人は何故、映画を観るのでしょうか?大衆演劇と同様に、娯楽のひとつという人もいます。しかし、私は映画は、人類の叡智の結晶であり、崇高な芸術なのだと思います。映画に、人は笑い、泣き、喜び、悲しみ、感動を覚えるのです。こんな感情を得るものは、他にあるでしょうか?確かに、小説を読むこと、舞台を観劇すること、クラシック音楽を聴くことも、大きな感動があります。しかし、映画のようなスケール感は無いのではないかと思います。映画は、実際にある世界を目の前に再現するかのような迫力があります。その映像の世界に、自分自身が埋没するかのような、激しく、優しい思いが感じられるのです。
何故、映画を観るの?という問いには、私はこう答えます。自分自身の感性や人生観を豊かにしてくれる、自分自身の空想にも及ばないリアリティーな世界がある、落ち込んだり挫折しそうな時に勇気を与えてくれる・・・、それが映画なのです。水野晴郎(故人)が、「映画って、本当に良いものですね〜。」と言っていた通り、映画と言う世界は、人間に大きなインパクトを与えます。チャーリー・チャップリンが、無声映画の時代を築いた時から、人間には無くてはならない映像の世界に発展して来たのです。現在では、CGやVFX等の技術が進歩し、本当に現実の映像が目の前に展開されているかのような、実際の映像に近いものが映し出されるのです。この世界は、本当に素晴らしい世界だと感じますね。人間の喜怒哀楽が、老若男女を問わず、感性を大きく刺激してくれるのです。これほどのものなので、映画は観たいものなのです。毎年、多くの映画が創られます。毎年、違った感動を、多くの人に与え続けている、それが映画なのです。
そんな、素晴らしい映画には、素晴らしい音楽が付きものです。映画のシーンを崇高なものに高めてくれる音楽を、映像と共に聴いてみようと思うのです。その映画を観た当時の、溢れんばかりの思いが、きっと込み上げてくることでしょう!!
1.「パピヨン」
私が、今も尚、自分自身で最高傑作作品だと思っている映画です。1973年フランス制作のこの映画には、本当に感動を覚えました。椰子の実を束ねたボートで、刑務所を脱獄する最後のシーンには、涙が溢れました。何故、ここまでして、自由を求め、生きようとするのか?無実の罪で終身刑になったパピヨン(胸に蝶の刺青がある主人公)は、何ども刑務所を脱獄しようとしては捕まり、最後には脱獄不可能と言われた孤島の刑務所に入れられたのです。しかし、ここでも述べたように、脱獄をし、年老いた彼ではあったが、成功をしたのでした。名優スティーブ・マックイーン、ダスティン・ホフマン共演の実話に基づいた映画なのです。寂しげな、「パピヨンのテーマ」音楽も、心に突き刺さります。
2.「太陽がいっぱい」
二枚目スターであるアラン・ドロン主演作品。貧しい青年が、つには裕福な青年を殺害し、富を手に入れる物語。浜辺で希望に満ちた彼は、「太陽がいっぱいだ」とつぶやくのですが、既に犯行を知った警察が、彼の逮捕に向かっていたのでした。1960年フランス=イタリア制作。
3.「ニュー・シネマ・パラダイス」
映画ファンにとって最高の映画作品。やがては有名映画監督になる主人公の少年時代・青年時代を通じて気持ちが通じ合っていた映写技師との心温まる物語。珠玉の映画作品が多く流れることも、ファン必携の作品になっている。
1989年イタリア制作。
4.「ネバーエンディング・ストーリー」
いじめられっ子のバスティアンは、ある日、古本屋で一冊の本“ネバー・エンディング・ストーリー”に出会う。彼は本を読み進むうちに、不思議な現象にとらわれる。本の中で起こっていることが、実際に起こっているように感覚を感じるのだ。おとぎの国、ファンタージェンに迫る“無”の脅威を描かれたその本の中では、国を救おうとする青年アトレーユが、バスティアンに協力を求めてくる。果たして彼らはファンタージェンを救うことが出来るのだろうか?1984年西ドイツ=イギリス制作。
5.「大脱走」
第2次大戦末期。ドイツ・サガン近郊の捕虜収容所に、連合軍の戦争捕虜が移送されてくる。彼らは過去に何度も脱走を試みた要注意メンバーばかり。その処遇に手を焼く独軍は、彼らを1ヶ所に集め、特別な監視体制で脱走を防ぐ計画だった。所内に入るやいなや周囲をくまなく点検し、脱走計画を練り始める男たち。過去17回の脱走歴を誇る米空軍のヒルツは、周囲を取り囲む鉄条網に監視の死角を見つけ、ボールを拾う振りを装って鉄条網に近づく。が、折悪く巡回兵に見つかり、到着早々独房送りとなるのだった…。1964年アメリカ制作。
6.「黄金狂時代」
チャップリンの無声映画の代表作。黄金獲得に魅せられた人間たちを、滑稽にコミカルに描いた名作です。パンにフォークを刺し、足に見せてダンスを披露するシーンは、名シーンです。チャップリンの多芸さと音楽的なセンスの良さが、顕著に表れている映像ですね。1925年アメリカ制作。
7.「オペラ座の怪人」
19世紀のパリ。オペラ座では、連日華やかなショーが繰り広げられる一方、怪人ファントムによる事件が連発していた。若く美しいクリスティーヌは、謎の師「音楽の天使」からレッスンを受け、やがてオペラ座のプリマへと成長する。クリスティーヌの幼なじみ、ラウルは、彼女の輝きに惹かれ愛を告白するが、「音楽の天使」ファントムはクリスティーヌを地下洞窟へ案内し、自分と共に生きるよう願い出た。しかし、クリスティーヌがファントムの素顔を知ったことから、運命は悲劇へと向かい始める…。2004年アメリカ制作。