出雲大社最終日。
色んな女の子から告白されるという素晴らしい夢を見ていたのですが、途中で目が覚めてしまいました。目が覚めた私が最初に感じたのは、痺れるような痛み。右肩から首にかけて、猛烈に痛い。そして吐き気。あかん、風邪をひいたか二日酔いか…。いったんトイレに行って、お茶で水分補給。起きてると痛みはそうでもないな。でも横になると猛烈に痛い。これは風邪なのか、二日酔いなのか…。色んな体制を試したら、左向きで頭を抱えるように腕を伸ばせば痛みが和らぐことが判明。それでも痛くて寝たり起きたりを繰り返す。ふと隣を見ると、ヤージーがスマホをいじってました。もうそんな時間か…。
ア「スゲー二日酔いなんだけど…」
ヤ「あれだけで!?」
ア「あれだけってさぁ、キミはアルコール3%を700mlで21mlだろ、オレは5%を500mlで25mlだ。オレのほうが多いぜ」
ヤ「誤差の範囲だろ…」
寝起きよりは多少治まったものの、吐き気と痛みがまだ残っている。お風呂に入って血行促進すれば回復するんじゃないかと、朝風呂へ。入れ替え無しで昨日と同じお風呂でした。長く入っても疲れるだけなので、さっと体温だけ上げで上がりました。今調べてみたら、朝風呂は二日酔いに良いらしいけど、気を付けないと倒れるっぽいね。ちゃんと水分とってたから良かったわ。
朝風呂のおかげか、だいぶ痛みもひいてきたので朝食へ。朝食はバイキング形式でしたよ。さすが、全体的にクオリティが高い。シジミのみそ汁がめっちゃうめぇ…。二日酔いにも良さげだし、おかわりしちゃったよ。強いて言えば、味付き海苔が欲しかったな…。
ア「そう言えばさ、昨日の仲居さん、二重あごじゃなかったぞ」
ヤ「え?そう?」
ア「それよりも、あんまり食べてないじゃないか。昨日の食欲はどうした」
ヤ「うん、なんでだろうね。結構これで満足」
それでも私の1.5倍くらい食べてるけどね。食事を終えて荷物をまとめて、名残惜しいけどチェックアウト。フロントに行くと『お車を準備しますので、しばらくお待ちください』とロビーで待機。そんな気を使ってもらうような輩じゃないんですけど…。
車が来たと言うことで正面入り口に行きますと、仲居さんが3人くらいお見送りをしていました。ホントすごいなー。荷物を積み込んで、さあ出発という段階で気づいたら、仲居さんが旅館内に戻ってた。うん、忙しいよね…。去り際に1人会釈してくれたし、1人は残ってお見送りしてくれたよ。後ろ髪をひかれつつ、颯爽と出発。ありがとう佳翠苑 皆美、さすが1人一泊19,400円もするだけある。素晴らしい宿でした。
出発して1分で停車ですけどね。ナビに行き先登録しないと。流石に、出入りの激しい正面でポチポチ設定はできないっす。本日の目的地は松江城。有名なお城ですからね。ヤージーがナビをいじっている間に勝手に私のiPhoneがナビと接続されたため、とりあえずiPhoneでBGMを流す。ultra soulを流したら『おすぎさんも持ってるなら先に言ってよ』と言われましたが、一昨日キミは何も言わなかったじゃないか…。
松江城までは30分かからず。お城のすぐそばの市営駐車場に車を停めて、さっそく観光開始。うん、体がダル重。座ってるのが良いのか涼しいのが良いのかわかりませんが、車の中では何ともなかったんだけどなぁ。今は動くのも億劫で、イヤな汗が止まらない。かといって体調悪いと言ってしまったらヤジが気を遣うし。とりあえず、何事もないように振る舞おう。
とりあえず中をウロウロ。うん、立派なお城だね。いくつかお城を見てきたけど、比較的いかつい印象。入館チケットの券売機付近から見るといい感じ。なんか親子連れが騒いでるけど、気にせず天守閣の中へ。中の展示物は、他のお城と大差ないね。江戸時代の博物館状態。一階の備蓄庫が比較的珍しかったな。
最上階は展望台状態。これも他のお城と一緒。だけど、ここは金網で塞がれてないよ。これは景色が見やすい!宍道湖も見えるし、街が一望できる。そして風が抜けて気持ちがいい…。今日は蒸し暑くて、最上階に来るまでにすでに汗かいているんだよ。
松江城ではテレビ撮影をしておりました。SBSだかBSSだか。チラホラ視界には入っていましたが、最上階で遂に遭遇。アナウンサーらしき女の子とカメラマンがガイドさんの話を聞いていたと思ったら、下りてしまいました。でもすぐに登ってきて、息を切らしながら『ようやく最上階に着きました…あー、見てください、宍道湖が良く見えます!』ってアンタ、息切らすほど登ってないし、さっきそこから景色見てたやないかい!テレビなんて嘘ばっかりだ…。あとは城内を少し見学して出発。結構端折ったけど、それでも1時間かかったねぇ。やっぱり観光は余裕をもってやるべきだ。
さ、次は今回の旅の目的地、出雲大社です。ようやくかよ!宍道湖の北側をひたすら西進。左手に宍道湖を眺めつつ、右手には田園風景。なんだろう、まさに田舎の夏って感じ。そんな中でヤージーセレクションのBGMが流れる。夏色を聞いて下り坂でブレーキ踏んだり、少年時代を聞いてノスタルジックな気分になったり、太陽おどり~新八王子音頭~を聞いて笑ったり。もちろんultra soulも流れたよ。ヤージーの趣味がわからん。
