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脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

チョジェジンの笑顔

2009年08月29日 | 脚で語るガンバ大阪
 24節を迎えたJ1も残り試合が全日程の3分の1を切った。6位に踏みとどまるG大阪は優勝は絶望的というものの、来季ACLの出場権は十分に狙える位置にいる。前節は金沢で名古屋を相手に非常に残念な終わり方を見せてしまったが、この日は敵地・エコパで磐田を相手に3-1と快勝し、先週の悪夢を払拭した。

 相手より一歩早いアプローチ、連動した守備が効いたことで、効果的に得点を重ねることができたG大阪。前半こそスローペースだったものの、37分に山口の今季初得点で先制する。昨季は何度も見た遠藤→山口の頭というホットライン。今季はレアンドロのゴール量産の陰にも隠れ、このパターンはリーグでは初めてとなる。前半のうちに先制できたのは結果的に良かった。

 山崎の3点目も抜け目ないゴールだったが、非常に印象に残っているのはやはりチョジェジンの得点シーン。48分、中澤のクリアボールが相手の目測ミスによりルーカスへ。ゴールへ向かってドリブルするルーカスは自らシュートを狙えたが、コントロールを誤ったたためファーサイドにボールを送る。ここにフリーで走り込んだチョジェジンが合わせて難なくゴールを奪った。ゴール自体はFWとしてもそれほど難易度の高いものではない。しかし、その後にアシスト役のルーカスと抱擁を交わすチョジェジンの笑顔がこのゴールよりも強烈に脳裏に焼き付いた。

 今季はここまで8得点と上々の結果を出しているチョジェジンだが、ここ数試合は先発起用は非常に少なかった。リーグ戦では6月28日の15節・横浜FM戦以来9試合ぶり。公式戦で計算してもナビスコ杯の準々決勝横浜FM戦1stleg(7/15)以来約1ヶ月強先発起用がなかった。今回レアンドロの突然の移籍で先発での出番が回ってきた訳だが、しっかり結果を残せたことと、チームの勝利を近づける貴重な2点目だったということもあるだろう。日頃のクールな彼の表情からはなかなかお目にかかれない満面の笑みだった。

 やはりFWはゴールを取ってこそその仕事の価値を見出せる存在。リーグ戦では7試合ぶりの得点、加えれば彼のゴールが勝利に結びついたのは11節の柏戦(5/10)以来ということもあって、ゴール後のチョジェジンの笑顔は彼の内心を代弁しているだろうと考えて間違いない。
 そういえば、前節の金沢ではルーカスのゴールをお膳立てしたにも関わらず、駆け寄るレアンドロの表情は何とも言い難いシリアスな表情だった。既に心中ではカタール行きを決めていたのだろう。そう思えばあの表情は想像に難くない。テレビを通した放送だからこそ伝わる微細な表情。そこから伝わるメッセージは時にドキッとするものだったりする。

 有望な選手が引き抜かれるのは世界的に見てもサッカー界の常だが、先日のレアンドロ移籍及びペドロ・ジュニオール獲得の一件で、こんなことが頭を過ぎった。単年契約が大半の外国籍選手が多い中で、実はチームに愛着を持ってくれる外国籍選手は本当のところ少ないのかもしれない。バイアスのかかった見方だが、今日のチョジェジンの笑顔はしばしそれを忘れさせてくれた気がする。ベンチやサテライトに甘んじる選手ではない。今季の残り試合でもっと多くの笑顔を見せて欲しいものだ。

晩夏、振るわぬG大阪 -SL VS徳島-

2009年08月24日 | 脚で語るガンバ大阪
 上位進出をかけて臨んだ金沢での名古屋戦、まさかのロスタイム被弾で2-3と悔しい敗戦を喫したG大阪。敗戦自体は久々だったが、2-0と試合をリードしながらの逆転負けという事実と、上位をうかがうための意味合いを考えれば少なからずショックは大きい。レアンドロの移籍も取り沙汰される中、チームが転換期に差し掛かっていることは今さら言うまでもない。

 そんな中、ここまで1勝も挙げられていないサテライトリーグ第4節徳島戦が練習場で行われた。試合は3-3のドローという結果だったが、J2徳島サテライトに途中まで0-2と試合をリードされる展開。後半から出場の平井がPKを含む2得点、そして終了間際のラストワンプレーで寺田が同点となるシュートを決めて辛くも追いつくという厳しい内容だった。

