昨日、三菱一号館美術館でKATAGAMI Styleを見てきました。
平日の夜間、しかも著名作家の目玉となる作品があるわけでもないのに結構な混雑。
見始めて納得!
これはちょっとあまりないアプローチ。
日本の型紙が海を渡り、19世紀の芸術に大きな影響を与えていたとは。
その流れを一気に見せてくれる。見事な切り口です。
さて、型紙についてはちらしに説明が載ってたので以下に引用してみました。
【型紙とは?】
江戸小紋やゆかたなどの着物の記事に柄や文様を染める工程で用いられる道具。美濃和紙を柿渋で加工した紙に、多彩な図柄が彫刻刀で彫り抜いてある。図柄の部分を防染糊で塞いで染色するため、図柄以外の部分の布が染まることになる。
この型紙の細かいことにびっくり!
花草、鳥などのものが多かったかな。小さいパターンを繰り返すものから大きな絵になってるものまで多彩な表現。
あと一番驚かされたのは型紙のみで鑑賞に堪えうるということ。
本来は着物を制作するための工程に使われるもののはずが、下手をするとその製品をも上回ってしまうクオリティ。
ほんと見惚れるのですよ。
エッセンスであり、かつ影であり、芯となるデザインの本質。
でも平面のデザインと比べるとこの切絵的な型紙は厚みもあってマテリアル感は高い。
美術は数あれどこういったものはちょっと他にないように思いました。
浮世絵は愛されてもその版木まで飾ろうということはあまりなさそう。もちろん資料としての価値はあるでしょうけれども。
そして、これらの型紙が多数海外で残ってて、相当に影響を及ぼしていることが分かります。
布のデザインはもちろんのこと、家具やガラス、食器まで。
ジャポニズムという言葉は知っていたし、そういう流れはなんとなくわかってはいたものの、ここまで明瞭に型紙からの影響が強いと示した展示にしたことに拍手。
いつもなら固有の作品名を書いてそれを感想としますが今回はそういうふうにしません。
だって有名無名問わずに素敵なものをたくさん見られましたからね。
あと型紙で杜若、菖蒲モチーフのがちらほら。
テキスタイル、ポスター、ガラスのランプなど、とにかく幅が広く点数も多いのですが決して見飽きないのです。
あと、ポイント高かったのはこの展覧会マップなるリーフレット。なんとカラーです。
こういう展示ではリストよりもこういったもののほうがその展示の本質がぱっと分かりやすいように思いました。
5/27まで。