おにぎり2個の里みち歩き 農山漁村の今昔物語

おにぎりを2個持って農村・山村・漁村を歩き、撮り、聞き、調べて紹介。身辺事象もとりあげます。写真・文章等の無断転載禁止

南の島 沖永良部 1 赤土農業

2012年01月09日 00時00分00秒 | 農業
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写真1 えらぶユリ(テッポウユリ)                 写真2 石川サトイモ



写真3 電照キク                           写真4 溜池


 沖永良部島(おきのえらぶじま)は鹿児島市の南約550kmに浮かぶサンゴ礁隆起の島。それゆえ、平坦な畑地が多く、その土壌は保水力の弱い写真のような赤土。
 赤土に、えらぶユリ(切り花・球根)、フリージア(切り花・球根)、電照キク、ジャガイモ(1月下旬~5月中旬に収穫)、石川サトイモ(4月下旬~6月上旬に収穫)、サトウキビなどが栽培される。これら畑作物と肉用和牛を組み合わせる農業(複合経営)が盛ん。本島の就業者の1/3は農業就業者で、若い農業後継者も多い。
 さて雨水は、赤土の下にある透水層(石灰岩にある隙間)を通り、その下にある不透水層(基盤岩)に達して海へ滲み出る。そのため、常時流れる河川は少なく、農業用水は天水(雨水)、湧水、溜池などに依存して不足がち。
 現在(平成19年度~平成30年度)、農業用水の安定供給などを目指し、国営と県営を中心とする農業水利・畑地灌漑事業が進んでいる。計画は次のようである。
 まず、止水壁を基盤岩まで打ち込み、石灰岩にある隙間に雨水を溜める地下ダム(1ヵ所)を設える。次に、ダムの水は7つの集水井(しゅうすいせい)で汲み上げられて揚水機場(1ヵ所)へ送られ、さらに高い位置の大山吐水槽へポンプアップされる。ここから自然流下で地下埋設パイプライン⇒貯留タンク(ファームポンド・6ヵ所)⇒地下埋設パイプライン⇒耕地の順に送水され、スプリンクラー(散水装置)などで農作物に散水する。耕地に届く前に調整池(2ヵ所)に一旦貯水される地域もある。
 
 引用・参考文献等:農林水産省九州農政局HP
 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2006年1月 撮影地:鹿児島県大島郡和泊町
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