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約束の旅路

2022-09-03 21:16:51 | 映画
TOHOシネマズシャンテで「ブライアン・ウィルソン 約束の旅路」を見てきました。

ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンのドキュメンタリーです。彼の長年の友人でローリング・ストーン誌の編集者だったジェイソン・ファインと西海岸をドライブしながら人生を振り返るという映画ですが、ドライブミュージックはブライアン・ウィルソン自身が選曲しています。インタビューにはブルース・スプリングスティーン、エルトン・ジョン、ドン・ウォズ、ジェイコブ・ディランなども登場…(以下、ネタバレ気味です)。

ブライアン・ウィルソンも今年で御年80歳…ぱっと見、普通のアメリカのおじいちゃんのようにも見えるのですが、インタビューからはかなり繊細なお人柄がうかがえます。インタビュアーのジェイソン・ファインのことは本当に信頼しているようで、だからこそ、この映画が成立したのかもしれません…。

映画に登場しているミュージシャン達も称賛を惜しみません。ブルース・スプリングスティーンは「ビーチ・ボーイズはロックンロール史上最高の音楽」と言い、エルトン・ジョンは「まったく新しい音楽で別世界へいざなった」と。もっともエルトン・ジョンはピアノを売られそうになったことがあるらしいですが…。ドン・ウォズは「これまでにない音の組み合わせを編み出した」と。彼が「神のみぞ知る」の各コーラスパートの音を確認しながら参った、みたいな顔をしているシーンもありましたね…。

今聴いても、ビーチ・ボーイズの音楽は天上の音楽のように響きます。とりわけ、あの摩訶不思議なハーモニーは唯一無二。生きる喜びそのもののような音楽を創った彼自身の人生は苦難の連続でもありました。父親との確執、二人の弟の死、離婚、薬物中毒、精神疾患と洗脳騒動…。生きてるのが不思議、みたいな人生でもあります。それでも音楽を続け、この年齢になっても「ロックンロールをやりたい」「いいアルバムつくりたい」と言うブライアン・ウィルソン。彼にとってのロックンロールとはチャック・ベリーやリトル・リチャードのことなのだそうです…。リンダ・ペリーは「ミュージシャンには二通りいる。現れては消えていくミュージシャンと、本物のミュージシャン」と言っていました。ミュージシャンとは職業の場合もあるかもしれないし、生き方でもあるかもしれない…が、最後はもはや体質なのでは、とすら思えてきます。天才ブライアン・ウィルソンはおそらく最期まで音楽とともに生きていくのでしょう…。
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