1時間ちょっと走ればもう出雲大社に到着。大駐車場に車を停めて、まずは腹ごしらえ。出雲そばを食べましょう。ヤージーセレクションの老舗へ。しかし遠い。蒸し暑さに二日酔いで、もうヘロヘロ。10分歩いてようやくたどり着いたお店は、混んではいるけど待つほどではない。早速注文だけど、食欲がそんなにないので軽めに。お蕎麦は美味しかったけど、麺つゆがちょっと薄くて麺も固めだった。正直、感動するレベルじゃなかった。ここにきてヤージーセレクションが外れたなぁ。
このお店、あとで調べたら物凄く混むんだってね。ラッキーでした。お蕎麦は定番メニューは美味しいけど、他はちょっとって書いてあった。なるほど、オレ定番外したわ。定番を食べたヤージーは『長野で食べた蕎麦の方が好み』って言ってたけど。あと、スゲー遠回りしてた。おのれヤジ…。
ちょっと残念なお昼を終えて、遂に出雲大社に参拝です。入り口の鳥居を激写しまくってたら、ヤージーが女の子二人組にシャッターを頼まれてた。でも写真撮って終了。
ア「おいぃぃ!そこはもっと声かけとけよ!これから見るんですか?僕らもなんですとかあるだろ!」
ヤ「えー?」
ア「まぁ、キミが声かけたところで、オレは全然タイプじゃなかったから一人で回るけど」
ヤ「だろー?」
大変失礼な連中です。それにしても暑い。今日雨の予報じゃなかったのかよ…。体調不良はだいぶ回復したのに汗だくだよ。中をウロウロしていると、絵馬が奉納されていました。どんな内容が書かれているのか気になるので、覗いてみました。
●誠実で優しい人と出会えますように
これ、本当に多かった。世の女性に言いたい、誠実で優しい人は腐るほどいるぞと。ただ、貴女方が学歴やら顔やらでフィルターかけてるだけだろうと。
●誠実で優しくてお金持ちでイケメンと結婚出来ますように
うむ、潔し。ここまでハッキリ言うなら許す。無理だと思うけど。
●○○さん(某アイドル)に私の想いが届きますように
これ、2つあった。2つ目はもっと深刻だった。おっさん、目を覚ませ。
基本的にはみんな『ステキな人と出会って結婚出来ますように』って感じ。一部、お礼や子宝のお願いもあったなぁ。驚いたのは、半分くらい住所氏名年齢を書いているんだよ。これ、犯罪に悪用されないのか…。若い女の子がここに住んでるって公言してるんだもの。まぁ、一部若くない子もありましたけど。住所書かなくても、神様なら場所くらいわかるんじゃないかな。サンタさんでもわかるんだし。
手を清めたら、遂に参拝!出雲大社は二礼四拍手一礼なんだって。お賽銭を奮発して、最後まで無事に旅が進むことと、健康と、良縁をお願いしました。あ、仕事頼んでねーや、だから最近ミスが多いのか。
ヤ「おすぎさん、見ろよ…万札が入ってるぜ」
ア「切羽詰まってるな…オレも奮発しちゃったけど」
ヤ「いくら?」
ア「100円と、ご縁があるように5円で合計105円だ!」
ヤ「少な…」
ア「なにおぅ!普段は10円なんだぞ!」
ここでは105円でしたが、出雲大社全体では315円でしたよ。意外と参拝するところがあって…。
気づけば急に雲行きが怪しくなってきまして、冷たい風が吹いてきました。こりゃ雨が来るなってことで、足早に参拝終了。縁結びのお守りを買って、一応参道を見学して撤収。予定より1時間も早く終わっちゃったんだぜ…。撤収する頃には雲が晴れてきたんだぜ…。
この旅も、遂に最後の観光地へ突入。出雲大社のさらに奥の日御碕へ。ここね、すごいよ。海岸線が崖なんだけど、柵なんて無いからね。そのままダイブ出来るよ。とりあえずヤージーと2時間サスペンスごっこをして遊びました。海が荒れて、雰囲気バッチリでした。
せっかく来たので、灯台も見物しましょう。中に入って螺旋階段を登ろうと思って上を見上げたら、そこにパンツがありました。黒に近い紺でしたが、セクシーなものではありませんでした。私は紳士ですから、一歩下がって何も見てない風を装いましたよ。
ヤ「……見た?」
ア「見た。黒だが、セクシーなヤツじゃなかった」
ヤ「でもあんまりタイプじゃなかったな」
ア「若いってだけで十分、眼福です」
この階段、160段くらいありまして。延々と左回りで登り続ける。とにかくあっちぃ。昨日に引き続いて、今日も汗だくかよ…もう替えのジーパンないよ。ヒーヒー言いながら登り切り、外に出たらもう快適っつーか風強い!めっちゃ煽られる…けど本当に気持ちいい。写真を撮りながら10分くらいボーっとしてました。景色がよくて、The 水平線!って感じ。若い子が灯台に入ったらすれ違うように降りようと狙っていましたが、若い子が来る気配もないので諦めて普通に降りました。
