異教徒たちの踊り

まるでリズムの悪い絵と日記のブログ。それでも____
楽しい出来事があればいいなぁ、と、言う、ブログ。

2015年12月26日 | 異教徒たちの踊り
エンジニアライフ
IT業界のエンジニアさん達のコラムコミュニティーサイト・・・かな?

たびたび面白い記事を見つけては過去に遡って読んでます。

自分は絵を描く人間なので論理的な考え方とは間逆にいます。
「効率?・・・知るかー!!!描きたいように描くんじゃー!!」
と路上で叫んだ友達の発言に今でも惚れ惚れしてます。

心からムクムクと湧き上がってくるそれが、社会人としての資質を投げ捨ていって、生活するうえでそれが邪魔なんだけど、手放したくない。

本当はその言葉のカッコよさってのは説明できる筈なんですけどね。
論理的な出力装置が付いてないのでどうにもあやふや。

直感で捕らえられても説明はできない。

と。

エンジニアライフのコラムニストさんの中に何人かお気に入りの方がいます。
目の前の壁と正面で戦ってる人の記事とか。
他にも、風潮や共通認識、固定概念に対し、真理で辛らつに切り込む文章など。
そられがしっかり論理武装され、鉄壁と化した文章を読むのは爽快です。

感情的にではなく、論理的な脳を経由した文章として読めるのは楽しいです。

異教徒たちの踊り_4

2007年10月27日 | 異教徒たちの踊り






「男が村で迎える七十回目の日曜日、両足をなくした男は、また広場に姿を現して、椅子に腰掛けたまま、両腕と両手を両指を自由自在に動かして踊り始めた。その踊りはまた評判になって、今度は王の部下に肩から先をすべて切り落とされてしまったんだ。
でも、百三十回目の日曜日に、男は首を巧みに動かして、頭で踊ってみせた。そして、とうとう王の部下は男の首を刎(は)ねたんだけど、地面に転がり落ちた男の頭を見て、村人たちは驚きの声を上げた。
男はリズムを変えたりしながらまぶたを開いたり閉じたりして、目で踊ったんだ。
でも、それも長くは続かなかった。やがて、男は両目から血の涙を流しながら、死んでしまった。
男の肉体はこの世から消えてしまったけど、でも、男の踊りは、村人たちのあいだで、その後も長いあいだ語り継がれたんだ____。」

束の間の沈黙が流れたあと、山下が口を開いた。
「その王と、王国はどうなったの?」
「俺も同じ質問をリトル軍曹にしたよ。でも、リトル軍曹は、王と王国がどうなろうと関係ないんだ、って言った。王と王国について語るなんて、素晴らしい名画を前にして、絵を囲っている額縁について語っているようなものだ、って」
ヒロシは、僕がこれまで見たことのなかった優しい眼差しを僕たちに向けた。
「リトル軍曹は俺の頭を撫でながら、お別れの言葉を言った。おまえはタフな人生を送るかもしれない。傷ついてダウンすることもあるだろう。でも___」
僕たちは、世界とほぼ完全な調和を感じながら、ヒロシの最後の言葉に耳を傾けた。

「なにがあっても、踊り続けるんだ」


金城一紀:異教徒たちの踊り









・・・・あいかわらず素敵だよオイ。

異教徒たちの踊り_3

2007年10月26日 | 異教徒たちの踊り




男の評判はいつしか遠くの村にまで伝わり、その踊りを一目見ようと、多くの人々が男のいる村を訪れるようになった。
男はいつの時も、ただ黙々と踊り続けた。
男の噂が嫉妬深い王の耳に入ったのは、男が村で四十五回目の日曜日を迎えた時だった。王は部下に命じた。
「異教徒の両足を切れ」
部下は王の命令通り、男の両足を切った。村人たちは男の踊りが二度と見られなくなたことを、ひどく悲しんだ。しかし、男が村で迎える七十回目の日曜日、両足をなくした男はまた広場に姿を現した。
そして----

異教徒達の踊り_2

2007年10月25日 | 異教徒たちの踊り



男が村に住み始めてから二十回目の日曜日、教会での祈りを済ませた村人たちが教会から出てくると、教会前の広場に、男が立っていた。男は村人たちを静かに見まわしたあと、突然踊りを踊り始めた。

村人たちはひどく驚いたが、男の踊りから目を離すことができなかった。

男が両手を大きく広げて踊る姿は、まるで大空を自由に飛びまわるワシのように見えた。両足を蹴って宙に舞い上がる姿は、まるで海の中を優雅に泳ぐイルカのように見えた。

男の体はまるで重力から解き放たれているかのよいうに自由で、圧倒的だった。気がつくと、広場はすべての村人たちで埋まっていて、男が踊りを終えた時、雷鳴のような歓声と拍手が広場に満ちた。そうして男は村人たちに受け入れられた。

