7月30日をもって、足掛け5年続けた、特別養護老人ホームの工作クラブの講師を終了いたしました。
始めたころは、まだオムツもとれていない息子をつれて、だましだまし仕事をしてきました。
そして、試行錯誤で、お年寄りが1人でも作業できるものを探し続けてきました。デイサービスのような通いの利用者さんと違い、自分で出来ることが少なく、機能的に作業の難しいお年寄りの方たちです。でも、介護者やヘルパーが手伝ってほとんどを作るのでは、意味がないと思ってきました。たまにはいいのでしょうが、なにか継続的に、そして出来上がったものが生活に役にたつもの。
それが編物でした。リリアン編みに取り組みはじめ、ペットボトルで編み機を作ることから始めました。最初に作り上げたのは、ちいさいレッグウォーマー。それでも、とても達成感のあるもの。そのうちに、弱視の方、片麻痺の方、パーキンソンの方、認知症の方がどんどんと上達され、少しづつですが、効果がでてきたのです。
弱視のMさんは、自分のベットに編み機を持ち込んでは、自費で毛糸を買い、知り合いに編んであげるという、喜びを見出しました。また、片麻痺のHさんは、以前は自分で編物を得意としていた方です。麻痺になり、何もできないと落ち込んでいたところ、この方法でマフラーを編み上げ、家族や知人にとても驚かれたのをきっかけに、自信がつきました。今は帽子に挑戦中です。
そして、パーキンソンのHさん。ご主人に、半年以上かけてマフラーを作り上げました。そしてクリスマスのプレゼントにしたのです。その時のご主人の喜びようは、大変なものだったそうです。最終日に、間に合うようにひとつマフラーが仕上がり、これをまたプレゼントすると、とてもうれしそうです。出来上がったマフラーをじっくりと眺め、チェックもしています。
そんな風に、様々なエピソードのある工作クラブ。正直、続けるのが困難な時期もありましたが、なんとかお年寄りの笑顔に支えられてがんばってこれました。
逆に、こちらがマイっているときには、お年寄りに癒されることもしばしばありました。
そんな日々も、当分お休みです。これから、勤めている施設の仕事、サークルの講師、ホメオパシーの勉強に集中していくつもりです。
お年寄りのみなさん、職員のみなさん、今まで、本当にありがとうございました。