歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

平林純『論理的にプレゼンする技術』

2010年05月21日 | 本とか雑誌とか
平林純さんというエンジニアが書いた『論理的にプレゼンする技術』(SoftBank Creative、サイエンス・アイ新書)。この本とてもいいですよ。プレゼン用のソフトを使っての狭義のプレゼンに大いに役立つだけではなくて、文章書くときとか、そういう広い意味でのプレゼン全般の参考になる。プレゼンの参考書はこれ一冊あればとりあえず事足りてしまうのではないかというほどよくまとまっていて、かつ分かりやすい。

以下、目次。
──
はじめに
第1章 「よいプレゼン」ってなんだろう?
第2章 わかりやすい「プレゼンストーリー」をつくる!
第3章 おろそかにしちゃいけない! 事前準備
第4章 資料づくりの大前提を押さえる
第5章 わかりやすいスライドづくりの基本
第6章 反面教師に学ぶ! 聴き手を惑わす発表資料に注意
第7章 聴き手が引き込まれる発表資料のつくり方
第8章 プレゼン発表テクニック
おわりに
──

見開きの左側のページで言葉による説明、右側のページでは図や漫画を使って目に訴える説明、この二段構えのやり方がとても効果的。漫画にスペース割いたりしたら情報量が減っちゃうのでは、と一瞬懸念しますが、これがそうぢゃないのね。やっぱイラストって大事ですわ。

とくに第1章が目からウロコ。プレゼンには「利益」「わかりやすさ」「おもしろさ」が不可欠だ、と平林さんは言う。「利益」というのは、つまりそのプレゼンを聴くことによって聴き手にはどういうトクがあるのか。それを聴き手が納得していなければ、聴き手はついてきてくれない。そうなんだよなあ。ついついわたしはこれを忘れるのよ。

プレゼンの理念からストーリー構成、スライドづくり、発表テクニックまで要点を網羅して、このわかりやすさ。プレゼン・ソフトはPowerPoint2007を使って作例していますが、OSやソフトに依存する記述はさほどなく、わたしみたいなKeynoteユーザーも多少の読替えで活用できる内容です。