水戸黄門は、中年以上の年齢層では、特に人気の高いドラマなのですね。TVドラマの中で、これ程、国民にうけたドラマは、無かったのではないでしょうか?徳川家の家系を継ぐ水戸藩主ではあるのですが、なんで、幕府の要職に明記されていない「副将軍」を名乗ることが出来たのでしょうか?ご存知「江戸幕府」の階層は、トップはもちろん、将軍であり、それを補佐するのは老中という地位の人間なのです。臨時に大老とう臨時役職を設置することもありましたが、幕府の階層に、将軍を補佐する「副将軍」と言う役職は無いのです。副将軍とは、征夷大将軍の副官として軍を統率する武官であり、古くは「日本書紀」にも見られ、701(大宝元)年に制定された大宝律令にも明記されている職責です。江戸時代では、徳川家康が1615年に定めた「公武法制応勅十八箇条」が根拠となります。この中に、「尾張徳川家、紀伊徳川家、将軍家を御三家という。将軍があるまじき悪政を布いた場合、尾張、紀伊から将軍を立てることが出来る。水戸家からは、将軍を立てることは出来ないが、副将軍という職責をもって、将軍を交代する際には、その指図を行う」と記載されている。御三家には、含まれていない水戸家は、将軍の監視、いわばお目付け役の責務が「副将軍」として与えられていたのである。これが、今日まで、幕府の要職にない「副将軍」という職責を、水戸家が名乗ってきたいわれである。
「黄門」とは、中国の秦・漢時代の官職名「黄門侍郎」のことであり、その職場であった宮廷の門扉が黄色に塗られていたことを語源としている。そして、日本では、この「黄門侍郎」に職務内容が酷似していた中納言のことを「黄門」と呼ぶようになった。つまり、水戸黄門は、水戸の中納言の意味なのである。古来の日本では、特に目上の人に対して本名で呼ぶことがタブーとされていたので、徳川光圀のことを、藩名である水戸と、官位である黄門とを組み合わせて、「水戸黄門」と呼称していたものと思われる。光圀の死後、「天が下 二つの宝つきはてぬ 佐渡の金山 水戸の黄門」という狂歌で庶民が称えていたことも事実なのである。
・水戸黄門主題歌「ああ、人生に涙あり」の映像はこちら>>http://jp.youtube.com/watch?v=9Iy4RlwWQ-0&feature=related
『崖の上のポニョ』は、興行成績・観客動員数、共に順調に記録を伸ばしていますね。私は、このアニメを、まだ観てはいないのですが、家族はいち早く試写会で観賞しています。この映画は、すべては手作業によるアニメ画で構成するという気の遠くなるような工程を踏んでいる作品なのです。今日のアニメ映画といえば、ピクサーCG最新作「カンフー・パンダ」、以前では、「モンスター・ハウス」「トイ・ストーリー」「森のリトル・ギャング」等に代表される様に、CGが主流となってきています。実写の映画が、VFX主流のように、派手な画面構成は、これらの最新技術を使うことで、非常に大きく、広域なバリエーションを展開することが出来るのです。この風潮を排除して、全く手作りの作画による、古のアニメを映画化しようとした宮崎駿監督の真意は何だったのでしょうかね?これまでの、現実離れした、見せるだけの映像に反逆したのだろうと思います。この『崖の上のポニョ』は、手作り作品らしく、非常にソフトな、優しい映像を見せてくれています。主人公が動くたびに、思わず目で追いたくなる願望がある映像なのです。ここに、宮崎監督の、作品に対する思いが感じ取れます。この優しい映像を最重要に考えての作品展開、また、海の描写に相当の時間と労力を掛けたといわれていますので、ここにも相当なこだわりがありますね。これらの思いの中で、この数年ぶりのジブリ作品が完成し、公開となったのです。
しかし、この『崖の上のポニョ』には、おまけが2つ付きました。1つは、イタリアのベネチュア国際映画祭のコンペティション部門の参加作品に選ばれたこと、もう一つは、この主題歌を歌う「大橋のぞみ(8歳)」ちゃんが、オリコンの10位以内入賞を果たしたのです。このオリコンは、時節の最も注目を浴びた楽曲が選定されますので、文字通り、街で歌われているベスト・テンと言えるのです。10歳未満のオリコン10位以内のランキングは、「黒猫のタンゴ」の皆川おさむ、「山口さん家のツトムくん」の斎藤こずえ以来のランクインで、30年以上の間隙を埋めた画期的な歌となったのです。この歌、CMでも随分かかっていますが、1度聞いただけで、頭にこびりつく様な感じになりますね。この手のCMでは、「パラボラ・アンテナ」のCMがそうでした。ちょっと色っぽい女性が、「見えすぎちゃって困るの~・・・。」と歌うあのCMに匹敵しますよね。
-<記事抜粋>-
アニメ界の巨匠、宮崎駿監督(67)の最新作「崖の上のポニョ」の公開3日間の成績が22日発表された。動員数125万1107人、興収15億7581万7355円を記録。興収304億円の日本記録を持つ「千と千尋の神隠し」の123万4368人、16億3115万500円と比べ、動員は101.4%とわずかに上回った。
♪ポ~ニョ、ポニョポニョ-と、「藤岡藤巻と大橋のぞみ」が歌う主題歌も急上昇。オリコンの最新デイリーチャートで1位を獲得。週間では前週の24位から6位へジャンプアップした。
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ベネチュア国際映画祭での日本映画(含むアニメ)3作品推薦は、初めてのことで、快挙ですね。カンヌ映画祭、アカデミー賞に、このところに日本人俳優・女優や作品がノミネートされることが増えましたが、日本の世界的水準が高まったことの表れだろうと思います。日本映画といえば、黒澤明監督作品が、最高との評価となっていますが、どっこい、まだまだ、著名な人材は多いのです。これからが、国際的日本人の出番といっても過言ではないのです。
・「崖の上のポニョ」の映像と歌はこちら>>http://jp.youtube.com/watch?v=OxkNy9lfuWY&feature=related