そこからずーっと歩いて日御碕神社を参拝して、『これで終わりかぁ…』と話しながら駐車場に戻ってきました。神社が結構距離があって疲れたわ。かなり時間を潰したとはいえ、それでも時間に余裕があるのでのんびり運転で帰りましょう。出雲市街に向けてドライブ。レンタカーを返す前に給油しないとね。『レギュラー満タン、現金でオートストップで』返す車に腹いっぱい給油する必要性などない!結局、この3日間で給油はこれだけ。結構走ったつもりだったけどなぁ。
レンタカー屋に到着。駅からちょっと離れているので、駅まで無料送迎してくれるんだよ。『このままこの車でお送りしますので、少々お待ちください』と言われたので車内待機。が、他のお客さんも来てしまったのでワゴンに乗り移らされました。何が楽しくてカップルと同乗せなあかんねん!と思わないことも無かったけど、出雲大社の神様が良縁を授けてくれるに違いないので我慢したよ。オレ、大人。
出雲市駅まで送ってもらって、あとは帰るだけ。帰る前に一っ風呂浴びますか!と駅前の日帰り温泉らんぷの湯へ。600円だよ、安いね。大きい荷物も預かってもらえるので、大変便利。ヤージーは汗でタオルが全滅したらしく、新しく買ってた。うん、思い出だよね。『誕生日の方無料!』って書いてあって喜んだけど、誕生日当日限りでした。オレ、明日が誕生日だよ。
お風呂は大浴場が1つと、屋外に1人用の檜風呂が3つ。結構こじんまり。浴室内のこの匂い、なんだろう。嗅いだ事あるんだけど…炭かな、いいにおいだなぁ。らんぷの湯というだけあって、照明はランプです。古き良き白熱電球なのか、それを模しているのかはわからないけど、いい雰囲気。時間はたっぷりあるので、ヤージーと屋外檜風呂でのんびり語り合いました。『あのマンションから丸見えじゃね』『あの建物、雰囲気怪しい』とかそんな感じ。いまさら真面目に何を語ると言うのか。
お風呂から出ると、東京は大雨だそうですね。東海道線が止まったり、東横線で線路の上を歩いていたり、大変ですねー。電車止まってると困るねー。湯上り休憩を終えて、次はお土産購入だ!ほとんどお土産買ってないから、ここで買っておかないと。幸い、駅に併設されたお土産売り場がありましたので、そこで買うよ。
うーん、やっぱり宍道湖のシジミは外せないよなぁ…あと、島根と言ったらやっぱり吉田くんだし…。悩んでいる私にヤージーが持ってきたのは【島根か鳥取かわからないけどそこら辺に行きました】パイ。即買いだよね。これは一発ギャグだから、もう一つ【日本で47番目に有名な島根県】と書かれた吉田くんクッキーも買おう。なんという自虐。『いいえ、砂漠はありません』と書かれた吉田くんストラップも捨てがたいけど、書かれているのが台紙なんだよなぁ。ストラップに書かれていたら即買いなのに。
結局、吉田くんばっかり買って終了。他に島根らしいお土産って、シジミかどじょうすくいまんじゅうだけなんだもの。勾玉とか貰っても困るっしょ。
あとは帰りの電車を待つだけ。そう、帰りは電車だよ。夕飯は駅弁を食べようと思っていたのに、『車内販売はありません』という無情な案内。仕方が無いので、駅前のポプラでお弁当を買おう。ポプラのお弁当は、ご飯をお店で炊いてるから美味しいらしいんだよ!
荷物があまりにも多いので、順番で買いに行きましょう。先にヤージーが行きました。10分後、残念な顔をして帰ってきました。『お弁当、全然無かった…。ご飯別のヤツは全滅だったよ…』えー、マジっすかー。電車が来るまであと10分も無いので、急いで私も買いに行きます。うん、確かに全然無い。つーかカレーしかねーじゃん。どうすっぺかなぁと悩んでいたら、お姉ちゃんが補充を始めました。ラッキー!大盛り弁当にしよっと。車内用のお酒とつまみを買って、急いで駅に戻りましょう。
これから乗る電車は、サンライズ出雲。行きに乗れなくて涙した電車でございます。わーい、寝台列車だー。ちょっと買い物で手間取ったので、乗り込むまで時間が無い。急いでホームへ行って、とりあえず写真を撮って早速部屋へ。お部屋はシングルツインというお部屋。2段ベッドみたいなお部屋だよ。しかし、列車内はガラガラ。流石に平日は使う人が少ないのかな。
問題は荷物をどう置くか。思った以上に狭い。2階席のヤージーは枕元に小物起きがあるのでそこにある程度置いて、バッグは足元に置いたみたい。私は枕元にお土産の袋と、階段の隙間にバッグを置かせてもらいました。ヤージーが降りるとき不便だけど、私のベッドを使えばあんまり困らんじゃろ。
とりあえずお腹が空いたのでご飯を食べよう。そう言えば体調が気にならなくなってるなぁ。お弁当が補充されたことをヤージーに伝え、彼をガッカリさせてあげました。そのお返しかはわかりませんが、部屋中に漂うカレー臭。加齢臭じゃないよ。お弁当は普通に美味しかった。
食べ終わったので列車内を散策。自販機とロビー見たいなスペースを発見。ここで弁当食べれば良かったな。進行方向左側の部屋なら宍道湖や日本海が見えたのでしょうが、我々の右側から見えるのは山だけ。唯一、玉造温泉が見えたのは良かったよ。あそこに泊まったんだなぁ。
