脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

基礎演習はもう終わりだ

2009年10月14日 | 脚で語る日本代表
 2010年の南アフリカW杯まで残り8カ月。アジアカップ予選の香港戦から始まった秋の3連戦を日本代表はトーゴ代表との試合に5-0と勝利することで締め括った。

 現在招集しているメンバーにおけるベストの布陣で臨んだトーゴ戦。相手のコンディション不足も明らかで、開始早々から得点を量産した日本が終始優位に試合を進めた。特に先週の香港戦でもハットトリックと大活躍だった岡崎はこの日もハットトリックを達成。相棒を務めた森本も初スタメンを飾り、きっちり1得点で結果を示した。

 かねてからの消極采配がその批判の矛先に挙げられる岡田監督だが、この3連戦では先日の欧州遠征とは違ったお世辞にも“強豪国”とはいえない相手にも助けられて、ほとんどの選手の力量を測ることができたのではないだろうか。特にカターニャでプレーする森本と日本で現在得点王争いにも食い込む活躍を見せる石川の2人は及第点かと思われる。

 森本は、先日のスコットランド戦でも終了間際に本田の得点をお膳立てするシュートを見せ、このトーゴ戦では相手CBの体の寄せにも全く怯むことなくゴールを陥れた。まだ守備面でのコンセンサスに戸惑いはあるかもしれないが、攻撃面に関してはその落ち着きぶりは頼もしい限りである。絶好調の岡崎とのコンビは今後も非常に期待が持てそうだ。
 石川はスコットランド戦で久々の代表初先発のチャンスを掴み、Jでの勢いをそのままに代表でのプレーにもフィードバック。トーゴ戦でも81分にフィールドに登場すると、85分には持ち前のスピードで左サイドを駆け上がり、本田の得点に繋がる折り返しを演出。そのスピードと的確な折り返しでターゲット(シュートを打ち損ねた大久保)に合わせたプレーに強烈な印象を残してくれた。

 残念ながら初選出のDF岩下、GK山本の出番は巡ってこなかったが、この3連戦に選出されているメンバーがおそらく来年の本大会の軸になる選手。手薄だったCBのポジションも岩政(個人的には最も期待)をスコットランド戦で試用し、右サイドでも内田に代わって徳永を積極的に起用している。そろそろ岡田監督の選手選考も最終段階に達しており、既存メンバーに頼らない3連戦のローテーション起用は明らかに招集されている選手のモチベーションにも繋がったはずだ。

 オランダ、ガーナとの連戦だったオランダ遠征に比べると、日本のやりたいようにやれた10月の3連戦。失点はゼロ。ミスが無かったわけではないが、守備面の意思統一に苦慮は見られなかった印象である。むしろ前述の森本と石川の加わったこのメンバーでもう一度オランダとの対戦をしてみてほしいものだ。
 アジアカップ予選及び東アジア選手権を含めると、本大会まで残り10試合程度(来年4月の南アフリカ遠征での対戦国が未定)。もう基礎演習は終わりだ。仕上げの時期が近づいてきた日本代表からチームが活性化している印象と少し前進していることを感じた10月であった。