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平和の歌・核兵器絶滅へと戦った英雄の歌

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短編  七珍万宝

2016年09月10日 | Weblog

短編     七珍万宝   作 中道 進

           1母

 国男は18歳である。今は、製本会社に勤めているので生活は何とかできた。小さい頃はお父さんが7歳の時に亡くなった。母が、働きの生活だったので大変であった。学校から帰宅しても母がいないので寂しい思いをいたのだった。

――国男、勉強をしっかりいて下さい。母は国を励ます。国男はただうなづくだけだった。母は、夜遅く帰宅していた。夕食は前の日に、母が用意した簡単な食事をしていたのであった。

国男が13歳の時、ある日、母が国男に大事な話があるといった。母は夜が遅い仕事なので体が不調なので急死をしまっては話せないと思ったのだろう。

――国男、お前の亡き父が、お前にと残してくれたのがある。この木箱に入っている。母は、箱を出した。その箱は底は浅く、縦30センチ、横20センチの箱だった。もし、母に何かあったら国男はその箱をいただけるとのことだった。

 国男は中学をでて製本屋に勤めた。勤めてすぐに母が亡くなったのだった。夜遅い仕事で、無理もあったのだろう、まだ50代の若さであった。

 国男は安い給料で残業で夜が遅かったが一生懸命に働いた。

製本屋は小さな会社であった。国男の他、先輩の新一がいた。

 2 宝    

 さて、話は変わって、七珍万宝というと、まさしく、字のごとく七つの珍しい万の宝のことをいう。金、銀、瑠璃、シャコ、瑪瑙、真珠、マイカイをいう。

珍宝というと、例えば、ダイヤモンドのレット・ベリルは世界でユタ州トニユーメキシコ州の一部しか産出されず、採算ペースで採掘することは極めて困難である。世界にない宝は価値が高い。価値が高い故に、高く売れるのであるようするに、七宝があればお金持ちなのである。故に、その道の人は血眼になって探すのである。    次号へ