やることも無いので、酒盛りを開始。二日酔いの再発が怖かったので、缶チューハイに逃げました。ほろ酔いの冷やし杏、美味しかったよ。酒盛りするのはいいんだけどさぁ、ヤージーが降りてこない。2段ベッドで別々で飲むってどうなのよ。下のベッドで飲めばいいのに。
気づけば外は真っ暗。車窓は真っ暗すぎて、自分の顔が反射しているだけ。室内灯を消せばうっすら山が見えるけど、暗くて眠くなるわ。反対側はいい景色なんだろうなぁと部屋のドアを開けたら、反対側の部屋でも酒盛りしてた。ドア全開で。気まずくなってそのまま閉めました。いつの間に乗車したんだろう、つーかドアくらい閉めとけや、つーかやっぱりああやって下のベッドで飲むべきだよな。色々思うことはありました。
途中でトイレに行ったときに気づいたけど、結構乗ってきてるね。みんな出雲市駅じゃなくて、松江とかで乗ってくるんだね。相変わらず部屋でダラダラと駄弁り続ける我々。お互い頭の向きを反対に寝転がって、窓の反射を使って顔を見てる感じ。やる気ゼロキログラム。
話の内容は、この旅の振り返り。東京国際空港でのまさかの遭遇から始まって、結構細かいところまで振り返ったなぁ…。薬研堀海戦だけは掘り返してほしくなかったけど。振り返ると全体的にヤージーセレクションが良かったよなぁ。ありがとう、ヤージー。
景色を見るために室内は暗いし、横になっているし、お酒も入っているしで眠い。とりあえず22時半に倉敷とか岡山に着くらしいので、文明を見届けるまでは頑張る。いつ寝落ちするかわからない状況に業を煮やしたのか、『ちょっと早いけど』とヤージーが誕生日ケーキを出してくれました。残念ながらコンビニにショートケーキがなかったそうで、お土産で売ってたチーズケーキです。ありがとう、誕生日まであと2時間あるけどありがとう。大変美味しかったし、キミの気遣いが嬉しいよ。オレが遠まわしに要求したんだけどさ。
出雲市駅を出発して3時間半、車窓に街並みが。途中、青い街灯ばっかりの街とか、謎の発光体の集団とか、西豊田駅予定地よりも広大な車両基地とか、それなりに見どころもあった。そしてついに、倉敷駅に到着。他の駅でもそうだったけど、駅に着いたからといってカーテンは閉めません。外から丸見えです。色んな人がガン見してきます。浴衣っぽいのを着た男がゴロゴロしているのはそりゃ滑稽でしょうよ。まぁ、無表情でガン見し返しますけど。
倉敷駅を出発して、すぐに岡山駅に到着。ももたろうランドはどこにあるんでしょうか。ここからは山陽本線を走るので海が見えるのでしょうが、既に真っ暗で何も見えん。街並みもある程度見えるのでしょうが、もう眠い。だって、今日は二日酔いで4時半起きだもの。ヤージーには申し訳ないけど、もう寝ます。ちょっと暑くて寝苦しいけど、おやすみなさい。
12時くらいに目を覚ます。汗びっしょりで寒い。なんで寒いのに汗かいてるんだよ。なんか兵庫とか言ってる。うー、さむさむ、お休み。
1時半くらいに目を覚ます。やっぱり汗びっしょりで寒い。室内にはエアコンのしょぼい吹き出し口と、ヒーターがあるだけ。温度設定なんてないよ。とりあえずエアコンの吹き出し口を閉めて、また寝よう。なんか大阪とか言ってるけど、おやすみなさい。
4時過ぎに目を覚ます。静岡だか富士宮だかに到着してた。うっすら明るいねぇ。頻繁に目が覚めるのは、室温調整が微妙なのと、思った以上に揺れるからだよ。楽しいけど寝心地は良くない。
6時半におはようございます。もう神奈川県だよ。大磯まで来てました。ボーっと車窓を眺めながら、ヤージーと『終わったねぇ…』『終わっちゃったねぇ』という会話を繰り返す。なんだか急に焦燥感に襲われた。寝台列車が楽しみすぎて、寝るまで旅の終わりって感じがしなかったからなぁ。因みに旅の始まりを感じたのは、呉駅に向かう車の中でした。遅っ。
着替え終わると横浜に到着。駅には、これから出勤するおじさんばかり。早くね!?まだ6時台だよ!?『さすが、企業戦士だな』ガンダムみたいに言うな…。荷造りをしているうちに多摩川を渡ってついに東京へ。はぁ…あっという間だったなぁ。7時8分、定刻通り東京駅に到着。ほぼ丸3日に及ぶ旅は、これにて終了。
家へと向かうヤージーと別れて、私は山手線で2駅のNew Bridge駅へ。このまま出勤だよ!会社で朝食食べて顔洗って歯を磨いて寝癖直して髭剃って、そのまま仕事だよ!山のようなメールに辟易しながら、いい旅だったと思い返すのでございました。
いや、ホントにいい旅だったよ。一人旅とも、集団旅行とも全然違う二人旅。一人旅ほど自由じゃないけど、感動共有できる人がいる。集団旅行ほどワイワイはしないけど、普段出来ないような話をしたりする。なかなか面白いもんだった。
来年こそ、海に行こうという話をしました。どうせみんな予定がーとかお金がーと言うと思うので、また二人旅かもしれませんね。
ヤ「そういっておすぎさん、彼女作って『彼女がダメって言うから』とか言って断るんだろ!」
ア「いやいや、友情と恋愛は両立するもんでしょう!」
既に彼女が出来るつもりのこいつをなんとかしたほうがいいと思う。
