そんなこんながありながら、
ラストスパートの、
通し稽古がスタートしたのが、
小屋入りの1週間前でした。
通し・・・つまり、本番のように、
最初から最後までやってみる稽古です。
そう、「最初から最後まで」、
ノンストップです。
今回、とにかくケタ外れに大変だったのは、
私の弟子、由紀を演じる廣瀬響乃ちゃんでした。
・・・とにかく走り回る。
なにせ、<お茶>が!
<お茶>の量がハンパない!
ここでも、
ここでも、
こちらでも、
今回出した湯飲みやカップの数を、
あらためて数えてみたのですが、
なんと、全部で、23杯!
私はただ、
「由紀、お茶」と言っていれば済んだんですが、
いれて出す、由紀の方は本当に大変で。
それも、毎回、お茶っ葉も全部入れ替えて、
時にはハーブティーまでいれて。
そう、あのカモミールティー、本物だったんです!
普通、芝居で飲むお茶は、
最初から、急須やポットに、
ペットボトルのお茶を入れておきます。
時間短縮もありますが、
なにより、手間ががかるから。
でも主宰は、あえてそこにこだわりました。
さすがにお茶っ葉はティーバッグにしたものの、
お客様が来るたびに、
毎回、入れ替えていたんです。
主婦感覚から言えば、
あ~、まだ飲めるのにもったいない、
って思ったりしましたが、
お客様に出しガラは出せませんから。
たまたまキャストの1人が、仕事で静岡に行って、
掛川の深蒸し茶をごっそり買ってきてくれまして、
由紀が持っている、コレ・・・といっても、ブレててわかりませんが(笑)
彼女はこの缶を見せるために、
ここでも猛ダッシュして、滑り込んでいます(笑)
こうやって、深蒸し茶のくだりも、
本物の深蒸し茶を使っていましたが、
台詞のように、
「苦(にげ)じゃ!」
ということはなく、とっても美味しいお茶でした
が、味などは二の次、三の次。
通しになると、いよいよ厳しさが増すのです。
シーンごとの稽古なら、
シーンとシーンの間は関係ない。
でも、通しの場合は立て続け。
芝居しながら、ロスタイムを出さずに、
完璧にお茶を出し、それを片づける。
その結果がこんな感じ。
動きすぎて、写真におさまらない!(笑)
まだ若いのに、本当に力のある役者さんです。
なんですが・・・実は彼女。
もう一方では、なかなかの大らかタイプ。
ある日の休憩時間に、突然、
銀次郎役の高槻純さんに言ったのです。
「高槻さんて、パンパースの広告みたい」
「???」
(つづく)
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