羊飼いな日々

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アンデミルミル、初挑戦

2007-07-09 16:13:52 | 活動・手仕事講師

本日は毎月3回講師をしている、特別養護老人ホームでの仕事の日でした。

こちらでは、試行錯誤の末に、自分で出来る達成感を考えて、ペットボトル編み機で、リリアン編みのマフラーを、作り続けています。

継続は力也。まさにこのことを実感するのは、かなり進んだ認知症のOさんが、この編み機を前にすると、スイスイと編み始めるからです。

会場に入るまで、何をするのか、何があるのかすっかり忘れているOさんですが、編み機を見るなり編み始めます。ひたすらひたすら編みます。それも楽しそうに。

このOさんは、もともと和裁の先生でした。何年か前、認知症もあまり進んでいない頃は、縫い物にも取り組んでいたのですが、なぜか、認知症が進むにつれ、縫う作業ができなくなりました。単純なようでいてかなり思考力を使うのが手縫いです。何を作るのかによって縫い方を考えたり、順序も考えなければなりません。認知があるので、何を作るかがわからなくなってしまうOさんには、無理になってきたのでしょう。そして、本人も出来ないことに、イラつきを覚え、さらには手を貸す介護者にも嫌な顔をしていたものです。

和裁の先生をしていても、出来なくなってしまう。しかし、このリリアン編みは違います。単純な作業です。でも編み進んでいくうちに、ちゃんとマフラーとして完成する。編んでいくと毛糸がなくなるので、自分の進み方も目に見える。とてもいいのです。

Oさんの場合、自分で何かが出来るということに、とても満足感があるようです。これには、介護に携わっている方も、本当にビックリされます。

Img_3922 また、今回は、右片麻痺のYさんが、いよいよ帽子づくりに挑戦を始めました。アンデミルミルという器材を使って作ります。左の手で、最初はゆっくりと、しだいにどんどん編み始めていきます。この方は、最近自分の部屋に編み機を持ち込み、手の開いた時間に編むようになりました。とても楽しいそうです。両手が使えなくても、片手で十分編物が出来るということが、うれしいらしいのです。その様子はクリップライフでご覧ください。

現在、こちらの施設では、3名のお年寄りがアンデミルミルを使っての帽子作りをしています。片麻痺の方が2名。弱視の方が1名です。

Img_3925 みなさんペットボトル編み機でのマフラーづくりに慣れて、前向きにどんどん挑戦する気持ちが出てきたようで、うれしい限り。普通に編物が出来る人であれば、逆にあまり必要がない器具ですが、このようなお年寄りにとっては、とても素晴らしいものです。手の訓練の他、その方の生きがいにもなっています。

また、気をつけなければならないことは、あまりにも手を貸しすぎること。そして初めから完璧なものを目指さないことです。アンデミルミルに移行するまでには、何回かはペットボトル編み機でのマフラー作りを体験しておくのがいいようです。

とにかく、これからの生きがいづくりの第一歩である、自分で何かを作り上げること。そのための手助け、それが最高の支援であると思っています。


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