脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

ブラジル人選手に対するフィルター

2007年06月04日 | 脚で語るJリーグ


 本日のエルゴラッソに興味深い特集が。今季Jに加入した中で、使えるブラジル人、使えないブラジル人の現時点の具体的評価(5段階)ということで、G大阪担当にてブラジルサッカー取材の申し子である下薗昌記氏の特集だ。
 4.5点の最高得点をゲットしているのは神戸のボッティ。以下4点、つまり及第点をかろうじて頂戴しているのはマルキーニョス・パラナ(磐田)、レアンドロ(大宮)、アルセウ(柏)、マルシオ・リシャルデス(新潟)の4人である。
 的を得た人選だなと思う。決して上記の5人のブラジル人選手を評価している訳ではない。使えないブラジル人選手が多すぎるのだ。
 特にクローズアップされているのは鹿島のダニーロ。Jリーグファンなら誰もが納得するだろう。今季鳴り物入りで鹿島復権の切り札として加入したサンパウロの10番は全くといっていいほどチームにフィットしていない。このダニーロに関しての鹿島サポとしての見解は、リレーでこのブログを運営する角氏に任せるとして、近年あまりにフィットしない、結果を残せないブラジル人選手が多いことに改めて気付かされる特集であった。
 記事において、下薗氏が指摘するようにガンバは03年のチキアルセ、ガレアーノの失敗から、Jでこれまである程度の結果を残した選手に切り替えての補強を近年行っている。ブラジル現地まで出向き、細かなスカウティングをする必要はないし、日本に「慣れている」という点だけでその選手に対する計算のメドはつきやすい。要するに低迷するチームへ向けた「補強」を念頭に置きながらも、ピントのズレたブラジル人選手のリストアップが著しく行われているであろう由々しき事態がJ各クラブで勃発している。
 ふと思いつくだけでもその迷走を繰り返すのは大宮、横浜FC、大分あたりではなかろうか。度々変わりゆくブラジル人選手はチームのずさんな補強プランを指し示している。

 長いようで短い1シーズン、時間が限られているのは分かる。降格争いはどのチームもしたくないものだ。しかしブラジル人選手に対する常に慎重なスカウティングは不可欠であり、そこを狂わせないチームが上位争いをする。選手だけでなくクラブスタッフも含めたクラブ全体にも問われるこれこそが勝者のメンタリティというものか。