清澄のアルマスギャラリーで開催中の高橋大輔「絵画の田舎」に行ってきました。
ツイッターで複数の知人がいいと言っていてしかもTOKYO ART BEATでチェックした画像からでもその面白さが伝わってくるのです。
絵の具の厚い絵画はこれまでにも見ている。
でもそれは例えばルオーのような具象イメージを描くのにもりもりと絵の具を持ってみたり、アクションペインティングの白髪一雄が寓意と身体性を持って足で描いたものだったり。
どちらのアプローチともまるでちがうのです。
最初から厚盛りで画面を構成するという意図によって組み上げられている。
絵画なのに平面から遠く離れた、まさにタイトルのとおり田舎かのよう。
まだ誰も踏み込んだことのない境地で彼はもう何年もこの作風で遊んでいる。
楽しい時にしか描かないということにも納得。
その喜びの感情が画面から文字通りてんこ盛りになって溢れている。
中でも異色なのが「無題(きらきら星)」。
他の作品のおおよそのは構成の差こそあれど、絵の具を盛っているなあという印象だったのだけど、この作品にはもう少し構成が複雑化し、更なる領域へ挑もうとしていることがみてとれる。
黄色の画面の中、紺の四角。その中にある景色。
実はこれだけ具象モチーフが先にきていたのかなあと想像してたのです。
でもお話を伺うとどうもそうではなく制作しててこうなっていったのだそう。
これまでの作風とはちょっと違っていたこともあり出そうか迷いもあったのだそう。
でも、出して正解です。
ここからまた新しい作風に広がっていくことに期待しちゃいます。
あと色がきれいなので子どもが好きそうと思って尋ねてみたところ、事実、人気あるみたいです。
あと、このこんもりとした色彩はスイーツ的であると思いました。
なんかこの盛りがお寿司っぽいなあと思いました。
下にはシャリがありいろいろと楽しめておいしいなんてね。
あと作品によって、板とキャンバスとがあったので聞いてみました。
後々の保存状態を考えると板に麻のキャンバスを張るほうがよいのだとか。
でも、その工程をやってる時間よりも創りたいという欲求が先にくると板にまんま塗ってくのだとか。
なかなか、ロックな感じでかっこいい!
見たことのない作品に出会えてわくわくする。
会場ではずっとテンションが高めでした。こういう喜びに出会いたいがためにギャラリーに行く。でも、実際にそういう気持ちになることってそうそう多くはない。
アルマスギャラリーこの看板が目印。
この二月に清澄に移転されたのだそう。以前は門前仲町だったのだそう。
フランスの地方の言葉で荒地の意味。
そのあとでダイアモンドの意味であることも判明。
後付らしいですがこうした言葉には必ず意味がありよい名前だなあと。
今回の展示、自信を持ってオススメします!
高橋大輔「絵画の田舎」
2012年4月28日(土)-6月2日(土)12:00-19:00
※金/土/日のみオープン