 
 暑さが和らぎ、涼しい風が吹き込む絶好のコンディション。
 しかし、前半から“がむしゃらさ”を見せたのは徳島。

 
 開始10分に徳島の先制点を献上する展開。
 佐々木が渾身のシュートを試みるがゴールならず。

 
 前日の名古屋戦は途中出場だったチョジェジンも出場。
 サテライトは不本意ながら、運動量も少なく存在感に欠けた。

 
 播戸も前半のみ出場。
 積極的に裏を狙うがゴールは得られず。

 
 ボールタッチも多く、好配球も見られた倉田。
 もっともっとフィニッシュまで絡んでほしいところだ。

 
 今季のサテライトではキャプテンマークがお馴染みの武井。
 プレーエリアが広く、守備でチームに貢献する。

 
 星原の突破を阻む徳島GK日野。大きな声でチームを叱咤。
 敵の守護神として久々に万博に戻ってきた。

 
 菅沼も落ち着いているが、もっとフィードを狙って欲しい。
 3失点目は彼のヘディングの目測を誤る致命的なミスから。

 
 フル出場の山崎は良いアピールができず。
 ミドルレンジのシュートが浮いてしまい好機を逸した。

 
 得意の攻め上がりが鳴りを潜めている安田理。
 パフォーマンスでも完全に下平に後れをとってしまったか。

 
 前日の名古屋戦では不本意な途中出場だった高木。
 心なしか元気がないように見えた。

 
 後半から出場の平井は2得点と結果を出した。
 ワンタッチで相手を翻弄する場面も幾度か見られた。

 
 こちらも後半から出場の寺田はラストワンプレーで得点。
 自身では手応えを感じていないのか、終了後も笑顔はない。

 
 後半から出場の宇佐美はまずシュートを狙う。
 確実に枠内に飛ばした3本は可能性を感じさせてくれた。

 格下の徳島と比べても覇気に欠けた印象のこの試合。前日のトップチームの負け方に端を発してか個々に元気が無かったようにも感じられた。トップは今季のリーグ優勝は絶望的だが、まだ決して下位に甘んじているわけではない。今こそこのサテライトに甘んじる選手たちが奮起すべき時だと思うのだが。この試合、ベンチで戦況を見守っていた西野監督の目にはどう映っていたのだろうか。

鬼門・ビッグスワン攻略

2009年08月20日 | 脚で語るガンバ大阪
 このミッドウィークに行われたJ1はもう22節。5試合連続のドローに苦しむ新潟に挑んだG大阪。直近5試合では敗戦がなく、完全に上昇気流に乗れたのではないだろうか。2005年シーズンから4連敗という鬼門・ビッグスワンの攻略はそのG大阪にとって大きなチャレンジとなった。

 前節から加地が右SBに復帰し、左に遠藤、右に二川、そしてルーカスとレアンドロという2トップはここ数試合の定番布陣。前節では播戸の劇的な決勝ゴールが印象深いが、その播戸の飛び出しを導いた下平のフィードは判断が良かった。その下平がもっともっと攻撃に絡む場面も見たいところではある。

 その新潟戦は開始1分、ルーカスの鮮やかなミドルシュートで幕を開ける。エリア手前でボールを受けたルーカスは相手DF陣のわずかな壁からシュートコースを捉えた。苦手とするビッグスワンで大きなリードを手に入れる。日頃、FWの代名詞である“ゴール”という見せ場では、今季圧倒的にレアンドロが担い手になっているが、久々のルーカスのゴールは彼の喜び方からもその爽快感が伝わってきた。黒子役の会心の一撃はG大阪のムードを盛り上げた。
 新潟の攻撃をかわし続けるG大阪は、42分にレアンドロの折り返しを二川が走り込んでダイビングヘッド気味にゴールに沈める。こちらも今季は初ゴール。日頃滅多にお目にかかれない二川の貪欲なゴールへのプレーはチームのいつもと違う雰囲気すら感じさせた。

 高めの位置で相手のボールを奪取でき、最後尾では松代の好守も光った。後半に1点を返されるものの、しっかりと試合巧者ぶりを見せての辛勝。次節は金沢開催の名古屋戦。豊田の悔しい敗戦から1ヶ月強、鬼門を攻略したG大阪の勢いは相性の良い金沢でさらに良い試合を見せてくれるだろう。