異教徒たちの踊り_1

2007年10月24日 | 異教徒たちの踊り



 いまからそれほど遠くないむかしの話だ。

 ある王国の小さな村に一人の男が流れ着いた。男はその村が気に入り、小さな家を買い取って住み始めたが、村人たちは心を開こうとはしなかった。

男の姿かたちや話す言葉が、村人たちとはまるっきり違っていたし、それに、男は村人たちの信じる宗教にまるっきり関心を示せなかったからだ。

村人たちは、得体の知れないその男を恐れ、遠ざけた。

もう二度と見れなくなったけれど。

2006年10月27日 | 異教徒たちの踊り

キャラクターの顔。
コメント:「自信ねぇ」
オッパイ描いて誤魔化せばよかった。
かなり前に失敗したオデコさん、久々に描きたくなった。
自信不足でちょっと妥協した。
やっぱりオッパイが・・・。



前書きでオッパイと連呼していますが、僕が反応するのはオッパイだけではありません。ボーーっとしててもワンちゃんが散歩していますと横目で見ますし、戦闘機見たら叫びます。
あ、エースコンバットゼロ買っちゃいました。
赤ちゃんカートがあれば道の端を歩きますし、ふと時計を見て4時44分だったら怯えます。

と、いうように僕は結構反応します。
精神弱者的に反応力高いです。
ちなみに適応力は低いです、精神弱者的に。


ある日のことだったんですけど、バイトの荷物配管中に外からドライバーさんがやってきました。始めてみる顔です。
扉を開けて工場内に入るや否や、人差し指を高々と、ビッシーーーー!!っと掲げ、
「おはようございます!!」
・・・。
場内、全員シカトです。
僕だけ笑いを堪え、小さな声で「おはようございます」と返しただけでした。

・・・どうしてみんな無反応なんだ。
あんな格好いい入場シーンなんて見たことねーぞ。
オッサンばかりの普通の工場であんなパフォーマンスする奴はいねーぞ。
挨拶で指を上げる人なんて・・・どこを探したって・・・いないのに。

次の日も、その次の日も、僕だけが反応していました。
僕はその入場シーンがとてもカッコいいと思えました。
プロレスの入場シーンのような躍動を感じました。
僕は日に日にオッサンの入場を心待ちにするようになりました。

オッサンが入場すると僕の頭ではロッキーのテーマ曲が流れ出します。
オッサンが指を掲げると照明が光を増し、オッサン全体に強い影が生まれ、その存在感は唯一無二。
僕には、オッサンが入場しその指を掲げた時、オッサンが光り輝いて見えました。


そこにいた誰もは、視線を合わせず、無反応だったけれど。
僕は心の中でロッキーのテーマ曲を鳴らし、喚起喝采を送り、感動の涙を流していました。

来る日も来る日も、オッサンは指を掲げました。



・・・けれども、反応するのは僕だけ。
そんなことが幾日も続き。
そしてとうとうオッサンは・・・。



オッサンが扉を開けて工場内に入ってきました。
まるで常人のするそれのように
「おはようございます」
と。
大きくも無く小さくも無い、挨拶をしてたんです。
まるで普通。工場内は煩く、それでは僕にしか聞こえません。
あの時の、工場内に響き渡る声と・・・そ、それとあの指はどうしたんですか?

そこに感動は無く。
眩い輝きを見る事はせん。
次の日も、その次の日も。



僕は思いました。
もう一度あの入場シーンを見たい。
もう一度僕を感動させてください。
けれど、現状のままでは叶いません。
だから僕は行動する事にしたんです。
オッサンが挨拶をするよりも早く、僕があの日のオッサンのような挨拶をしてやろうと。


僕はその時を待ちました。
オッサンが入場するその時を。

オッサン、僕は信じています。
あの入場シーンを見たいと思いを秘めて。
僕は待ちました。

そろそろオッサンが来る頃です。
・・・ガチャリ。
オッサンの入場を僕は見逃しませんでした。
荷物を取りに行くフリをしてオッサンに急接近。


あの感動をもう一度。
「おはようございます!!!」
僕の声は工場内に響き渡りました。

・・・。

オッサン、シカト。
見事なスルー。
カズもビックリなハットトリックをかましやがりました。

僕の声が無意味に響き渡っていると言う現状。
オッサンが今まで味わってきただろう屈辱。

僕の心は深い深い闇へと落ちてきました。
もう二度と夢を見ないと心に誓いました。
顔を伏せる僕。

・・・と、視界の隅でオッサンが僕に何かジェスチャーしていました。
顔を上げ、オッサンを見上げると。

オッサンの指が。
・・・ぐわしってなってるー!!!!

中指と薬指を起用に折りたたみ、あのぐわしを見事に再現しています。

ロッキーのテーマ曲は流れません。プロレスのような喚起喝采は起こりません。
けれど、オッサンの指が、あの日のように光り輝いています。

そして、それ以上にオッサンの表情。
ニコニコと、仏みたいな顔しやがって!!

な、泣いてなんかいないんだからッッ!!
ありがとう、オッサンありがとう。


と、いうふうに、オッパイ以外にもすこぶる反応しながら生活しています。
訳わからん感じになりましたが、実話です。