関東リーグ)2部に属するチーム。そういえば、一昨年の天皇杯で彼らは奈良で1回戦を戦っているのだが、その時は天理大に敗戦を喫する(当時は群馬県リーグ所属:図南クラブ)レベルであった。昨年の全社では1回戦で沖縄かりゆしを撃破。チームも来季は関東リーグ1部に昇格を決めているということだから、この急成長ぶりは著しい。奈良クラブと状況が重なるが、現状では運営面も戦績も遥かにこちらの方がレベルは上だ。刺激を受けずにはいられない。
一方、そのtonan前橋に3位決定戦で敗れたAC長野パルセイロ。2回戦だけ観ると非常に盤石な印象を受けたが、連日の戦いが堪えたのか。準々決勝の九州INAX戦がPKによる決勝点の1-0とだったことも考えれば、その辺りから疲れが顕著だったのかもしれない。“ダービー”という通常以上に意味を付与された準決勝を制することができなかったのが痛かった。
準々決勝までが行われた市原スポレクパーク。
天然芝フルコート3面、人工芝フルコート1面を備える。
住宅地に囲まれた八幡公園球技場。
ネットが張り巡らされているが、ピッチは近くに望める。
それにしても、国体のリハーサルを兼ねた運営面でも好印象を受けた今季の全社。市原というコンパクトなエリアで催行されたことで、徒歩圏内でのサッカー環境(八幡公園球技場、市原スポレクパーク)の充実ぶりを実感することもできた。首都圏に近いが、お世辞にも都会というイメージではない市原市。もちろん、頭を過ぎったのはサッカーグラウンドになかなか恵まれない奈良の風景だというのは言うまでもない。
選手を労う近くの小中学生による鉢植え。
市原スポレクパークの至る所に置かれていた。
さて、来季は山口県で行われる全社。もちろん、奈良クラブもそこには出場しているはずである。
まさに執念の優勝といえる。最後に観戦した準々決勝の日立栃木UVA戦では、相手に押し込まれる場面も多く、PK戦でようやく勝利を手にした。2日連続で延長戦に追い込まれるその有様は、まるで天皇杯・浦和戦のジャイアントキリングが嘘のようであった。
ところが、準決勝で対峙したのが県内、そして北信越でも最高のライバルである長野だったことが彼らの魂に火を灯したのか。3-1と完勝した松本山雅はその時点で地域決勝の切符を獲得。その勢いは優勝という最高の結果すら手に入れた。
先週に天皇杯で史上最高レベルの番狂わせを演じてしまったことが、逆に大きなプレッシャーにもなったであろう。今季の地域決勝の決勝ラウンドがアルウィン開催ということも考えれば、リーグで地域決勝の出場権を得られなかった松本山雅の背負う重圧は非常に大きかったはずである。連日のように会場に詰めかけたサポーターの存在とそれに5日連続で応え続けたチームの努力には頭が下がるばかりである。本当に敬意を表したい。
準優勝の金沢も非常に完成されたチームだった。このカテゴリーではなかなか見られないブラジル人トリオと根本、広庭、古部らを中心に良く連動されていた。特にセットプレーをはじめ、空中戦の強さは特筆すべき。CBの諸江が3試合連続で4得点を全て頭で叩き出している。無論、そこには精度の高いクロスを配給できるというストロングポイントがあるというのも重要である。
金沢も連日多くのサポーターが詰めかけていた。初となる地域決勝の舞台。このままJFL昇格まで掴みとれるか、来月から始まる大会には要注目である。
そして大会最大のサプライズは、tonan前橋の3位でのフィニッシュ。組み合わせに恵まれた面は大きかったと思うが、それでもベスト4の中では唯一の地域リーグ(関東リーグ)2部に属するチーム。そういえば、一昨年の天皇杯で彼らは奈良で1回戦を戦っているのだが、その時は天理大に敗戦を喫する(当時は群馬県リーグ所属:図南クラブ)レベルであった。昨年の全社では1回戦で沖縄かりゆしを撃破。チームも来季は関東リーグ1部に昇格を決めているということだから、この急成長ぶりは著しい。奈良クラブと状況が重なるが、現状では運営面も戦績も遥かにこちらの方がレベルは上だ。刺激を受けずにはいられない。
一方、そのtonan前橋に3位決定戦で敗れたAC長野パルセイロ。2回戦だけ観ると非常に盤石な印象を受けたが、連日の戦いが堪えたのか。準々決勝の九州INAX戦がPKによる決勝点の1-0とだったことも考えれば、その辺りから疲れが顕著だったのかもしれない。“ダービー”という通常以上に意味を付与された準決勝を制することができなかったのが痛かった。
準々決勝までが行われた市原スポレクパーク。
天然芝フルコート3面、人工芝フルコート1面を備える。
住宅地に囲まれた八幡公園球技場。
ネットが張り巡らされているが、ピッチは近くに望める。
それにしても、国体のリハーサルを兼ねた運営面でも好印象を受けた今季の全社。市原というコンパクトなエリアで催行されたことで、徒歩圏内でのサッカー環境(八幡公園球技場、市原スポレクパーク)の充実ぶりを実感することもできた。首都圏に近いが、お世辞にも都会というイメージではない市原市。もちろん、頭を過ぎったのはサッカーグラウンドになかなか恵まれない奈良の風景だというのは言うまでもない。
選手を労う近くの小中学生による鉢植え。
市原スポレクパークの至る所に置かれていた。
さて、来季は山口県で行われる全社。もちろん、奈良クラブもそこには出場しているはずである。