これぞ播戸竜二の仕事 -21節VS浦和-

2009年08月15日 | 脚で語るガンバ大阪
 日韓オールスター戦を挟み、再開されたJ1の戦い。G大阪はホーム万博に浦和を迎え、播戸の劇的なロスタイム弾で1-0と勝利。苦しい戦いを制して上位進出をうかがうために重要な1勝を挙げた。

 
 ナショナルダービーと称されて久しいこのカード。
 試合は一進一退のスリリングな攻防戦に。

 
 
 関東からも多くの浦和サポーターが集結。
 満員の万博はこれ以上ない熱気に包まれた。

 
 G大阪は中澤が浦和のFWエジミウソンを警戒。
 体を張った守備で仕事をさせず。

 
 前半に決定的なシュートを放つなど燃えていた遠藤。
 もちろん攻撃の起点として奔走。

 
 浦和も高原が再三ドリブルでG大阪守備陣をこじ開けようとする。
 かつての不調を払拭した様子。

 
 浦和がボールを繋ぐ時間帯が多い試合展開。
 0-0での緊迫した試合運びは両者落ち着きがあった。

 
 レアンドロの突破を途中出場の闘莉王が阻む。
 数少ないチャンスをなかなかものにできないG大阪。

 
 スコアレスドローでの終了が濃厚かと思われたロスタイム。
 87分に途中出場の播戸がチャンスに飛び込む。

 
 一度は阿部にクリアされるもこぼれ球に食らいつく播戸。
 そして自ら持ち込みシュートを狙う。

 
 渾身のシュートはGK都築の股下を抜けてゴールへ。
 大接戦に終止符を打つ劇的な1発で万博のボルテージは沸点に。

 
 苦しい試合を劇的勝利で乗り越えたG大阪。
 体を張った守備陣と播戸の“仕事”が光った試合だった。

 強敵・浦和に再三攻め込まれながら執念の勝利。リーグ制覇は依然苦しい状況だが、この1勝は上位進出のためにも大きな1勝となったはずだ。

曇天のサテライト -SL G大阪VS神戸-

2009年07月26日 | 脚で語るガンバ大阪
 昨日、久々にホーム万博での勝利を掴んだトップチームに続きたいサテライトチーム。万博練習グラウンドに神戸を迎えてサテライトリーグ第3節を戦ったが、1-2と敗戦。ボールを支配しながら前線の決定力不足に泣く形となってしまった。
 
 
 前半、2度の決定機を決められなかった播戸。
 層の厚いFW陣において気を緩められる時間はない。

 
 月曜の京都戦でアピールを果たし、前夜大分戦に出場した武井。
 この日もキャプテンマークを巻いてチームを引っ張る。

 
 前半終了間際に同点ゴールを決めた寺田。
 徐々に復調の兆し。この調子でトップ定着を狙いたい。

 
 ゴールを守ったのは今季より加入の太。
 ハイボールに強い印象を見せたが2失点でアピールならず。

 
 頼りない前線よりよほどゴールの匂いを感じさせてくれる宇佐美。
 中央のスペースが空けば迷いなく強烈なシュートを放つ。

 
 この日も右SBで出場の星原。
 守備に難を見せるも、気迫の攻め上がりを終盤に披露。

 
 実績からいってもこの状況を最も脱したいのは高木。
 試合終了間際に惜しいヘディングシュートを放った。

 
 パスワークの中心には倉田あり。
 しかし、更に決定的な仕事を求めたいところ。

 
 神戸・MF田中とのマッチアップに苦しめられた安田晃。
 もっと前でのプレーを見たいところだが・・・

 
 3度に渡って決定機を潰した平井。
 播戸と揃ってチームの反撃にブレーキをかけてしまった。

 
 ボールに触れる回数も多かったCBの菅沼(左)。
 1-2の敗戦に憮然とした表情で引き上げる。

 
 在籍8年目の木村も今季が勝負のシーズン。
 この日は出場機会が無かったが、今季こそトップ初出場を果たしたい。

 
 
 キムナミル、我那覇、松橋、アランバイーア、田中、馬場・・・
 トップ出場歴の多い選手で構成された神戸は一枚上手だった。

 雨こそ降らなかったものの、月曜日の京都戦に続いて収穫の少ない試合となってしまったサテライト。やはりまだまだトップとの格差は大きい。上空を覆う厚い雨雲が今の状況をあたかも表しているようだった。

