あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

アメリカの良心

2015-06-02 20:17:25 | 日記
今日の朝日新聞に、「米国で原爆神話に挑む」というタイトルで、アメリカン大学教授のピーター・カズニックさんの
インタビュー記事が掲載されていました。
ピーターさんは、『広島・長崎への原爆投下は、日本の降伏をもたらし、本土侵攻で失われる米兵の数多くの命を救
った』というアメリカ国内で信奉される神話に挑み続けた人物です。
20年前、退役軍人の反対で開催できなかった スミソニアン博物館の原爆展を引き受け、被曝70年の今年、新た
な原爆展を開催するとのこと。
アメリカではほとんど知られていない 丸木位里・俊夫妻の「原爆の図」の展示も計画されているとのことです。

『広島・長崎の重要な教訓は、原爆が人類を絶望のふちに置いたことです。原爆を投下したトルーマンは、地上の生
きとし生けるものを絶滅させてしまう扉を開いてしまったと分かっていました。トルーマン、ブッシュ、オバマ、プ
ーチン、どんな指導者に対しても 生命存続の拒否権を与え続けるわけにはいきません。』

こういった確固とした考えの持ち主だからこそ、ピーターさんは「アメリカの良心」そのものでもあるように感じられ
るのです。

神話を否定することは、アメリカの負の歴史を認めるということでもあります。
当時日本が和平を求め、抵抗できない状況にあることを知りながら、ソ連の参戦を意識して原爆を投下したのだという 
歴史学者としての客観的な見方がその根底にあり、何より 原爆がもたらすものの悲惨さと 人類を絶望においやる核
兵器の存在の無意味さを痛切に感じる思いが 行動の原動力なのかもしれません。

ピーターさんは、スミソニアン博物館から引き継いで原爆展を開いた95年から、毎年学生を連れて8/6の広島と
8/9の長崎を訪れ、被爆者の方々などから話を聞いてきたとのことです。

核兵器が人類の存続まで脅かす 危険で 不必要な存在であること。

決して人類の幸せをもたらすものでないことは 自明の理です。

昨日のブログで紹介したスピーチにあるように、幸せになるためにこの世に生まれてきた人々にとって、不幸せを招く発
展や核は 百害あって一利なしという存在なのだと思います。

広島や長崎の痛みを共有する日本人であればこそ、なおさらそう思います。

同時に 国という枠にとらわれず、真に地球上に住む一人の人間として 大切なものを共有できる 広さを 自らの心の
内に持ち続けていきたいものです。




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