色んな女の子から告白されるという素晴らしい夢を見ていたのですが、途中で目が覚めてしまいました。目が覚めた私が最初に感じたのは、痺れるような痛み。右肩から首にかけて、猛烈に痛い。そして吐き気。あかん、風邪をひいたか二日酔いか…。いったんトイレに行って、お茶で水分補給。起きてると痛みはそうでもないな。でも横になると猛烈に痛い。これは風邪なのか、二日酔いなのか…。色んな体制を試したら、左向きで頭を抱えるように腕を伸ばせば痛みが和らぐことが判明。それでも痛くて寝たり起きたりを繰り返す。ふと隣を見ると、ヤージーがスマホをいじってました。もうそんな時間か…。
ア「スゲー二日酔いなんだけど…」
ヤ「あれだけで!?」
ア「あれだけってさぁ、キミはアルコール3%を700mlで21mlだろ、オレは5%を500mlで25mlだ。オレのほうが多いぜ」
ヤ「誤差の範囲だろ…」
寝起きよりは多少治まったものの、吐き気と痛みがまだ残っている。お風呂に入って血行促進すれば回復するんじゃないかと、朝風呂へ。入れ替え無しで昨日と同じお風呂でした。長く入っても疲れるだけなので、さっと体温だけ上げで上がりました。今調べてみたら、朝風呂は二日酔いに良いらしいけど、気を付けないと倒れるっぽいね。ちゃんと水分とってたから良かったわ。
朝風呂のおかげか、だいぶ痛みもひいてきたので朝食へ。朝食はバイキング形式でしたよ。さすが、全体的にクオリティが高い。シジミのみそ汁がめっちゃうめぇ…。二日酔いにも良さげだし、おかわりしちゃったよ。強いて言えば、味付き海苔が欲しかったな…。
ア「そう言えばさ、昨日の仲居さん、二重あごじゃなかったぞ」
ヤ「え?そう?」
ア「それよりも、あんまり食べてないじゃないか。昨日の食欲はどうした」
ヤ「うん、なんでだろうね。結構これで満足」
それでも私の1.5倍くらい食べてるけどね。食事を終えて荷物をまとめて、名残惜しいけどチェックアウト。フロントに行くと『お車を準備しますので、しばらくお待ちください』とロビーで待機。そんな気を使ってもらうような輩じゃないんですけど…。
車が来たと言うことで正面入り口に行きますと、仲居さんが3人くらいお見送りをしていました。ホントすごいなー。荷物を積み込んで、さあ出発という段階で気づいたら、仲居さんが旅館内に戻ってた。うん、忙しいよね…。去り際に1人会釈してくれたし、1人は残ってお見送りしてくれたよ。後ろ髪をひかれつつ、颯爽と出発。ありがとう佳翠苑 皆美、さすが1人一泊19,400円もするだけある。素晴らしい宿でした。
出発して1分で停車ですけどね。ナビに行き先登録しないと。流石に、出入りの激しい正面でポチポチ設定はできないっす。本日の目的地は松江城。有名なお城ですからね。ヤージーがナビをいじっている間に勝手に私のiPhoneがナビと接続されたため、とりあえずiPhoneでBGMを流す。ultra soulを流したら『おすぎさんも持ってるなら先に言ってよ』と言われましたが、一昨日キミは何も言わなかったじゃないか…。
松江城までは30分かからず。お城のすぐそばの市営駐車場に車を停めて、さっそく観光開始。うん、体がダル重。座ってるのが良いのか涼しいのが良いのかわかりませんが、車の中では何ともなかったんだけどなぁ。今は動くのも億劫で、イヤな汗が止まらない。かといって体調悪いと言ってしまったらヤジが気を遣うし。とりあえず、何事もないように振る舞おう。
とりあえず中をウロウロ。うん、立派なお城だね。いくつかお城を見てきたけど、比較的いかつい印象。入館チケットの券売機付近から見るといい感じ。なんか親子連れが騒いでるけど、気にせず天守閣の中へ。中の展示物は、他のお城と大差ないね。江戸時代の博物館状態。一階の備蓄庫が比較的珍しかったな。
最上階は展望台状態。これも他のお城と一緒。だけど、ここは金網で塞がれてないよ。これは景色が見やすい!宍道湖も見えるし、街が一望できる。そして風が抜けて気持ちがいい…。今日は蒸し暑くて、最上階に来るまでにすでに汗かいているんだよ。
松江城ではテレビ撮影をしておりました。SBSだかBSSだか。チラホラ視界には入っていましたが、最上階で遂に遭遇。アナウンサーらしき女の子とカメラマンがガイドさんの話を聞いていたと思ったら、下りてしまいました。でもすぐに登ってきて、息を切らしながら『ようやく最上階に着きました…あー、見てください、宍道湖が良く見えます!』ってアンタ、息切らすほど登ってないし、さっきそこから景色見てたやないかい!テレビなんて嘘ばっかりだ…。あとは城内を少し見学して出発。結構端折ったけど、それでも1時間かかったねぇ。やっぱり観光は余裕をもってやるべきだ。
さ、次は今回の旅の目的地、出雲大社です。ようやくかよ!宍道湖の北側をひたすら西進。左手に宍道湖を眺めつつ、右手には田園風景。なんだろう、まさに田舎の夏って感じ。そんな中でヤージーセレクションのBGMが流れる。夏色を聞いて下り坂でブレーキ踏んだり、少年時代を聞いてノスタルジックな気分になったり、太陽おどり~新八王子音頭~を聞いて笑ったり。もちろんultra soulも流れたよ。ヤージーの趣味がわからん。
