平和の歌・核兵器絶滅へと戦った英雄の歌

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短編小説 続 堤婆の反乱

2016年08月02日 | Weblog

 

短編 2

 

続 堤婆の反乱

 

                   中道 進

 

 境江の美貌に真面目男の江藤は夢中になった。毎晩のように境江の店に通ったのだった。そして、境江の笑顔を見たくてプレゼント攻勢をしたのだった。境江にしてみればいいお客様、お金持ちのこの上ないお客様である。場合によってはお色気で相手をわくわくさせた。この点は境江のプロ根性である。座席に足を組んで太ももをちらちらさせるので江藤はまいってしまった。

 

 江藤の心は境江に出会ってからおかしくなり欲望の渦ができてしまった。故に、弁護士業だけでなく貿易会社に手を出したのだった。

 

 その資本金として大金が必要となり銀行から借財したのだった。物価の安い中国へ服、雑品を作らせ輸出し日本で儲けようとした。だが、最初の頃は黒字であったが次第に赤字となったのである。その負債も億となり江藤は悪知恵を絞るように計画をしていった。ある会社の弁護士を受けていたがその会社の社員が不正を働き10億円の横領をしたのだった。

 その会社は一流でスキャンダルは怖がった。そこをついて脅したのが江藤だった。遊び使う金がほしかったのだろう。話は変わるが、

釈迦を迫害した堤婆達多は釈迦のいとこであったが、小さい頃から釈迦に敵対した。釈迦に与えられた白象を殺したりした。また、釈迦の弟子となったが、高慢となり退転し自分の教団を創ったのだった。人間は師を持ことによって成長もできる。例えば、野球でもコーチがいて悪い所を指摘され伸びてゆく。話は戻るが、江藤は遊びに夢中になり道徳を忘れてしまった。酒飲みながら師であった教団の師の悪口をいい、己が偉いと錯覚し遊びに溺れてしまった。

 そして、不良グループの2,3人に目をつけ弟分にしてしまったのだった。江藤は、堕落してしまい金儲けのことしか考えなかった。そして、社員の不正で江藤に脅された会社は、江藤を訴えたのであった。江藤は何回も何回も裁判所に出向き判決を待ったのだった。判決は」懲役3年であった。江藤はそれを聞いて目を閉じ先は恐ろしくなると震えたのだった。        終了