このごろ,クウタは新しい反応を身につけました。クウタの前で,ポケットに手を入れると,お
すわりをするのです。とても立派に,血統書つきの犬のように気品あるポーズで。
なぜかというと,理由は簡単です。食べ物がもらえるのではないかと期待してのポーズだか
らです。
最近,飴をポケットに入れるようになりました。離煙対策として舐めるノンシュガーのコーヒー
飴です。いつだったか,この飴をクウタにあげることがあったのです。コーヒー味だから,まさか
犬は食べないだろうと思っていたのですが,ポリポリと音をたてながら美味しそうに食べたので
す。食べたがり屋の性格だったことをすっかり忘れていました。
その後から,私がポケットに手を入れると,すぐにそばにやってきてあのおすわりのポーズを
とるようになったのです。
先日は,クウタをつないである近くの畑で,種まきをしていたら,しきりにほえるのです。畑の
向こうに住む大好きな犬に向かってほえているのかと思ったのですが,ちがっていました。種を
大事に埋めている様子を見て,その種がおいしい食べ物のように見え,「おれにも,分けてちょ
うだい!」とリクエストしていたのです。種をもって近づくと,もうすでにあのポーズをつくって待っ
ていました。食欲の秋だからでしょうか。食欲があるのはいいことなのですが……。
我が家には,2本の渋柿の木があります。ただし,そのうちの一本がその年によって実の一
部が甘柿に変身するのです。これまでの試食では甘柿には当たっていないので,今年はだめ
かなと思っていたのですが,昨日赤く色づいた実を食べたら美味しかったのです。熟して甘く
変身したのかなあと思い,試しにそれほど赤くない実も食べてみました。ところがこの実にも,
種の周辺にごまがあり,ほどよい甘さの柿になっていたのです。
この様子を見ていた食いしん坊が例のごとくさかんにほえるので,半分食べた柿の実をあげ
ました。実はかじりませんでしたが,満足そうにその甘さを味わうようになめていました。
もう一本の柿の木には,大きい実がいっぱいになったので,干し柿と一部を焼酎で渋抜きに
しようと考えています。
実りの秋と食欲の秋を実感するこのごろです。