あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

倉本聰さんの講演記事を読んで

2015-06-18 14:13:24 | 日記
5/17に行われた「ハッピーエンディングセミナー 見つめよう あなたの人生シナリオ」という
セミナーでの 倉本さんの講演記事です。6/16付の朝日新聞に掲載されていました。

倉本さんも80才になられたのですね。
「体力はなくしたんですが、気力はまだまだあるんですね。想像力、精神力、やる気、色気。
 これらは年を取っても衰えないという気がします。」
まだまだ気力は充実し、創作意欲も旺盛なので、安心しました。

印象に残ったのは、倉本さんが引用された 開高健さんのエッセーの一節。

~パリの空港で、一人の旅人が疲れ果ててトランクに腰を下ろしていた。
 空港の係員が心配して「どうされましたか」って聞くと、
「今遠くから到着したとこなんですが、体は到着したんですが心が到着しないんで、今心の到着を
 ここで待っているとこなんです」と言う。

 この話をもとに、倉本さんは次のようにまとめています。
 
~僕らは今あらゆることに追われに追われて、どんどん前へと進み出ちゃってるけど、本当に心が
 それに付いていってるんだろうかっていうことを
 常に危なく思います。皆さんもたまにはトランクに腰を下ろして、心の到着をお待ちになったら
 いかがでしょうか。

 心の到着を待たずに先を急ぎ、置き忘れてきた心の存在まで忘れてしまう。
 何かに追われ せかされているような心理が働くからなのでしょうか。
人生もまた旅であるなら、たまにはゆっくりとトランクに腰を下ろし、心が到着するのを待つ
 ゆとりが必要なのかもしれません。
 また、旅の途中で出会うものには ゆったりと向き合い、自分を取り戻したり 新たな自分を
 見出す ひとときをつくっていきたいものです。

 倉本さんは、お風呂にろうそくを灯して入るそうです。
 それには二つの利点があるとのこと。
 一つは、老いさらばえた体が非常に美しく見えるということ、
 二つ目はろうそくの減り方が目に見えるということ。

 二つ目に関しては、時の経過が目に見えるという利点もあるのだと思います。
 一日が終わり、季節が移り変わり、一年が過ぎていく。
 日々の生活の中で、五官にふれるものを体感しながら、今という時間の尊さに気づいていく。
 時に流されるのではなく、確かな感動や思いと共に(自らの心と共に) 今という時を過ごして
 いけたらいいですね。


 速さや効率が求められ、それに合わせてさまざまな機器や道具がつくられ、便利になりました。
 しかし倉本さんは「便利というのは人間が本来持っているエネルギーを使わないで済むこと」と考え
 「進歩することで人間の視野は狭くなり、選択肢も狭くなる」とも語っています。
 

 便利さや進歩に惑わされることなく、本当に大切なことや必要なことを見つめなおしながら進む
 エネルギーこそ 人間本来の心を取り戻す原動力になっていくだと思います。

 世界で一番貧しい国の大統領のスピーチにもあったように、本当の幸せとは何なのかと問う中で 
 物事の本質を見つめていく視点が大切なのかなと感じています。
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