今日だけは1-0の美学? -19節VS大分-

2009年07月25日 | 脚で語るガンバ大阪
 前節に共に暗闇を抜け出したチーム同士の対決となったG大阪VS大分。両チームが狙うのはもちろん連勝。勝利への執念がぶつかった試合は、佐々木のゴールを守りきったG大阪が1-0で辛勝し、順位を6位に上げる久々の連勝を果たした。

 
 万博には遠路はるばる多くの大分サポーターが詰めかけた。

 思えば、5/6の山東戦以来の1-0というスコアでの勝利。いつもは取られたら取り返すという感じで“1-0の美学”とは程遠いG大阪のサッカーだが、この日は前節の勝利で光明を見出したチームが勝利へのこだわりをプレーにぶつけた。圧倒的な支配率はもちろんのこと、いつカウンターでやられるかもしれぬ最少得点差を藤ヶ谷中心に粘り強く守ったことも大きな勝因となった。

 
 久々に万博にお目見えの家長。古巣相手に決定的な仕事はできず。

 
 ウェズレイの突破力は健在だが、中澤と安田理でそれを阻む。

 
 0-0で迎えた41分、金崎がドリブルから右足を一閃。
 ボールはゴール右にわずかに外れるが、肝を冷やす場面。

 
 その直後の42分には再び金崎のシュートを食らう。
 これはGK藤ヶ谷がナイスセーブ。

 
 リーグ初采配となる大分のポポヴィッチ新監督。
 テクニカルエリアギリギリの位置で選手に指示を飛ばす。

 
 大分の堅守速攻を攻略したいG大阪。
 明神、山口も高い位置でボールに絡む。

 
 拮抗した展開を崩したのは61分。
 橋本のスルーパスに走り込んだ遠藤が落ち着いて中央へ。

 
 これに走り込んで値千金の先制弾を決めたのは佐々木。
 フリーで走り込んだ佐々木にボールは吸い寄せられたかのよう。

 
 山崎を先発起用したこの日の西野采配はひと味違った。
 73分には月曜のサテライトで比較的良い動きを見せた武井を投入。

 
 1-0で試合を逃げ切り、ホーム連敗をようやくストップ。
 万博の空に久々にこだまする凱歌は5/10の柏戦以来。
 
 アウェイ山形戦を挟んで、次のホームは浦和戦。ヒートアップ確実の大一番をしっかりモノにしたいところだ。

これではトップを脅かせない -SL G大阪VS京都-

2009年07月20日 | 脚で語るガンバ大阪
 前日のアウェイ柏戦で久々の勝利を飾ったG大阪。翌日のこの日は練習場でサテライトリーグ京都戦が行われた。
 日頃、出場機会に恵まれていない選手たちにとっては絶好のアピールの場。しかし、西野監督が戦況を見守る中、試合は0-1と良いところなく完敗。改めてトップチームとバックアップメンバーの実力差をうかがい知ることとなった。