1時間ちょっと走ればもう出雲大社に到着。大駐車場に車を停めて、まずは腹ごしらえ。出雲そばを食べましょう。ヤージーセレクションの老舗へ。しかし遠い。蒸し暑さに二日酔いで、もうヘロヘロ。10分歩いてようやくたどり着いたお店は、混んではいるけど待つほどではない。早速注文だけど、食欲がそんなにないので軽めに。お蕎麦は美味しかったけど、麺つゆがちょっと薄くて麺も固めだった。正直、感動するレベルじゃなかった。ここにきてヤージーセレクションが外れたなぁ。
このお店、あとで調べたら物凄く混むんだってね。ラッキーでした。お蕎麦は定番メニューは美味しいけど、他はちょっとって書いてあった。なるほど、オレ定番外したわ。定番を食べたヤージーは『長野で食べた蕎麦の方が好み』って言ってたけど。あと、スゲー遠回りしてた。おのれヤジ…。
ちょっと残念なお昼を終えて、遂に出雲大社に参拝です。入り口の鳥居を激写しまくってたら、ヤージーが女の子二人組にシャッターを頼まれてた。でも写真撮って終了。
ア「おいぃぃ!そこはもっと声かけとけよ!これから見るんですか?僕らもなんですとかあるだろ!」
ヤ「えー?」
ア「まぁ、キミが声かけたところで、オレは全然タイプじゃなかったから一人で回るけど」
ヤ「だろー?」
大変失礼な連中です。それにしても暑い。今日雨の予報じゃなかったのかよ…。体調不良はだいぶ回復したのに汗だくだよ。中をウロウロしていると、絵馬が奉納されていました。どんな内容が書かれているのか気になるので、覗いてみました。
●誠実で優しい人と出会えますように
これ、本当に多かった。世の女性に言いたい、誠実で優しい人は腐るほどいるぞと。ただ、貴女方が学歴やら顔やらでフィルターかけてるだけだろうと。
●誠実で優しくてお金持ちでイケメンと結婚出来ますように
うむ、潔し。ここまでハッキリ言うなら許す。無理だと思うけど。
●○○さん(某アイドル)に私の想いが届きますように
これ、2つあった。2つ目はもっと深刻だった。おっさん、目を覚ませ。
基本的にはみんな『ステキな人と出会って結婚出来ますように』って感じ。一部、お礼や子宝のお願いもあったなぁ。驚いたのは、半分くらい住所氏名年齢を書いているんだよ。これ、犯罪に悪用されないのか…。若い女の子がここに住んでるって公言してるんだもの。まぁ、一部若くない子もありましたけど。住所書かなくても、神様なら場所くらいわかるんじゃないかな。サンタさんでもわかるんだし。
手を清めたら、遂に参拝!出雲大社は二礼四拍手一礼なんだって。お賽銭を奮発して、最後まで無事に旅が進むことと、健康と、良縁をお願いしました。あ、仕事頼んでねーや、だから最近ミスが多いのか。
ヤ「おすぎさん、見ろよ…万札が入ってるぜ」
ア「切羽詰まってるな…オレも奮発しちゃったけど」
ヤ「いくら?」
ア「100円と、ご縁があるように5円で合計105円だ!」
ヤ「少な…」
ア「なにおぅ!普段は10円なんだぞ!」
ここでは105円でしたが、出雲大社全体では315円でしたよ。意外と参拝するところがあって…。
気づけば急に雲行きが怪しくなってきまして、冷たい風が吹いてきました。こりゃ雨が来るなってことで、足早に参拝終了。縁結びのお守りを買って、一応参道を見学して撤収。予定より1時間も早く終わっちゃったんだぜ…。撤収する頃には雲が晴れてきたんだぜ…。
この旅も、遂に最後の観光地へ突入。出雲大社のさらに奥の日御碕へ。ここね、すごいよ。海岸線が崖なんだけど、柵なんて無いからね。そのままダイブ出来るよ。とりあえずヤージーと2時間サスペンスごっこをして遊びました。海が荒れて、雰囲気バッチリでした。
せっかく来たので、灯台も見物しましょう。中に入って螺旋階段を登ろうと思って上を見上げたら、そこにパンツがありました。黒に近い紺でしたが、セクシーなものではありませんでした。私は紳士ですから、一歩下がって何も見てない風を装いましたよ。
ヤ「……見た?」
ア「見た。黒だが、セクシーなヤツじゃなかった」
ヤ「でもあんまりタイプじゃなかったな」
ア「若いってだけで十分、眼福です」
この階段、160段くらいありまして。延々と左回りで登り続ける。とにかくあっちぃ。昨日に引き続いて、今日も汗だくかよ…もう替えのジーパンないよ。ヒーヒー言いながら登り切り、外に出たらもう快適っつーか風強い!めっちゃ煽られる…けど本当に気持ちいい。写真を撮りながら10分くらいボーっとしてました。景色がよくて、The 水平線!って感じ。若い子が灯台に入ったらすれ違うように降りようと狙っていましたが、若い子が来る気配もないので諦めて普通に降りました。
