写真2 タノバタモギの田んぼは、遠くから見ると、畦の草が田んぼの畦際の水稲を覆うように見える。
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2011年7月17日午前11時すぎ、群馬県・石田川の起点・矢太神水源へ向かって同川沿岸を歩く。途中、農作業者は3人、少ない。ちなみに、この日の最高気温は、当地の隣り伊勢崎市は38度、館林市では38.7度。
3人目の男性に、なに、なさってんですか。以下、< >は筆者の質問あるいは返答、( )は筆者の補足、他は農作業男性のご教示。
<こんちわー、草とりですか> はい、はい。
<矢太神沼は、ずーと行けばいんですよね> うん、まだ、まだ、あと2キロぐらいあるかね。
<あと2キロ、はい> うん、真っ直ぐですから。
<これは品種(水稲品種)は、なんですか> これはね、アサヒノユメ。
<アサヒノユメ> うん。
<これは、群馬県の奨励品種か、なんか> うん、そー。
<ウルチ(粳米)ですか> そ、そう、粳。
<あー> これとね、あとはゴロピカリつんのがあるんだ。
<あー、ゴロピカリ> ゴロピカリは、ね、弱いんだよー、暑さに。
<あー、暑さにゴロピカリは弱い> 弱いんでね、みんな、替えちゃったんだよね。こっちの方が強いつんだよ
<アサヒノ> ユメのが。
<強いんですか> そゆわけ、あっ、はっ、は。去年はね、そゆわけだったから。
<あー、そうですか> うん、ゴロピカは、ほら、しなもんなんなかったけどねー。こっちのは、なんとか、タントウマイ(反当米)なんつってたから、良かったみてねー。
<みんな、こっちに替えちゃったんですね> うん、みんな、ねー、けっこう替えちゃったよー。ゴロピカリもさー、そゆに研究しねーと、もー、はー、下がることは、ねーんだからねー。
<温度はねー> うーん、上がる一方なんだから、考えなけらー。
<あー、そうか> 考えてると思うけど。
<うーん、なるほど> そう。
<これは、いつ田植えなさったんですか> これは、ロッガツの下旬(6月下旬)ごろなの、これはね、日本じゅで一番のろいんだよね。
<のろい、一番> あん。
<この前は麦> えっ、麦はね、作る人もいますよ。その上の田んぼはね、麦だよ、そうだよ。
<旦那さん、麦は作ってなかったんですか> わたしゃ、あのー、零細企業だから作らないの、作れないの。
<じゃ、ここは水稲だけ> 水稲だけ。
<はー、そうですか> そう、そう。でっかいどこだらねー、作れるんだけど。
<えー、えー> 作ったっていいんだよ、だけどほら、二束三文だから。
<あー、そうか> うん。
<麦はね> しょーが、ねーんですよ。国からの。
<はい> うーん。
<けっこう、オタマジャクシが泳いでいますねー> けっこう、いますよー。
<うーん> ここだら、むこうは、いーぱいいますよ。
<前もいましたかー> 前もいましたよー、昔みてーに、ほら、そんな強いの使わないにー。
<農薬を> 農薬をねー。
<うーん> うん。
<じゃー、ちょっと増えてんだ> そ、そ、そう、けっこう増えてますよ。
<魚は入って来ないですか> さ、かなは、たまにだけだけどねー。
<たまに> オタマばっかりだ。
<旦那さん、わたしゃ23年生まれだけど、旦那さんは> おりぇー、八年。
<(昭和)18年> いや、いや、(昭和)28年。
<私より若いんだ> うん。
<まだ、まだ現役ですね> あっ、はっ、はっ、現役でもねーけど、だいぶトシとっちゃったけど。
<私、写真とって歩いてんですけど、旦那さんの作業姿を、プライバシー尊重しますから、後ろ姿撮らしてもらえませんか> 後ろ姿でよけりゃー。
<私、有馬といいます、埼玉県久喜市から来ました> あら、歩ってるんじゃないでしょうー。
<歩いてんですよー> ひえー、久喜からー。
<いや、いや、セラダ(世良田から)> あっ、そうか、セラダからねー。
<はい> そうか。今、タノバタモギ(田の端・畦の草とり)なんてやらないもんね、俺もやらないんだけど、ミズマワリ(水回り)来たから、ついでだから、やるよーだけで。
<水回り来られて> うーん。
<ついでに田の草とり> そ、そ、そう。
<やっぱ、水回りは大事ですか> 大事だねー。
<うん> もっと凄い人はねー、あれだってよ、朝、晩するんだってっから。
<いちんち(1日)> うん、で、昼間は止めといて、
<うん> 夜は掛け流しするんて、入れて出したり、入れて出したり。
<あー、暑いからね> うん、暑いから、でも、このへんの人は、そんなこと、しねーに。取れないから、反。
<反、なんぴょう(何俵)ぐらい取れるんですか> だら、反なんか、ここなら、ななひょう(7俵)とればいい方だよ。
<あー、ななひょう> ほかんとは、みんな、じっぴょう(10俵)ずつ、板倉(群馬県板倉町)なんつ、あっち行っちゃえば。
<板倉ね> うん、そのかわり、管理が凄いだってんから、ツチカンリ(土管理)が、土管理からほら、そゆ水の出し入れも。
<はい、はい> そゆふにすれば、取れるんだよね。夜はねー、ほら、熱帯夜だにー、
<そ、そう> だから、入れて出したり、入れて出したりするんだって、掛け流しするの。
<あー、そうすると、水がたんなくなるということないですか> ない、ない、ない。
<今んとこ、うん> とにかく、ねーんじゅ(年中)、炎天下とこに置いとくわけいかねーんだから、これはね。
<うん、うん> そすとね、昼間、あたたまっちゃうに、そすと、ほら、ずーと下がんないんだよ、
<はい、はい> 掛け流ししちゃうの、新潟の方、そだっつったよ、板倉の方もそだけど。
<はい> ここは、掛け流しするやつ、いないから。
<いない> 入れれば入れといて、溢れねーよにジョウゴしといて、うん、だからクロ越えねーよに出しているだけだから。
<あー、そうか、クロ越えて水が出ないように> そ、そ、そ、そう。溜めてとくだけ。
<溜めとくだけね> うん、ほんとはね、そうなんだよ、いくんちも、ねーんだけどね、年にね、そゆ暑い日はね。
<うーん> ほんとは、そふにすれば、もつんだよね。
<じゃ、旦那さんは、午前中に水回りして、あとはしない、1回だけ> うん、ま、また夕方、見ー来んのは来るけどね。
<なーるほどね。ありがとうございました、いろいろ教えていただいて> はい、はい。
<どうも、どうも> 気をつけて、暑いよー。
<はい> あと2キロぐらいあるよー。
<はい、ありがとうございます> はい、はい。
執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2011年7月17日 撮影地:群馬県太田市
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