 
 ゴールを守ったのは前日柏戦でもベンチ入りした松代。
 彼と藤ヶ谷の双璧を木村や太はなかなか崩せない状態だ。

 
 何度かドリブル突破を見せた左SBの安田晃。
 体が小さい故にフィジカル面では苦しい場面が多い。

 
 ゲームキャプテンを務めたのは武井。
 ポスト明神として将来的にはG大阪の支柱になるべき選手だ。
 まずはトップ出場機会を増やしたい。

 
 ボールを持たせれば前への推進力はさすがの宇佐美。
 決定的な仕事はできなかったが、先輩選手に比べても遜色ない。

 
 前線にも良く顔を出していた倉田だったが、チャンスは生み出せず。
 安定感という意味では寺田との競争では分がある印象。

 
 サテライトでは高木の存在感はやはり際立つ。
 彼のプレーする場所は本来ここではないのだが・・・

 
 空中戦やフィジカル面でタフネスな印象を与えてくれた菅沼。
 物怖じせずに先輩選手たちに最終ラインからゲキを飛ばしていた。

 
 トップでは序盤戦以降出番のない寺田。この日もピリッとせず。
 何としてでもアピールしてまずはベンチ入りを果たしたい。

 
 層の厚いFW陣の中で燻り続けている平井。
 寵愛を授かる西野監督が見守るもゴールはならず・・・

 
 トップでの途中出場でも播戸に後れをとっている山崎。
 巻き返しを図るが、決定的な場面を決められず。

 
 右サイドバックの星原は運動量に乏しく守備面で貢献できず。
 終了間際のトラップミスは見守るファンの溜め息を誘った。

 
 ここ最近のトップチーム同様、低調な内容に終わったサテライト。
 やはりトップメンバーとの実力差は大きいことを実感。

 
 覇気を欠いたこの試合、西野監督の目にはどう映っていたのか。
 これではトップチームの陣容を変えられないのも頷ける。

 
 古巣の練習場を懐かしむかのようにプレーするシジクレイ。
 増嶋や中山など実力派の若手が多い中で年齢を感じさせない働き。
 京都の貴重な1点を呼び込む飛び出しを見せた。
 (オフサイドの判定が覆らずゴールと認められる。)

魔法は完全に解けた -NCQF1stleg VS横浜FM-

2009年07月15日 | 脚で語るガンバ大阪
 ホーム万博で公式戦5連敗、直近の9試合では1勝1分8敗と極度の不振に喘ぐG大阪。チーム状態が上向かないままにヤマザキナビスコカップ準々決勝に突入。横浜FMをホームに第1戦を迎えたが、やはり1-3と完敗。第2戦に向けてだけでなく、今後に非常に暗い影を落とす敗戦となってしまった。

 まず、メンバーに大きな変更はなく、GKに藤ヶ谷がカムバック。左の下平をベンチに下げて安田理を先発で起用。負傷の加地の代役は橋本が務めた。清水戦で躍動感を見せた宇佐美はベンチにも登録されず。試合前のスタメン発表から“これで大丈夫か?”という不穏な空気は流れた。

 
 肋骨を骨折の加地に代わって右SBに入った橋本。

 
 土曜日のゴールで完全復活といきたかったチョジェジン。
 残念ながらこの日は活躍できず途中交代。

 
 G大阪・中澤のファウルで得たPKを40分に山瀬が・・・

 
 難なく決めて横浜FMが先制点を奪う。

 
 意地を見せたいG大阪は49分に中澤がヘッドで同点弾を決める。
 万博が熱狂したわずかな時間であった。

 
 二川を中心にいつも通りのポゼッションサッカーを見せるが・・・
 もはや相手のプラン通り。ほとんど崩せない・・・

 
 一昨年の大会でブレイクの安田理も軽率なプレーが目立った。
 クロスは合わず、挙げ句の果てには失点の要因にも。

 
 68分、“ガンバキラー”の坂田に勝ち越しゴールを許す。
 横浜FMは速攻で数少ないチャンスを確実に決めてきた。

 
 85分には松田に3点目を奪われる。
 盛り上がるアウェイ側ゴール裏。

 
 遠藤のFKも空を切る。
 時間が過ぎるにつれてスタジアムには空虚な雰囲気が漂った。

 
 力なく、為す術なく、まさかのホーム公式戦6連敗・・・
 ここ数シーズンで最も激しいブーイングがスタジアムにこだまする。

 
 厳しい表情の西野監督は終了と同時にロッカールームへ。
 追求してきた持ち前のパスサッカー美学が音を立てて崩れている。

 試合内容はまさに完敗で、非常に厳しい結果となった。ここ数試合はボールをキープしながらも相手にしっかり“回させられている”パターン。守りに入った相手を崩す手立てもなく、拙攻で時間は過ぎるばかり。
 以前、“ガンバの魔法が解ける日”というテーマで下薗昌記氏が書いていたコラムを思い出した。今のG大阪は以前の魅力的な魔法の効力はもうない。メンバーを固定し、チームの新陳代謝を後回しにして哲学を追求してきた代償が大きな形で現れている。

惨敗・・・ -17節VS清水-

2009年07月11日 | 脚で語るガンバ大阪
 リーグ再開後も全くピリッとしないG大阪。勝点も切迫するミドルゾーンを脱出すべくホーム万博で8位・清水を迎え撃ったが、全く良い所なく1-4で惨敗を喫した。

 

 試合前には金森社長から新スタジアム建設へ向けた詳細がVTRで語られた。「サッカー専用で屋根付き」という条件を満たすべく、150億円という建設資金を工面しなければならないとのこと。そして、未だ建設予定地が決まらず、寄付金募集団体の設立を今後目指すという途中報告だった。建設資金のうち30億円はサポーターの寄付を募る計画だという。