そこからずーっと歩いて日御碕神社を参拝して、『これで終わりかぁ…』と話しながら駐車場に戻ってきました。神社が結構距離があって疲れたわ。かなり時間を潰したとはいえ、それでも時間に余裕があるのでのんびり運転で帰りましょう。出雲市街に向けてドライブ。レンタカーを返す前に給油しないとね。『レギュラー満タン、現金でオートストップで』返す車に腹いっぱい給油する必要性などない!結局、この3日間で給油はこれだけ。結構走ったつもりだったけどなぁ。
レンタカー屋に到着。駅からちょっと離れているので、駅まで無料送迎してくれるんだよ。『このままこの車でお送りしますので、少々お待ちください』と言われたので車内待機。が、他のお客さんも来てしまったのでワゴンに乗り移らされました。何が楽しくてカップルと同乗せなあかんねん!と思わないことも無かったけど、出雲大社の神様が良縁を授けてくれるに違いないので我慢したよ。オレ、大人。
出雲市駅まで送ってもらって、あとは帰るだけ。帰る前に一っ風呂浴びますか!と駅前の日帰り温泉らんぷの湯へ。600円だよ、安いね。大きい荷物も預かってもらえるので、大変便利。ヤージーは汗でタオルが全滅したらしく、新しく買ってた。うん、思い出だよね。『誕生日の方無料!』って書いてあって喜んだけど、誕生日当日限りでした。オレ、明日が誕生日だよ。
お風呂は大浴場が1つと、屋外に1人用の檜風呂が3つ。結構こじんまり。浴室内のこの匂い、なんだろう。嗅いだ事あるんだけど…炭かな、いいにおいだなぁ。らんぷの湯というだけあって、照明はランプです。古き良き白熱電球なのか、それを模しているのかはわからないけど、いい雰囲気。時間はたっぷりあるので、ヤージーと屋外檜風呂でのんびり語り合いました。『あのマンションから丸見えじゃね』『あの建物、雰囲気怪しい』とかそんな感じ。いまさら真面目に何を語ると言うのか。
お風呂から出ると、東京は大雨だそうですね。東海道線が止まったり、東横線で線路の上を歩いていたり、大変ですねー。電車止まってると困るねー。湯上り休憩を終えて、次はお土産購入だ!ほとんどお土産買ってないから、ここで買っておかないと。幸い、駅に併設されたお土産売り場がありましたので、そこで買うよ。
うーん、やっぱり宍道湖のシジミは外せないよなぁ…あと、島根と言ったらやっぱり吉田くんだし…。悩んでいる私にヤージーが持ってきたのは【島根か鳥取かわからないけどそこら辺に行きました】パイ。即買いだよね。これは一発ギャグだから、もう一つ【日本で47番目に有名な島根県】と書かれた吉田くんクッキーも買おう。なんという自虐。『いいえ、砂漠はありません』と書かれた吉田くんストラップも捨てがたいけど、書かれているのが台紙なんだよなぁ。ストラップに書かれていたら即買いなのに。
結局、吉田くんばっかり買って終了。他に島根らしいお土産って、シジミかどじょうすくいまんじゅうだけなんだもの。勾玉とか貰っても困るっしょ。
あとは帰りの電車を待つだけ。そう、帰りは電車だよ。夕飯は駅弁を食べようと思っていたのに、『車内販売はありません』という無情な案内。仕方が無いので、駅前のポプラでお弁当を買おう。ポプラのお弁当は、ご飯をお店で炊いてるから美味しいらしいんだよ!
荷物があまりにも多いので、順番で買いに行きましょう。先にヤージーが行きました。10分後、残念な顔をして帰ってきました。『お弁当、全然無かった…。ご飯別のヤツは全滅だったよ…』えー、マジっすかー。電車が来るまであと10分も無いので、急いで私も買いに行きます。うん、確かに全然無い。つーかカレーしかねーじゃん。どうすっぺかなぁと悩んでいたら、お姉ちゃんが補充を始めました。ラッキー!大盛り弁当にしよっと。車内用のお酒とつまみを買って、急いで駅に戻りましょう。
これから乗る電車は、サンライズ出雲。行きに乗れなくて涙した電車でございます。わーい、寝台列車だー。ちょっと買い物で手間取ったので、乗り込むまで時間が無い。急いでホームへ行って、とりあえず写真を撮って早速部屋へ。お部屋はシングルツインというお部屋。2段ベッドみたいなお部屋だよ。しかし、列車内はガラガラ。流石に平日は使う人が少ないのかな。
問題は荷物をどう置くか。思った以上に狭い。2階席のヤージーは枕元に小物起きがあるのでそこにある程度置いて、バッグは足元に置いたみたい。私は枕元にお土産の袋と、階段の隙間にバッグを置かせてもらいました。ヤージーが降りるとき不便だけど、私のベッドを使えばあんまり困らんじゃろ。
とりあえずお腹が空いたのでご飯を食べよう。そう言えば体調が気にならなくなってるなぁ。お弁当が補充されたことをヤージーに伝え、彼をガッカリさせてあげました。そのお返しかはわかりませんが、部屋中に漂うカレー臭。加齢臭じゃないよ。お弁当は普通に美味しかった。
食べ終わったので列車内を散策。自販機とロビー見たいなスペースを発見。ここで弁当食べれば良かったな。進行方向左側の部屋なら宍道湖や日本海が見えたのでしょうが、我々の右側から見えるのは山だけ。唯一、玉造温泉が見えたのは良かったよ。あそこに泊まったんだなぁ。
