先日、山梨キッズゲルニカプロジェクト に親子で参加してきました。
たて3.5メートル横7.8メートルの巨大なキャンパスにみなで平和を描いていくという試みです。
南アルプス市という、我が家からは少し遠いところでしたが、夏休み最後のイベントとして楽しみに行ってきました。
今回は、近隣の中学校の生徒などがボランティア参加で狩りだされ、おそろいの体育着を着た中学生がたくさんいました。
また実行委員長が地元中学出身の大学生であり、大学生のボランティアもがんばってくれていました。
会場内には、今までに描かれたゲルニカの絵がたくさん飾られていて圧巻です。
色遣いなど、日本と違うと、感心。
ゲルニカ活動ではあまり見ないそうですが、これがまた迫力です。
滋賀県でのワークショップで子どもたちが書き上げたものだそうです。その場のみなのエネルギーがあります。
最初は一粒の種から始まり、成長し、大木になり実をつけて完成したのだそうです。
ストーリーを感じる素晴らしい作品ですね。
今回、近隣の中学生もたくさんボランティア参加してくれていました。
まじめでいい子たちだったのですが、これがあとでちょっと問題もありました。
娘羊も着替えて描き始めました。
虹谷から参加のRくんも、自分のイメージを描こうとかきはじめました。天才ですから。
ところが・・・・参加の中学生たちがまずかったというのがこの後、
仲間で来ているのが良くなかったのか、絵を描かずに遊び始めてしまいました。
夏休み中に体育着など着せられて呼び出されたうっぷんなのか、はしゃいでいるだけなのか、色と遊ぶという作業すらできない状態。
真中を陣取られて小さい子などもは周りでちょっと描くだけ。
せっかくR君が描いた絵も、どんどん消していってしまい、娘羊が怒っていました。
始終友達とふざけ、協力して描きあげようとか、絵に没頭するということもありませんでした。一人ひとりを見るととてもいい子たちなのに、なんでこうなってしまうんでしょうね。
滋賀県の中学生が描いた縦の絵で見るように、本当はみな実力はあるはずなのに、あまりの態度の差に愕然としてしまいます。
これが幼稚園、小学生のワークショップであれば、仕方ないのかもしれないですが、かえって小学生の方が絵に没頭して描けるのかもしれませんね。本当に残念。
このワークショップの前に説明会があり、先生が今回のテーマである「つながり」ということについて、質問をしたところ、中学生は誰ひとり意見を話せずマイクを向けてもうつむいているだけ、その中でR君は手をあげてきちんと意見を発表しました。
そういう場で自分を表現できず、仲間と群れた時にこのようになってしまう・・・。日頃押さえつけられ続けている日本の中学校の教育の問題点を見る思いです。
逆にわが娘羊やR君のような表現のできる子たちが生きにくいところになっているのではないかと思います。
そんなこともありましたが、めげずに描き続けていたR君と娘羊です。
最初は絵は厭がっていた息子羊も最後は参加し、楽しみました。良かった良かった。
このあと2回も転び、絵具だらけの服に、母は一瞬固まってしまったのでした。
もうひとつのデザインしたほうも、少しづつ進んでいましたが、ちんまりとまとまっていました。
何かが良くなかったのでしょうね。夏休み最後でみなくたびれていたのかもしれません。
この絵がどのようにまとめられて完成したのか、楽しみではあります。
それにしても、今回は絵もそうですが、違う意味で子どもの育ちについて考えさせられたイベントでした。
このキッズゲルニカのイベントは、各地中学校でも取り組まれていて、今回も展示がありましたが非常に素晴らしいものです。
丹波中学校の作品は、その中でもとても心惹かれる作品でしたが、聞けばこの学校は山の中で17名の生徒しかいないそうです。
それで3年間じっくりとみなで取り組み、卒業してもなおまだ書き加えたいという卒業生たちの思いがあり、まだ続いている作品とのこと。
そういう深みを絵からも感じられました。
今回の中学生たちも、一回限りの参加であったとしても、せっかくのこんな素晴らしい機会をふざけて終わったことは、とても残念なことでした。参加のみんなで協力して思い出に残るような作品にもできたのに。
後片付けなどとてもよく手伝ってくれて、それは素晴らしい活動でしたが、そんな風に思いました。