 このVTRで万博が盛り上がったのは良かったが、タイミングが悪かった。その後に行われた肝心の試合では、ボールを支配しながらの惨敗劇。G大阪にとって“取られたら取り返す”というスタイルは遠い過去の物になってしまったようだ。試合後にはゴール裏とメインスタンドを中心に多くのファンが居残り抗議を続ける事態となった。

 
 先制点は16分、岡崎がゴール前に突進。
 ヨンセンからのボールをねじ込む。

 
 26分に明神がCKから決めたかと思いきや・・・
 ハンドの判定でノーゴールに。

 
 中盤に前線に奮闘するが、決定機を決められなかったルーカス。

 
 前節の失態を挽回したかった松代だったが、その機会はなく・・・

 
 左SBは安田理が先発出場。
 下平の出場停止で回ってきた出番もアピールできたと言い難い。

 
 攻めきれずグズグズしていると清水に追加点を奪われる。
 56分にCKから岩下にフリーで流し込まれる。

 
 2失点目の後に佐々木とチョジェジンを投入。
 右サイドで佐々木は再三クロスを放り込んだが・・・

 
 63分には枝村に決められ、試合はほぼ決まってしまう。
 82分には途中出場の原にもダメ押しの4点目を献上。

 
 21時を回り、鳴り物の止んだスタジアム。
 失態のチームの中でポジティブな声援を受けていたのは宇佐美。

 
 ホーム5連敗・・・
 試合後スタンドには多くのファンが残った。
 光明は見えず、スタジアム建設への気運をも盛り下げたのでは。

トマンナプシダ!パクドンヒョク

2009年07月09日 | 脚で語るガンバ大阪
 今季よりG大阪でプレーしていた元韓国代表DFのパクドンヒョクが柏へレンタル移籍することが昨日発表された。期間は6ヵ月間、つまり今季終了までである。

 シーズン前に話題を席巻した過剰な補強がこういった形でシーズン中に再び話題になることとなった。リーグ戦は9試合出場1得点(先発出場7試合)、ACLでは3試合出場(先発出場2試合)というG大阪での成績だった。リーグ開幕の千葉戦から7試合連続で先発出場を果たしていたが、第7節の神戸戦で4枚目の累積警告をもらってからその後の試合は先発落ち。昨季から定番である山口、中澤のコンビが再びレギュラーCBを務める形になっている。

 レンタル移籍とはいえ、G大阪でシーズンを通して活躍できなかったことは正直残念ではある。開幕前のゼロックススーパーカップで、後半からフィールドに登場したパクは、ファウルも辞さない果敢な守備で鹿島に向かっていった。非常に熱い選手だなという印象を持ち、全体的に“おとなしい”キャラクターの多いG大阪の選手の中であの“熱さ”には虜にさせられてしまったのだが。

 今季はFW陣とこのCB陣にハイレベルな競争が要求されている。清水から加わった高木も未だにほとんど試合に出れておらず(リーグ戦2試合出場、先発1試合)、ベンチを温める日々である。結局、昨季からの確固たる刷新はレアンドロとチョジェジンの2トップだけにすぎず、全体的に“新戦力”の貢献は効果薄。レアンドロが驚異的な得点力を見せつけてくれているので、チームに大幅なメスが入れられた感はあるが、基本的にはACLを制した昨季の布陣がベースであることには変わりはない。橋本が長らく加地の代役を務めていたようにサイドバックのバックアッパーがおらず、中盤の年齢層も上がっている等の問題点は昨季から解決されていない。

 特定のメンバーに大きな信頼を寄せる西野監督の流儀は今季も揺るがない様子だが、CBに関してはもう少しダイナミックに入れ替えを施してもらいたかった。ACLにおいても積極的なターンオーバー布陣はなし。グループリーグ6試合中4試合を結局山口&中澤コンビで戦っている。特に浦和、鹿島、新潟、川崎と続いた上位陣との直接対決においても交代策のメインはアタッカー陣。新潟戦で出場停止の山口の代役を高木が務めたぐらいである。

 この調子でいくと、再びパクの勇姿をG大阪で見ることはできないだろう。契約追加延長のオプションが付いているが、そのまま柏に・・・という状況が最も濃厚な気がする。個人的には好きな選手だっただけに、今は柏での活躍を祈るしかない。

 トマンナプシダ(また会いましょう)!パクドンヒョク。