やることも無いので、酒盛りを開始。二日酔いの再発が怖かったので、缶チューハイに逃げました。ほろ酔いの冷やし杏、美味しかったよ。酒盛りするのはいいんだけどさぁ、ヤージーが降りてこない。2段ベッドで別々で飲むってどうなのよ。下のベッドで飲めばいいのに。
気づけば外は真っ暗。車窓は真っ暗すぎて、自分の顔が反射しているだけ。室内灯を消せばうっすら山が見えるけど、暗くて眠くなるわ。反対側はいい景色なんだろうなぁと部屋のドアを開けたら、反対側の部屋でも酒盛りしてた。ドア全開で。気まずくなってそのまま閉めました。いつの間に乗車したんだろう、つーかドアくらい閉めとけや、つーかやっぱりああやって下のベッドで飲むべきだよな。色々思うことはありました。
途中でトイレに行ったときに気づいたけど、結構乗ってきてるね。みんな出雲市駅じゃなくて、松江とかで乗ってくるんだね。相変わらず部屋でダラダラと駄弁り続ける我々。お互い頭の向きを反対に寝転がって、窓の反射を使って顔を見てる感じ。やる気ゼロキログラム。
話の内容は、この旅の振り返り。東京国際空港でのまさかの遭遇から始まって、結構細かいところまで振り返ったなぁ…。薬研堀海戦だけは掘り返してほしくなかったけど。振り返ると全体的にヤージーセレクションが良かったよなぁ。ありがとう、ヤージー。
景色を見るために室内は暗いし、横になっているし、お酒も入っているしで眠い。とりあえず22時半に倉敷とか岡山に着くらしいので、文明を見届けるまでは頑張る。いつ寝落ちするかわからない状況に業を煮やしたのか、『ちょっと早いけど』とヤージーが誕生日ケーキを出してくれました。残念ながらコンビニにショートケーキがなかったそうで、お土産で売ってたチーズケーキです。ありがとう、誕生日まであと2時間あるけどありがとう。大変美味しかったし、キミの気遣いが嬉しいよ。オレが遠まわしに要求したんだけどさ。
出雲市駅を出発して3時間半、車窓に街並みが。途中、青い街灯ばっかりの街とか、謎の発光体の集団とか、西豊田駅予定地よりも広大な車両基地とか、それなりに見どころもあった。そしてついに、倉敷駅に到着。他の駅でもそうだったけど、駅に着いたからといってカーテンは閉めません。外から丸見えです。色んな人がガン見してきます。浴衣っぽいのを着た男がゴロゴロしているのはそりゃ滑稽でしょうよ。まぁ、無表情でガン見し返しますけど。
倉敷駅を出発して、すぐに岡山駅に到着。ももたろうランドはどこにあるんでしょうか。ここからは山陽本線を走るので海が見えるのでしょうが、既に真っ暗で何も見えん。街並みもある程度見えるのでしょうが、もう眠い。だって、今日は二日酔いで4時半起きだもの。ヤージーには申し訳ないけど、もう寝ます。ちょっと暑くて寝苦しいけど、おやすみなさい。
12時くらいに目を覚ます。汗びっしょりで寒い。なんで寒いのに汗かいてるんだよ。なんか兵庫とか言ってる。うー、さむさむ、お休み。
1時半くらいに目を覚ます。やっぱり汗びっしょりで寒い。室内にはエアコンのしょぼい吹き出し口と、ヒーターがあるだけ。温度設定なんてないよ。とりあえずエアコンの吹き出し口を閉めて、また寝よう。なんか大阪とか言ってるけど、おやすみなさい。
4時過ぎに目を覚ます。静岡だか富士宮だかに到着してた。うっすら明るいねぇ。頻繁に目が覚めるのは、室温調整が微妙なのと、思った以上に揺れるからだよ。楽しいけど寝心地は良くない。
6時半におはようございます。もう神奈川県だよ。大磯まで来てました。ボーっと車窓を眺めながら、ヤージーと『終わったねぇ…』『終わっちゃったねぇ』という会話を繰り返す。なんだか急に焦燥感に襲われた。寝台列車が楽しみすぎて、寝るまで旅の終わりって感じがしなかったからなぁ。因みに旅の始まりを感じたのは、呉駅に向かう車の中でした。遅っ。
着替え終わると横浜に到着。駅には、これから出勤するおじさんばかり。早くね!?まだ6時台だよ!?『さすが、企業戦士だな』ガンダムみたいに言うな…。荷造りをしているうちに多摩川を渡ってついに東京へ。はぁ…あっという間だったなぁ。7時8分、定刻通り東京駅に到着。ほぼ丸3日に及ぶ旅は、これにて終了。
家へと向かうヤージーと別れて、私は山手線で2駅のNew Bridge駅へ。このまま出勤だよ!会社で朝食食べて顔洗って歯を磨いて寝癖直して髭剃って、そのまま仕事だよ!山のようなメールに辟易しながら、いい旅だったと思い返すのでございました。
いや、ホントにいい旅だったよ。一人旅とも、集団旅行とも全然違う二人旅。一人旅ほど自由じゃないけど、感動共有できる人がいる。集団旅行ほどワイワイはしないけど、普段出来ないような話をしたりする。なかなか面白いもんだった。
来年こそ、海に行こうという話をしました。どうせみんな予定がーとかお金がーと言うと思うので、また二人旅かもしれませんね。
ヤ「そういっておすぎさん、彼女作って『彼女がダメって言うから』とか言って断るんだろ!」
ア「いやいや、友情と恋愛は両立するもんでしょう!」
既に彼女が出来るつもりのこいつをなんとかしたほうがいいと思う。