歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

フレットワーク『ダウランド_ラクリメ』

2010年05月27日 | CD ルネサンス-イギリス
Dowland
Lachrimae (1604)
Fretwork
5 45005 2

1989,90年録音。59分51秒。Virgin。もうだいぶん昔に買ったCD。まづ表紙がいいよね。20年前の演奏ながら、イギリス的中庸路線としてはこのフレットワークのが到達点と言っていいのではないでしょうか。聴かせ上手で、一枚聴きとおしても飽きません。これは2枚のCDに分けて録音された音源から『ラクリメ』全曲を取り出してCD1枚にした再発盤。原盤は、ダウランドとバードの器楽曲を組み合せて、2枚で分売されたものでした。

ビオール・コンソートのざっくりとした響きが、心の奥に静かにしみとおっていくよう。聴いてるうちに癒されてくのが分かる。あー効いてるー、って感じ。この手のビオール・コンソートの演奏でどれか一枚だけおすすめのCDを教えて、と言われたら迷わずわたしはこれを推薦する。そんなにあれこれ聴いてるわけぢゃありませんけどね、でもこの完成度はタダモノぢゃないでしょ。音楽する喜びにあふれていて、しかもわざとらしさはぜんぜんなくて、ダウランドのすばらしさがごくごく自然に流露している。このCDを聴いていると60分があっという間に感じられますよ。

フレットワークは、Wendy Gillespie、Richard Campbell、Julia Hodgeson、William Hunt、Richard Boothby。ギレスピーとキャンベルはあちこちで名前を見かける。リュートにChristopher Wilsonが参加。この人はこの録音からほぼ十年前のコンソート・オブ・ミュージックのダウランドの全集にも参加していました。ビオール合奏をひかえめに支えています。

それにしても2004年は『ラクリメ』400年だったわけですよね。うーん、なにかそういう動きはあったのかなあ。わたしは気がつきませんでした。